駅に到着し、彼女と二人で就任祝いの会場となる居酒屋まで歩いていった。
彼女の隣を歩きながら、ずっと彼女の話を聞いていたが、正直、彼女の声が心地よく響く反面、頭の中では別のことが渦巻いていた。
彼女との距離が近づくたびに、自然と胸が高鳴り、緊張と興奮が混じり合っていた。
居酒屋に着くと、店の雰囲気に包まれながら、席に着いた。
なんとなく気がつくと、彼女は私の隣に座り、就任祝いの宴が始まった。
社長就任という大きなイベントで、皆が祝いの言葉を送り合う中、私の頭の中では、彼女が隣にいるという事実が強烈に意識されていた。
1次会が始まり、乾杯や挨拶が終わると、自然と場が盛り上がり始めた。
しかし、私にとっては彼女が隣にいることがすべてだった。
彼女が社長たちにお酒を作るたびに、彼女の手が私の体に触れる。
そのたびに、心の中で妙な感覚が走り抜け、周りの会話が耳に入らなくなっていた。
本来なら、会話を楽しみながら社長就任を祝うべき場面で、私はほとんど何も話せなかった。
隣同士に座っている彼女の存在が、ただそこにあるだけで、いつもとは全く違う自分を感じていた。
普段なら自然にできる会話も、彼女が隣にいることでまともに言葉が出てこない。
周りでは賑やかに祝杯が交わされていたが、私の中では彼女の一挙一動に振り回されていた。
お酒を注ぐたびに、彼女の手が一瞬触れるだけで、まるで時間が止まったかのような感覚が広がった。
その夜の1次会は、社長就任の大事な場面でありながら、私にとっては彼女との小さな接触が心に強く残る、少し不思議な時間となった。