二次会が終わり、駅までの道を歩いていると、行きのときとは違う距離感があった。


肩や手が軽く触れ合うくらいに近づいていることに気づいたけど、お互い自然にその距離を受け入れていたような気がする。


お酒のせいか、それとも何か別の理由かは分からないけれど、妙に心地よかった。



ホームに着いて、電車を待つ間、どんな会話をしていたのかはあまり覚えていない。


ただ、その場にいる時間がすぐに終わってしまうということだけが頭に残っていた。


時計を見るたびに、どんどんその時が近づいてくるのがもどかしかった。



電車がホームに入ってきた時、心のどこかで時間がもっとあればと思ったが、それを口にすることはできなかった。


扉が開く音が現実を引き戻すように感じた。


無言のまま電車に乗り込むと、彼女と並んで座った。


会話は続いていたけれど、心の中では別のことを考えていた。



最寄り駅が近づいてくる。


楽しい時間だったけれど、伝えられない思いが胸に残ったまま、あっという間にその時が来た。



それから、二人でタクシーに乗り、彼女の家へ向かうことに。


車内は静かだったが、心の中では何かが大きく動いていた。


家が近づくにつれ、どうしても気持ちを伝えたいという思いが強くなり、気づけば彼女の方を見つめていた。


目と目が合った瞬間、自然に手が伸びた。


断られるかもしれない、そんな不安が一瞬よぎったが、彼女は私の手を優しく握り返してくれた。


その瞬間、全てが動き出した気がした。



こうして、私と彼女の間に、言葉にできない恋が始まった。



誰にも言えない、いけない恋が。