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川沿いの土地は眺めがいいものです。でも、こんな土地は困ります。
◎事件の概要
1986年に、不動産業者Xが媒介業者Y2を介して、一級河川に隣接する土地をワンルームマンション建築の目的で購入しました。
ところが、この土地の3分の1が河川拡幅工事を行う区域であり、かつ、建築物を建築できない旨の行政指導がなされていることが判明しました。
売主である不動産業者Y1及び媒介業者Y2は、上記の行政指導を知っていました。また、契約前に交付する重要事項説明書に「一級河川改修計画あり(拡幅)」と記載されていました。
不動産業者Xはその契約を解除し、売主Y1には違約金を請求し、媒介業者Y2には手付金に相当する損害倍書を求めました。
(東京高判平2.1.25、東京地判平3.2.28)
◎判決
売主Y1は説明義務があり責任はありますが、不動産業者Xも慎重さを怠ったとして5割の過失を認定しました。媒介業者Y2は説明を怠り義務違反がありますが、買主Xにも2割の過失を認定しました。
◎解説
この土地は一級河川に隣接し河川の拡幅対象地だったので、河川区域とほぼ同様の規制が働くことになります。
契約に先だって、宅地建物取引主任者が説明する重要事項説明書には「一級河川改修計画あり(拡幅)」の記載がありました。
裁判所は「専門業者たる買主として尽くすべき注意」を怠ったとしています。そこで、過失相殺によって双方の責任を指摘し、救済のバランスを図りました。
不動産業者にとっても、このような河川法についての規制を含む土地の売買及び媒介は稀でしょう。
しかしながら、裁判所は「情報の提供として極めて不十分なものであった」として、河川拡幅計画の「内容と建築に与える影響を正確に調査」すべきであるとしています。
◎不動産鑑定の見地から
河川に隣接する土地については、河川保全区域の指定を受けているか否かを確認する必要があります。河川保全区域は原則として河川区域の境界から、原則として50m以内で指定されます。
河川保全区域に指定されると、建物の建築には河川管理者の許可が必要です。許可をとることは、まず不可能です。ですから、確認を怠ると、評価にあたって決定的な誤りを犯すことになります。
■編集後記■━━━━━━━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥………
メルマガ204号で、ギターを買ったと書きました。実は、もう一台買ってしまいました。2か月連続です。
日本のギター製作家には、すでに故人ですが世界的に名を知られたA氏がいました。
私は、その人の次の世代の名工B氏のギターを、43年前に買いました。いまも好調で、よく鳴っています。
1月に買ったギターは、A氏の弟子にあたるC氏が制作したものです。
A氏の次の世代には、D氏という名工もいます。D氏のギターは、ドイツでは非常に評価が高いそうです。2月に買ったのは、D氏のギターです。
実はD氏は寡作で、彼のギターはなかなか出回りません。私の知人のプロギタリストは、「Dさんのギターはいいですよ。予約したらどうですか。キャンセルしても大丈夫ですから」と私に勧めました。私は、キャンセルしても大丈夫
ってなんだよ、と心の中でツッコミを入れていましたが。
そのD氏の中古ギターが、ある楽器店のサイトに載っていました。それなりの価格です。
迷いましたが、銀行の預金口座をみるとまとまった金額が入金されています。私の年金の数か月分が一度に振り込まれたのです。
これで買えるではないですか。迷わず、ウェブサイトの購入ボタンをクリックしました。
欲しかったギターが手に入りましたが、まさか2か月連続で買うとは。私の年齢を考えたら、ギターの買い物はこれが最後でしょう。