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│1│ 今回の評価実例:継続賃料(家賃)の評価
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不動産の価格と賃料とは、元本と果実の関係にあります。不動産を運用して得られる果実が、賃料です。
今回は、継続賃料(家賃)の評価です。継続賃料(家賃)とは、賃貸借の当事者間に成立する賃料(家賃)で、その当事者間でのみ成立する賃料(家賃)です。賃料の改定の場合の賃料(家賃)です。
土地・建物を借りているチェーンストアから依頼されました。家賃が高いので安くならないか、という依頼です。
そのチェーンストアが所有する土地・建物と、今回の評価対象の土地・建物とが隣接しており、一体で利用されています。珍しい利用方法です。両方の建物とも、新築時からかなりの年数が経過しています。
チェーンストアが賃貸人に差し入れている保証金が、かなりの高額でした。
評価をしたところ、保証金の運用益で家賃がまかなえるということがわかりました。ですから、家賃はゼロです。
交渉の結果、家賃がゼロにはならなかったものの、かなりの減額となったそうです。
このチェーンストアからは、継続的に評価の依頼がありました。いつもの調子で担当者を訪ねたところ、いきなり先方の社長が応対に出てきて案件の説明を始めました。
特殊な評価なのに、相手が社長。断るわけにはいかず、かなり悩みながら評価書を作成した記憶があります。
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│2│ 不動産鑑定評価の知識:正常価格
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不動産鑑定評価では、価格または賃料を求めます。
価格の種類には、「正常価格」「限定価格」「特定価格」「特殊価格」があります。
不動産鑑定評価では、正常価格を求めるのが通常です。
正常価格とは、市場性を有する不動産について、現実の社会経済情勢の下で合理的と考えられる条件を満たす市場で形成されるであろう市場価値を表示する適正な価格をいいます。
この場合において、現実の社会経済情勢の下で合理的と考えられる条件を満たす市場とは、以下の条件を満たす市場をいいます。
Ⅰ.市場参加者が自由意思に基づいて市場に参加し、参入・退出が自由である こと。
なお、ここでいう市場参加者は、自己の利益を最大化するため次のような要件
を満たすとともに、慎重かつ賢明に予測し、行動するものとされています。
1.売り急ぎ、買い進み等をもたらす特別な動機のないこと。
2.対象不動産及び対象不動産が属する市場について取引を成立させるために必要となる通常の知識や情報を得ていること。
3.取引を成立させるために通常必要と認められる労力、費用を費やしていること。
4.対象不動産の最有効使用を前提とした価値判断を行うこと。
5.買主が通常の資金調達能力を有していること。
Ⅱ.取引形態が、市場参加者が制約されたり、売り急ぎ、買い進み等を誘引したりするような特別なものではないこと。
Ⅲ.対象不動産が相当の期間市場に公開されていること。
現実の不動産市場は不完全ですが、このように完全だとした場合に成立する価格が正常価格です。
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│3│ 編集後記
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無名人のひとりごと(永六輔)より
「オレ達ってさ、テレビのせいで知らなくてもいい無駄な情報を知りすぎてな
いかい」
テレビを見ると、大谷翔平選手の情報ばかりです。いや、彼の活躍はすばらしいですよ。でも、世の中は大谷選手だけではないでしょう。
裏金やら統一教会やら武器輸出やらインボイスやら、必要な情報が山ほどあるのですが。