今日は
最強のふたり
紹介していきます。
こんな人にオススメ！
バディものが好きな方
あらすじ
フィリップはパリに住む富豪。パラグライダーの事故で頚椎を損傷し首から下の感覚がなく動かない。彼は住み込みの介護士を必要としていた。しかし、気難しくプライドの高い彼は介護士にも強く当たり、これまで雇った全ての介護士は彼の介護を断念していた。
介護士募集の面接に現れたのはスラム街に住むドリス。しかし彼は就業する気はサラサラなく、失業保険受給のために就職活動の実績を作りたいだけだった。
実績づくりであることもやる気がないことも包み隠さずいけしゃあしゃあと述べ、不採用を要求するドリスの肝の太さを見たフィリップは、他の候補者が気に入らなかったこともあり半ばヤケになってドリスを採用する。
こうして、格式高いブルジョアな紳士フィリップとスラム育ちで粗野なドリスの凸凹コンビの生活が始まる。
新しいバディもの入荷しました。
はいきました、大好物です。
凸凹コンビによるバディもの。
これまでもそんなのを紹介してきましたが、
いやぁバディものって本当に良いものですねぇ。
しかし、また例によってタイトルに申したいことがあるのですが、
この映画の原題は「intouchables」。
英語で言えばアンタッチャブル。触れられないものという意味です。
流石フランス映画、実にオシャレ。
本編を観て貰えばこのタイトルがピッタリというのはよくわかっていただけると思います。
邦題は「最強のふたり」。
うーん…、悪くはないけどコメディだからってわかりやすさ優先でつけ過ぎじゃない？とやや疑問です。
僕のようなアマチュア邦題審査員（いちいちタイトル訳に細かなケチをつける厄介ファンの総称）としてはこれはちょっと文句を申し上げたい。
次までにブラッシュアップしといて下さい。
フィリップは重い障がいを抱えており、介護が必要不可欠な暮らしをしていますが、
同時にプライドが高く自らが障がい者扱いされるのを嫌います。
ちょこちょこ出てくる描写から想像するに、いままでの介護士も恐らく決して仕事が雑だったとか気配りが足りなかったということはないのです。
ただ、社会的弱者としてフィリップを扱ってきた。
それがフィリップには我慢ならなかったのでしょう。
ところがドリスはそうではない。
ドリスは乱暴で配慮や気配りに大いに欠けます。
介護の経験もないので仕事も雑です。
しかし、優しい男であり、なにより純粋です。
なのでフィリップにも、障がい者ってどうやってエロいことするんだ？みたいな質問を不躾にぶん投げてきます。
障がいも個性なんだろうという考えがごく自然に身についているからです。
これは僕の持論ですが、気遣いや心遣いは能力で、心配は性格だと思うのです。
ドラスは細かいところには気がつきませんが、雇い主であるフィリップを心から心配し、打ち解けるに従い親友として守ろうとします。
障がい者だからではなく、親友だから大事にするのです。
そう、二人は段々と親友になっていきます。
この過程はバディものの醍醐味ですし、この映画においてそれは実に自然で心地よく描写されています。
そんな親友になっていくふたりですが、親子ほどに歳が離れています。
なのでお互い世代間ギャップがあるのですが、そこはドリスの根明で明け透けな性格が功を奏し、
フィリップはクラシックや絵画といった芸術やパラグライダーを、
ドリスはファンクミュージックなどの若者文化や大麻などの悪さを、
それぞれ教えあいます。
そしてふたりはその時間を心から楽しみます。
この展開は本当に観ていてほっこりさせられます。
そして合間合間に入るコメディ。
基本的に映画全体の雰囲気を明るくする役を担っているのですが、それだけではなくめちゃくちゃ笑えます。
バディものとしてピッタリな水と油の二人が、ハートフルに分かりあうストーリーな、超笑えるコメディ。
全方位に隙のない映画です。
僕のようにこの手のジャンルが好きな方には確実に刺さる作品でしょう。
是非お試しください！
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