1年遅れの大学デビュー -2ページ目

学園祭①

後期は日々の忙しさを感じるようなことはない。


大学生活のリズムは前期で充分に把握しているから、あとは流れに身を任せるだけでいいんだ。




ステップを覚えてしまえば巧く踊れる。




平日は相変わらず真面目に授業を受けて、サークルにも参加する。


金曜日はサークルの飲み会だ。


週末には涼子と買い物に行った。


服とかアクセサリーとか。





涼子曰く、


「多少オシャレになったからって気を抜いちゃダメ。もっともっとカッコよくならなくちゃ。」


だそうな。


オシャレの道もなかなか長く険しそうだ。


大介からは僕と涼子の仲を心配されたけど、ソレはソレ、コレはコレだ。






そして、、麻里ちゃんとは週2ペースでメールのやり取りをした。


麻里ちゃんは留学生活を満喫しているようだった、送られてくる写メには元気一杯の姿が映っていた。


ただ、時々日本食が恋しくなるらしく、僕が『今日の夕飯』と題した写メを送ると、


「凸(▼ー▼)」と返事が返ってきた。






そんな風にして退屈でのんびりとした、でも、幸せな日々が続いた。






秋。


秋が始まる時の空気ってスゴく穏やかだ。


僕はその温もりのある穏やかな空気が好きだ。


そして、地面には赤と黄の2色柄の絨毯が敷き詰められていて、歩く度に足元が心地良い。


そんな秋の始まりが好きだ。






秋。


僕達、サークルに所属している人間にとって一年間で一番大切なイベントがある。


学園祭だ。


僕が所属している『文学研究会』はホットドッグを売るのが恒例になってるらしく、今年もそれで決定らしい。






ホットドッグを売るスタイルは簡単だ。


1人10個ホットドッグの入った発泡スチロールの箱を持ってキャンパス内を売り歩くんだ。


所謂、行商ってやつ??


で、早く売り切ってしまった人から帰れるんだ。


こういうのってやっぱり圧倒的に女の子が有利。


だって想像してみてよ??


むさい男の子が売ってるホットドッグと、カワイイ女の子が売ってるホットドッグ。


どっちが美味しそう??





うん、うん。


でしょ??





そういうわけなんだ。。。。






そんなこんなで学園祭編スタートです。

再始動

僕は大介からのメールを何度も何度も読み返した。


そしてその度、僕の緩みきった涙腺からは止め処なく涙が溢れた。



僕は本当のイイ友達を持ったんだなと思って泣いた。


そんな最高な奴を疑ってしまった自分を恥じて泣いた。


そして、、、、僕は色んな感情に包み込まれて泣いた。



もう大丈夫だと思った。



次の日、教室に行くと最前列ど真ん中を2人分確保している大介がいた。



大介は僕と目が合うとスゴく緊張している事が分かった。目が泳いでる。。


そして一杯一杯な表情で「やぁ」と上ずった声で言った。


僕はその一連の流れが可笑しくて可笑しくて、思わず噴出してしまった。



大介はそんな僕を見て、「笑ってんなよぉ」と言って顔を真っ赤にした。


大介は笑っていた。


いつものピカピカの笑顔だった。



僕は大介のこの笑顔が好きだ。



僕は笑いながらちょっと泣いた。


大介にバレないように。




秋は別れの季節なんて言うけど、確かにそうかもしれないと思った。


友達としての僕達には別れがやってきた。


僕と大介の友情は以前よりも強いものになって、僕達は親友として再始動したんだ。

Long Sorry Mail

題名:ゴメンナサイ

本文:

この前は僕のせいであんなことになっちゃってごめん。

軽率な行動でみんなに迷惑かけちゃうなんて最悪だ、ホント自分が嫌になる。


幹事クンとか他のメンバーには次の日に謝ったよ。

「いいや、全然オッケイ」

とは言ってくれたけど、、、そうやって気を使ってくれたり、優しさを感じると益々胸が痛いよ。


ケンには他にも謝らなくちゃいけない事がある。

隠し事をしててごめん。

友達に隠し事だなんて。。。


でも、安心して欲しいんだ、僕と麻里は付き合ってるとかそんなんじゃないから。

付き合えない、、、付き合っちゃいけない、、、兎に角そういう感情はお互い一切ないし、

そんな気さらさらないし。。。。

、、、、ワケ分からない事ばっかり言っててごめん。

兎に角そんな事はないから安心して。






ゴメン、こんな遠回しな言い方したら益々ケンを混乱させちゃうね。

あぁ、本当にダメだ。

自分が嫌だ。

頭が混乱してる。

また話がそれた。。。



僕と麻里の関係だけど。

僕達は姉弟なんだ。


麻里は僕の1つ上。

1年浪人してるから僕達と同級生。

麻里は高校時代からろくに勉強しないで遊んでばっかりだったから当然の報いだよ。


本当はもっと早く言うべきだったと反省してるよ。

でも、ケンが僕に麻里の事が好きで、麻里に振り向いてもらえるように努力してるって聞いて

言い出せなかったんだ。

ケンの頑張りの邪魔だけはしたくなかったんだ。


ケンが麻里に対してそういう気持ちでいてくれるのはスゴく嬉しい。


僕は入学直後あたりから見てるけどケンはスゴく変わったよね。

それ位人を好きになるって素敵な事だと思うし、そう思われてる麻里はホント幸せだよ。


僕はこれからもケンを応援したいと思う。

この気持ち嘘じゃないよ?

本当に頑張って欲しいと思う。

僕に出来る事があれば何でも言って欲しい。

出来る限りの協力は惜しまないよ。


こんな事今更言うのは遅すぎるって分かってる。

本当にゴメン。



また、最前列ど真ん中でケンと授業を受けられる日を楽しみにしてます。