先日の『ヴィヨンの妻』に続き
山田洋次監督の『小さいおうち』を
観ました。
この映画に出てくる
赤い三角屋根の小さいお家、
室内のインテリア、きもの姿・・・。
昭和10年代の山の手に住む
中流家庭の暮らしぶりなど
昭和モダンに溢れ、
久しぶりにいい映画を観たな~
と満足感に浸りました。
そしてなんといっても
主演の松たか子さん!
美しい仕草、着姿、
内面からにじみ出る品が
そこはかとなく漂っています。
特に、
思いを寄せる男性に
会いに行く時の支度姿!
帯締めを口にくわえている仕草が
艶っぽい・・・。
良妻賢母の表向きの姿とは裏腹に
道ならぬ恋に走る、心乱す姿が
なんとも危なげで、
それで艶っぽく、
松さんにやられました~
ささやかな平和な暮らしが
戦争で一変し、
また、自分が犯した罪に
何十年も苦しんだ
「小さなおうち」の
女中のタキちゃん(黒木華ちゃん)。
その憶測にあるのは
奥様(松たか子さん)を
想う気持ちだったのか?
それとも
同じ男性を好きになって
しまった故の嫉妬だったのか?
わかりません。
だけど、
静かに心の琴線に触れるラストに
久しぶりに涙を流し、
しばし余韻に浸りました。
派手なアクションやスピード感の
ある映画も大好きですが、
こんな普通の人々の
(不貞ははたらくけど(^^;;)
普通の暮らしを丁寧に
描いている映画もいいですね。
映画にも登場しますが、
バートンの『ちいさいおうち』も
もう一度読みたくなりました。