典ちゃん
パピヨンでの生活が始まって、約2ヶ月が経った。フラッと立ち寄った不動産屋の事務机で、いくつかの物件を提示されたのだが、
「これしかない。」
と、実際に建家を見る前に、即決でこの部屋に住むことを決めた。所在地が急激な坂の上であることと、マンション名が
[パピヨン橘]
という残念クオリティ-であることには眼を瞑り、長年住み親しんだ並木を離れ、私は保土ヶ谷区民になることを受け入れた。
家の裏手には開墾畑のような土の空き地があり、風の強い日にはその土が黄砂のように吹き荒れ、愛しのディーバを薄茶色に染める。その都度せっせと車体を磨きあげ、洗車後のディーバを眺めた時のボリュームと、ブラックホールのような車体の深い艶に1人自己満しながら、
「うんうん。」
と頷く。
「ムラーノよ。世間じゃ秋山莉奈がオシリーナと言われて調子にのってるようだが、あんな小娘の尻に負けるようなお前じゃないな。
( ̄^ ̄)
あくまでもお前は、相澤仁美級の破壊力を目指すんだ。洗練されてない粗削りなボディー、尻のデカさ、重厚なフォルム。そして決して美人とは言えないが、何故かエロスを感じる愛人的なオーラ。全てにおいてお前は、相澤仁美を踏襲している。ハリアーをはじめとするスタイリッシュでスマートな国産のSUV達を、その尻のデカさでねじ伏せろ。倒せムラーノ!ハリアーを倒してこい!」
そんな風に心の中で語りかけると、ムラーノが納得したような顔をする。私にはそう見える。
先日、久しぶりに実家に帰った。
引っ越しをする際の部屋の片付けが完全に終わっていなかったため、私は愛犬と遊ぶ傍らで、鼻歌を歌いながら部屋の掃除をした。
「窓をあけ~ましょう♪ルッル~ル♪」
大半の物は廃棄処理となるのだが、野球のユニフォームや本など、必要な品々を仕舞うべく、私は自室の押し入れを開けた。すると押し入れの奥まった場所に、一冊の古いアルバムを見つけた。
それは母のアルバムだった。
実家の押し入れの一部には、一家のアルバムコーナーがあり、そこには私や姉の成長の歴史が大切に保管されている。生まれたての赤子の頃の写真や七五三、入学式など、幼き姉弟と在りし日の両親の写真が、何冊ものアルバムに納められている。
しかし私が自室の押し入れで発見したアルバムには、そうした家族の写真ではなく、母が独身時代に、母が母になる前に過ごした時間の1ページが、私の知らない母の表情と共に写しだされていた。
旅行先での写真や、仲間達と海に行った写真。その当時流行していたらしき髪型や服装に身を包んだ、若き日の母の姿がそこにはあった。
毛皮を着ていたり、水着姿の男女で楽しそうにしている母。化粧品メーカーの美容部員をしていた母が、同僚達と制服姿でかわいい笑顔を見せている。旅先の朝市で、野菜売りのおばちゃんと話している楽しそうな母。
不思議な気持ちだった。
そのアルバムに写っているのは紛れもなく母なのだが、そこにいる若い女性が自分の母であるという実感は全く湧かなかった。だが、数十年前に母が確かにその時間を過ごしていたという事実が、私という存在がこの世にあることで証明されている。
それらの写真から、私は母の中にある
「女」
のようなものを感じた。
「いっぱい食べな。」
と、晩飯の時にはテーブル一杯におかずを並べてくれ、私がどんぶり飯を掻き込むのを嬉しそうに見ていた母。
いつも美味そうに饅頭や羊羹を頬張り、パチンコに行けば絶対に負けない勝負強さを持つ母。
自分勝手な父に文句も言わず尽くしている母。
いつも優しく、日々を忙しく過ごしている母。
そんな母にも、ふとした時に過ぎた季節を思い出す事があるのだろうか。
部屋の片付けを終え、パピヨンに戻るため環状2号を飛ばした。信号待ちで私のムラーノの右隣に止まった乗用車の助手席で、若い女性が運転席の男性と会話をしていた。
楽しそうに会話をするその女性の姿と、あのアルバムの中で、弾けるような笑顔を見せていた若き日の母が重なった。
過ぎていった季節に戻る事は出来なくとも、脳裏に残る記憶は決して色褪せない。
母を大切にしていきたいと思う。
「これしかない。」
と、実際に建家を見る前に、即決でこの部屋に住むことを決めた。所在地が急激な坂の上であることと、マンション名が
[パピヨン橘]
という残念クオリティ-であることには眼を瞑り、長年住み親しんだ並木を離れ、私は保土ヶ谷区民になることを受け入れた。
家の裏手には開墾畑のような土の空き地があり、風の強い日にはその土が黄砂のように吹き荒れ、愛しのディーバを薄茶色に染める。その都度せっせと車体を磨きあげ、洗車後のディーバを眺めた時のボリュームと、ブラックホールのような車体の深い艶に1人自己満しながら、
「うんうん。」
と頷く。
「ムラーノよ。世間じゃ秋山莉奈がオシリーナと言われて調子にのってるようだが、あんな小娘の尻に負けるようなお前じゃないな。
( ̄^ ̄)
あくまでもお前は、相澤仁美級の破壊力を目指すんだ。洗練されてない粗削りなボディー、尻のデカさ、重厚なフォルム。そして決して美人とは言えないが、何故かエロスを感じる愛人的なオーラ。全てにおいてお前は、相澤仁美を踏襲している。ハリアーをはじめとするスタイリッシュでスマートな国産のSUV達を、その尻のデカさでねじ伏せろ。倒せムラーノ!ハリアーを倒してこい!」
そんな風に心の中で語りかけると、ムラーノが納得したような顔をする。私にはそう見える。
先日、久しぶりに実家に帰った。
引っ越しをする際の部屋の片付けが完全に終わっていなかったため、私は愛犬と遊ぶ傍らで、鼻歌を歌いながら部屋の掃除をした。
「窓をあけ~ましょう♪ルッル~ル♪」
大半の物は廃棄処理となるのだが、野球のユニフォームや本など、必要な品々を仕舞うべく、私は自室の押し入れを開けた。すると押し入れの奥まった場所に、一冊の古いアルバムを見つけた。
それは母のアルバムだった。
実家の押し入れの一部には、一家のアルバムコーナーがあり、そこには私や姉の成長の歴史が大切に保管されている。生まれたての赤子の頃の写真や七五三、入学式など、幼き姉弟と在りし日の両親の写真が、何冊ものアルバムに納められている。
しかし私が自室の押し入れで発見したアルバムには、そうした家族の写真ではなく、母が独身時代に、母が母になる前に過ごした時間の1ページが、私の知らない母の表情と共に写しだされていた。
旅行先での写真や、仲間達と海に行った写真。その当時流行していたらしき髪型や服装に身を包んだ、若き日の母の姿がそこにはあった。
毛皮を着ていたり、水着姿の男女で楽しそうにしている母。化粧品メーカーの美容部員をしていた母が、同僚達と制服姿でかわいい笑顔を見せている。旅先の朝市で、野菜売りのおばちゃんと話している楽しそうな母。
不思議な気持ちだった。
そのアルバムに写っているのは紛れもなく母なのだが、そこにいる若い女性が自分の母であるという実感は全く湧かなかった。だが、数十年前に母が確かにその時間を過ごしていたという事実が、私という存在がこの世にあることで証明されている。
それらの写真から、私は母の中にある
「女」
のようなものを感じた。
「いっぱい食べな。」
と、晩飯の時にはテーブル一杯におかずを並べてくれ、私がどんぶり飯を掻き込むのを嬉しそうに見ていた母。
いつも美味そうに饅頭や羊羹を頬張り、パチンコに行けば絶対に負けない勝負強さを持つ母。
自分勝手な父に文句も言わず尽くしている母。
いつも優しく、日々を忙しく過ごしている母。
そんな母にも、ふとした時に過ぎた季節を思い出す事があるのだろうか。
部屋の片付けを終え、パピヨンに戻るため環状2号を飛ばした。信号待ちで私のムラーノの右隣に止まった乗用車の助手席で、若い女性が運転席の男性と会話をしていた。
楽しそうに会話をするその女性の姿と、あのアルバムの中で、弾けるような笑顔を見せていた若き日の母が重なった。
過ぎていった季節に戻る事は出来なくとも、脳裏に残る記憶は決して色褪せない。
母を大切にしていきたいと思う。
吉瀬美智子に惚れてます。
「Number」
という雑誌の表紙に写る男の顔を、私は藤沢駅前のコンビニで見つけた。その雑誌が、表紙を飾るその男の特集号であることを確認した私は、いつものように立ち読みすることなく、その雑誌を購入した。男の名前は、
「清原和博」
である。
「球場に来てバットを振って、そこで稼いだ金で高級外車を乗り回し、美人を連れて高い酒を飲む。それがプロです。プロ野球選手が必死に努力してる姿を見せるなんてカッコ悪いんですよ。誰も出来ないような事を、バッと出来るように見せるのがプロなんです。」
以前、とあるインタビューでそう応える清原の映像を見て、私は清原のプロ意識に触れたような気がした。心の底から本気でそう思っているのかは解らなかったが、
「人に夢を与えるのがプロ」
という事を、彼はしっかりと自覚していたのだろうと思う。
毎年、好成績を残しながらもタイトルを取れなかった事や、ケビン山崎との肉体改造、桑田との確執など、清原は様々な話題を振り撒いてきた。しかし私の中に最も強く印象に残っているのは、それらの出来事ではない。
吉原の色里に遊びに行く清原の姿がFridayされた時、私はそこに写る彼の姿に強い感銘を受けた。
清原はビシッとしたスーツ姿で、両手で大きな花束を抱え、それを彼が贔屓にしている女性にプレゼントしていたのである。
それと同時期に、同じく色里で遊ぶ姿をキャッチされ、無様に慌てふためいていた出川哲朗とは違い、清原はその女性に堂々と敬意を表していた。
昨年のクリスマスイブに、飯島愛さんの遺体が発見された時、その死を悼む声と同時に、彼女の過去を引き合いに出して、罵声を浴びせる声を耳にした。
「あんな仕事をしてたから」
「真面目に生きてないとああなる」
など、世間ではそうした声が多くあがった。
しかし、この世で生きている誰でもそれぞれが何かしらの事情を抱え、何とか生きているのが現状で、飯島愛さんを中傷した輩が言う所の、
[まっとうな生き方]
というのがどういうものなのか、私にはよくわからない。
彼女を中傷した輩のうち、はたして何人が、まっとうで真面目な生き方をしているのだろう。
「俺達の年代の男はさ、皆、飯島愛の世話になってるからなぁ。ショックだけど、ゆっくり休んでほしいよな。」
クリスマスイブの夜、世間の喧騒を忘れての仕事中に、先輩達は口々に彼女の死を悼んでいた。
私は、こういう人間を信用する。
人は皆、自然な成り行きの中で、女性の腹から生まれてきた。
本当の意味で、男よりも女性の方がずっと強いと私は思っている。
自分よりも身体の大きな野郎と向かいあっても何て事はないが、意を決した時に見せる女性の眼差しは、何よりも力強く、私の心のやらかい場所を締め付けるという、
[夜空のムコウ状態]
へと私を導き、それと同時に
「お前にゃ無理だ魚住。」
と、海南大付属高校バスケ部・牧伸一が、私の敗北をそっと告げる。
女性は強い。
先日、私がまったく頭の上がらない女性の1人である姉から、一通のメールが送られてきた。
「これでも読んで、男を磨きな。」
そこに添付されていたURLを開くと、そこには姉の眼から見た私に対する露骨な評価が、くだされていた。
出川哲朗ブログ
[俺の女の口説き方]
http://girlswalker.com/geinou/degawablog/
( ̄▽ ̄;)ちーん。
どちらかというと、清原和博に近づきたいと思っている。
という雑誌の表紙に写る男の顔を、私は藤沢駅前のコンビニで見つけた。その雑誌が、表紙を飾るその男の特集号であることを確認した私は、いつものように立ち読みすることなく、その雑誌を購入した。男の名前は、
「清原和博」
である。
「球場に来てバットを振って、そこで稼いだ金で高級外車を乗り回し、美人を連れて高い酒を飲む。それがプロです。プロ野球選手が必死に努力してる姿を見せるなんてカッコ悪いんですよ。誰も出来ないような事を、バッと出来るように見せるのがプロなんです。」
以前、とあるインタビューでそう応える清原の映像を見て、私は清原のプロ意識に触れたような気がした。心の底から本気でそう思っているのかは解らなかったが、
「人に夢を与えるのがプロ」
という事を、彼はしっかりと自覚していたのだろうと思う。
毎年、好成績を残しながらもタイトルを取れなかった事や、ケビン山崎との肉体改造、桑田との確執など、清原は様々な話題を振り撒いてきた。しかし私の中に最も強く印象に残っているのは、それらの出来事ではない。
吉原の色里に遊びに行く清原の姿がFridayされた時、私はそこに写る彼の姿に強い感銘を受けた。
清原はビシッとしたスーツ姿で、両手で大きな花束を抱え、それを彼が贔屓にしている女性にプレゼントしていたのである。
それと同時期に、同じく色里で遊ぶ姿をキャッチされ、無様に慌てふためいていた出川哲朗とは違い、清原はその女性に堂々と敬意を表していた。
昨年のクリスマスイブに、飯島愛さんの遺体が発見された時、その死を悼む声と同時に、彼女の過去を引き合いに出して、罵声を浴びせる声を耳にした。
「あんな仕事をしてたから」
「真面目に生きてないとああなる」
など、世間ではそうした声が多くあがった。
しかし、この世で生きている誰でもそれぞれが何かしらの事情を抱え、何とか生きているのが現状で、飯島愛さんを中傷した輩が言う所の、
[まっとうな生き方]
というのがどういうものなのか、私にはよくわからない。
彼女を中傷した輩のうち、はたして何人が、まっとうで真面目な生き方をしているのだろう。
「俺達の年代の男はさ、皆、飯島愛の世話になってるからなぁ。ショックだけど、ゆっくり休んでほしいよな。」
クリスマスイブの夜、世間の喧騒を忘れての仕事中に、先輩達は口々に彼女の死を悼んでいた。
私は、こういう人間を信用する。
人は皆、自然な成り行きの中で、女性の腹から生まれてきた。
本当の意味で、男よりも女性の方がずっと強いと私は思っている。
自分よりも身体の大きな野郎と向かいあっても何て事はないが、意を決した時に見せる女性の眼差しは、何よりも力強く、私の心のやらかい場所を締め付けるという、
[夜空のムコウ状態]
へと私を導き、それと同時に
「お前にゃ無理だ魚住。」
と、海南大付属高校バスケ部・牧伸一が、私の敗北をそっと告げる。
女性は強い。
先日、私がまったく頭の上がらない女性の1人である姉から、一通のメールが送られてきた。
「これでも読んで、男を磨きな。」
そこに添付されていたURLを開くと、そこには姉の眼から見た私に対する露骨な評価が、くだされていた。
出川哲朗ブログ
[俺の女の口説き方]
http://girlswalker.com/geinou/degawablog/
( ̄▽ ̄;)ちーん。
どちらかというと、清原和博に近づきたいと思っている。


