「・・・・・・・・・。」
ブン!ブン!ブン!ブン!ブン!
無言でバットを振り続けるリュウ。
キキッ!
トモヤ 「おい!リュウ!こんなところで何してるんだよ!」
自転車から降りてリュウのもとにやってきたトモヤ。
「何って・・・・素振りしてんだよ。」
トモヤ 「今日松井さんが市川市を去る日なのに見送りに行かなくていいのかよ!?」
「行かねーよ。俺はレナちゃんにフラれたし、3日前の登校日でみんなとレナちゃんを送る会やったからいいんだよ!」
トモヤ 「お前は松井さんが好きだったんだろ!最後くらい笑って見送れよ!」
「だから行かねーって言ってんだろ!!レナちゃんだって俺が見送りに来たら複雑な気持ちになんだろ!!行くメリットなんかねーよ!!」
ドカッ!!
トモヤはリュウの顔を思いっきり殴った。
「何すんだよ!!!」
地面に倒れ、殴られた頬を手で抑えながらトモヤを睨むリュウ。
トモヤ 「ふざけたこと言ってんじゃねーぞ!お前は松井さんに何を教わったんだよ!?大事なことを教わったんだろ!?思い出してみろよ!」
「俺がレナちゃんに教わったこと・・・・・あっ!」
リュウは少し考えた後、あることを思い出した。
「そうだ・・・・レナちゃんは俺に恋を教えてくれたんだ・・・。」
トモヤ 「そうだよ。お前は松井さんに恋をすることを教わったんだよ。だから早く松井さんに会って感謝の言葉を伝えてこい!」
「おう!トモヤ、ありがとうな!」
トモヤ 「リュウ、早く行け!」
「わかってるって!」
リュウは河川敷の上に停めてある自分の自転車に乗ってレナのマンションに向かった。
「はぁ!はぁ!はぁ!」
全力でペダルを漕いで自転車を走らせるリュウ。
「頼む!間に合ってくれ!」
しばらくするとレナのマンションの前に止まるタクシーが見えてきた。
「クッソーーー!!!待ってくれーー!レナちゃん、行かないでくれ!」
リュウは自転車を漕ぎながら叫ぶもまだ距離があるので車の中には聞こえない。
「レナちゃん!待ってくれ!行くなー!!」
リュウは叫びながら自転車を漕いだが、レナのマンションからレナの母親が出てきてタクシーに乗り込みタクシーは出発してしまった・・・・。
「そんな・・・・間に合わなかった・・・・。くっそぉぉぉーーーー(涙)」
間に合わず涙を流して悔しがるリュウ。
? 「ゴンちゃん!?」
「えっ!?」
声が聞こえた方向をリュウが振り向くとそこには赤いワンピースを着たレナが立っていた。
「レナちゃん!?何で?さっきお母さんと一緒にタクシーに乗ったんじゃないの!?」
レナ 「ううん。最初から乗ってないよ。お母さんだけタクシーで先に本八幡駅に行ったの。後で秋葉原駅で合流するつもり。」
「そうなんだ・・・・。レナちゃんは本八幡駅にどうやって行くの?」
するとレナはリュウの自転車の台車に乗った。
「えっ!?」
レナ 「ゴンちゃんに自転車で送ってもらうの!運転手さん、本八幡駅までお願いします♪」
くしゃっと無邪気な笑顔を見せながらリュウに話しかけるレナ。
「はい・・・・わかりました!」
リュウは戸惑いながらも自転車に乗り、ペダルを漕ぎ始めた。
つづく
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次回でマイガールは最終回です!