レナ 「ここの場所、人が少ないね。ほとんど貸切状態じゃん!」
「だろ?俺は去年ここで従姉妹と一緒に花火見たからな。」
レナ 「へーゴンちゃん、従姉妹と花火見たんだ。」
「ああ。だから女の子と花火見るのはレナちゃんが初めてなんだ。」
喋りながら地面に座るリュウとレナ。
19時15分、花火打ち上げ開始の時間になり、次々と花火が打ち上げられ始めた。
ヒュードーン!ヒュードーン!ヒュルルルル!ドーン!ドーン!ドーン!
レナ 「すごーい!豊橋祇園祭の花火より迫力がある!」
「市川市民納涼花火大会の総打ち上げ数は国内最大級の1万4000発だからね。」
地面に座って花火を見るリュウとレナ。
あっという間に花火は進み、少しずつ終了の時間が近づいてきた。
「(このままだと花火が終わってしまう!よし行くぞ!)なぁ・・・レナちゃん。」
レナ 「何?ゴンちゃん。」
「俺たち、出会ってもう4ヶ月になるよな・・・。」
レナ 「うん・・・。」
「あのさレナちゃん!」
レナ 「は・・・はい!」
「俺、初めて会った時からレナちゃんのことが好きなんだ・・・。」
レナ 「・・・・・・(涙)」
リュウの告白を聞いて涙を流すレナ。
「よかったら俺の・・・・彼女になってください。」
頭を下げてお願いするリュウ。
レナ 「うう・・・・・ごめんなさい(涙)ゴンちゃんのこと嫌いなればいいのに・・・(涙)」
泣きながらリュウの告白を断るレナ。
「・・・・・・・(涙)」
フラれたショックで涙を流しながら呆然とするリュウ。
ドーーン!ドーーン!ドーーン!
二人の雰囲気に構わず花火は空に打ち上がっている。
「・・・・・・」
レナ 「・・・・・」
無言で地面に座って花火を見るリュウとレナ。
ドーン!ドーン!ドーン!
「なぁ・・・レナちゃん、ここの花火大会のラストの花火はすげーデカくて綺麗だから見逃したらダメだよ。」
レナ 「・・・・うん。」
ヒュ〜〜〜〜〜!ドドーーーーン!
チュッ♪
「・・・!!!!」
レナは最後の花火が上がった瞬間にリュウの唇にキスをした。
レナ 「・・・・・(涙)」
レナはキスをした後、涙を流しながら走り去っていった。
「・・・・・・・。」
レナとキスを交わしたリュウは呆然としながら地面に座っていた。
2031年12月30日、リュウの仕事部屋。
「とまあこんな感じだ・・・・。」
リュウがレナとの花火大会の思い出を語り終えると日奈子と環奈が涙を流していた。
日奈子 「お父さん、本当に悲しい初恋を経験してたんだね・・・(涙)」
「まあな。俺はあの後、家の自分の部屋で泣いたよ。すげー悲しかったからさ。」
環奈 「パパの話を聞いてたらかずちゃんと別れた日のことを思い出しちゃった(涙)」
※かずちゃんとは環奈が小4から小6まで付き合っていた彼氏、菅野和真くんのことです。
「そうか。でもお前は初恋で付き合えたんだからパパよりは恵まれてるよ。パパは告白してフラれたんだから。ママに至っては初恋の人に告白出来なかったし。」
環奈 「確かレナさんは8月の下旬に市川市から愛知県に引っ越したんだよね。パパは見送りに行ったの?」
「行ったよ。まあ最初は行く気がなかったけどな。」
環奈 「その時のお話を聞かせて。」
「いいよ。本当は話したくないけど今日は特別に話してあげるよ。」
つづく
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