マイガール〜俺に恋を教えてくれた女の子〜 #17 (最終回) | SAKAMICHI46 NOVEL⊿ 〜乃木坂46・櫻坂46・日向坂46小説〜

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 「はぁ!はぁ!はぁ・・・・」

 レナを台車に乗せ、自転車を漕いで坂を登るリュウ。

 レナ 「ゴンちゃん頑張ってー!電車に間に合わないよー!」

 自転車の台車に乗ってリュウを応援するレナ。

 「わかってるよ!でもこの坂を自転車で登るのはマジできついんだよ!」

 歯をくいしばりながらペダルを漕ぐリュウ。

 

 「はぁ・・・はぁ・・・やっと登り切った。」

 平らな道を自転車で進むリュウ。

 レナ 「ゴンちゃん、お疲れ様♪」

 リュウに抱きつきながら自転車の台車に座るレナ。

 「レナちゃん、俺汗かいてるから臭うよ。だからあんまりくっつかない方が良いと思うけど・・・。」

 レナ 「ううん。臭わないよ。それにもう少しだけゴンちゃんにくっついておきたいの。もう二度と会えないかもしれないから・・・。」

 「・・・・・・・。」

 リュウはこう思った。神様、1分でいいからこの時間が続いてほしいと・・・・・。




 リュウとレナは本八幡駅に到着し、レナは秋葉原駅行きの切符を購入し、リュウは入場券を購入して改札を通り、ホームで電車が来るのを待つことにした。


 「・・・・・・・・。」

 レナ 「・・・・・・・・。」

 「・・・・・・・・。」

 レナ 「・・・・・・・・。」

 「・・・・・・・・。」

 レナ 「・・・・・・・・。」

 ホームのベンチに座りながらもお互い気まずいのか無言になるリュウとレナ。

 「(なんか話さないとまずいよな・・・)なぁレナちゃん。」

 レナ 「何?ゴンちゃん。」

 「俺たちが初めて会った日のこと覚えてる?」

 レナ 「うん!覚えてるよ。今年の3月30日にゴンちゃんが私の新幹線ストラップを拾ってくれて話しかけてくれたんだよね。」
 
 「ああ。このことは今でも鮮明に覚えてるよ。この時はレナちゃんが市川第一中学校に転校してくるなんて思ってなかったな。」

 レナ 「私もまさか転校先がゴンちゃんがいたことに驚いたし。」


 〜♪〜♪〜♪
 
 アナウンス 「まもなく、三番線乗り場に各駅停車三鷹行き電車が参ります。危ないですから、黄色の線の内側までお下がりください。」

 三番線乗り場に三鷹行きの電車が到着し、レナはバッグを持って電車に乗り込む。

 「あのさレナちゃん!」

 レナ 「何?」
 
 「俺に恋を教えてくれて本当にありがとう!俺、レナちゃんのこと絶対忘れないから!」

 レナ 「ありがとう・・・私もゴンちゃんのこと忘れないからね(涙)あっ!そうだ!」

 レナはバッグの中から手紙を取り出した。

 「これは・・・・?」

 レナ 「私を見送った後にこれを読んでね。」

 「わかった。絶対読むよ。」

 リュウはレナから手紙を受け取った。

 アナウンス 「まもなく発車します。ドアが閉まりますのでご注意ください。」
 
 レナ 「じゃあゴンちゃん、元気でね(涙)」

 「レナちゃんこそ元気で!」

 プシュー。ガタンゴトンガタンゴトン・・・・

 2人が別れの挨拶を交わした後、ドアが閉まり、電車は動き出した。

 「・・・・・・・・・」

 リュウはレナに手を振り続けながら電車を見続けていた。

 

 「さてと・・・・レナちゃんの手紙を読むか。」

 リュウは自転車で先程まで素振りを行なっていた河川敷に戻り、レナの手紙を開き、読み始めた。


 
 回想


 勉強机に座り、ボールペンでリュウへの手紙を書くレナ。

 レナ 『ゴンちゃんへ あなたがこの手紙を読んでいる時、私はもう市川市にはいないと思います。』

 「そんなのわかってるよ・・・・もう一回あいてぇよ(涙)」

 涙を流しながら手紙を読むリュウ。

 レナ 『ゴンちゃんとの思い出は今でも鮮明に覚えてるよ。初めて秋葉原でデートした時、ゴンちゃんがガンダムやAKBのことに興味がないことも気づいてたよ(笑)でもゴンちゃんは嫌な顔を見せずに楽しんでくれたよね。』

 「レナちゃん、気づいてたんだ・・・・。」

 レナ 『ゴンちゃんの野球部の試合を観に行った時、私の目の前でゴンちゃんが打ったホームラン、本当にかっこよかったよ。ゴンちゃんなら絶対甲子園に行けるからこれからも野球頑張ってね。』

 「ありがとう・・・・レナちゃん(涙)」

 レナ 『修学旅行で2人きりで行動した時は本当に楽しかったよ。お揃いで買ったストラップ、大切にするからね。』

 「俺も大切にするよ(涙)」

 レナ 『市川市民納涼花火大会でゴンちゃんとキスした時、私は1分でいいから時間が止まればいいと思いました。好きな人とずっとキスしたかったから・・・。』
 
 レナは泣きながら手紙を書いている。

 レナ 『ゴンちゃん・・・私もあなたのことが好きだったよ。初めて会ったあの日から。』

 「・・・・・・!(涙)」

 レナが自分と両想いだったことを知り涙を流しながら驚くリュウ。

 レナ 『ゴンちゃん、私に恋を教えてくれてありがとう。私のことを好きになってくれてありがとう。最後にゴンちゃん、大好きだよ・・・・またね。』

 「うう・・・・レナちゃん(涙)俺、レナちゃんが初恋の人で本当によかった(涙)ありがどう・・・・(涙)」


 これよりおよそ8ヶ月後、リュウはショウ、ヒロト、サユリ、ナナミと共に市川総合高校に入学した。そして入学式の日に将来の結婚相手となる白石マイと出会うのだが、それは少し先の話である。



 2031年12月30日、リュウの仕事部屋



 「とまあこんな感じだよ。」

 話を語り終えた38歳のリュウ。

 日奈子 「本当に悲しいお別れだったんだね(涙)」

 「まあな。レナちゃんと別れてからは当分立ち直れなかったよ。女の子に告白されても失うのが怖いから付き合う気にはなれなかったし。」

 環奈 「パパ、レナさんから貰った手紙とお揃いで買ったキーホルダーはまだあるの?」

 「んー多分俺の実家の部屋の押し入れにあると思うな。まあ今更見る価値はないけど。」

 日奈子 「お父さんはもし昔の自分に会えたらなんて声をかけてあげたいの?」

 「そうだな〜。「泣くんじゃない。お前は8ヶ月後に運命の人に出会うんだから涙を拭いて前に歩き出せ」って言ってやりたいな。」

 環奈 「いい言葉だね。」

 「日奈子ー!環奈ー!お風呂入ったから早く入りなさーい!」

 一階から日奈子と環奈に聞こえるように声を出す38歳のマイ。

 日奈子・環奈 「「はーい!」」

 2人はリュウの仕事部屋から出ていった。

 
 「なぁ15の俺・・・今の俺はすげー幸せだぞ。」

 15の時の自分とレナが写った写真に話しかけるリュウ。
 
 
 
 おわり
 
 
 

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 4月中に始まるキミイキ第4章もよろしくお願いします!