幸い教室には行かなくても先生達は出席扱いにしてくれたが、授業に出ていなかったので休憩時間に翼やソフトボール部三年生達のノートを自分のノートに写させてもらっていた。
そして10月のある日の昼休み、マイは翼と保健室で談笑していた。
翼 「そういえばまいやん。高校はどこを受験するのか決めたの?」
「うん。決めてるよ。」
翼 「どこなの?県内の高校?県外の高校?」
「県外の高校を受験すると思う。もし県内の高校を選んだらいじめっ子達と一緒になると思うから怖いの。」
翼 「そっか・・・・・・・・・。」
「それに知らない場所で新しい私を始めてみたいの。」
翼 「そうなんだ・・・・・・まいやんの判断は正しいと思うよ!ところで受験する高校の名前は何なの?」
「千葉県市川市にある私立市川総合高等学校だよ。」
翼 「市川総合高校ってどんな学校なの?」
「資料によると勉強と運動部が盛んな学校で特に野球部は甲子園出場経験は無いけど千葉大会で何度も決勝に進んでる。それと就職率と進学率が高い学校みたい。」
翼 「完全な名門校じゃん!まいやんには難しいんじゃない?」
「大丈夫!入試のためにお父さんに頼んで塾にも通ってるから!」
翼 「なら安心だね。あともしまいやんが市川総合高校に受かったらどうやって通学するつもりなの?」
「沼田市から市川市に引っ越して一人暮らししながら通学するつもりだよ。」
翼 「知らない土地で一人暮らしながら高校に通うの!?未成年の女の子が一人暮らしするのは危ないよ!」
「大丈夫!何とかなる!陽美お姉ちゃんと一緒にお父さん達を説得したから!」
翼 「公助さんと優香さんを説得したんだ・・・・・陽美さんってすごいね。」
「ところでばっさーはやっぱり沼田高校を受験するの?」
翼 「うん。加藤くんもトシヤも受験するつもりだよ。」
「サトシくんとトシヤも沼田高校を受験するんだ・・・・・・。私達中学校を卒業したら離ればなれになっちゃうね・・・・・。」
翼 「・・・・・・そうだね。でも離れ離れになっても私達は友達だからね。まいやん♪」
「うん♪高校生になっても連絡取り合ってたまに遊ぼうね。」
この言葉通り二人の友情は大人になり、人妻になった今でも変わっていない。
つづく
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