ホセ・ラミレス vs ビクトル・ポストル | R I N G C H E C K !

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無敗のWBC、 WBOスーパーライト級二冠王者ラミレス、 防衛戦の相手は これまでデマーカス・コーリー、 マティセ、 クロフォード、 テイラー等と歴戦を重ねて来たポストル。




▼ ホセ・ラミレス vs ビクトル・ポストル







ポストルは御存知の通りリーチのある右ボクサータイプで左リードを起点に右を狙いますが … ラミレスのプレス、 ポジショニング、 足取りが巧み。 ポストルの左リードが最も長く当たる距離から半歩インサイドに徹底して位置取り、 中途半端な距離からのポストルのリードをヘッドスリップ → ステップインで、 ファイタータイプのラミレスがチャージを繰り返す展開。





基本的に全ラウンドこの展開で、 ラミレス陣営は手数が中盤にMAXになるよう微調整している感じ。 ポストルは接近戦でカウンターアッパーなどを狙えば違う展開もあったように思いますが、 リズムチェンジも無く同じスタイルを貫いています ( ラミレスの足取りや左右フックの脅威があり、 アッパーや他の展開を狙う事すら許さなかった … とも言えますが … )





ラミレスはマイク・リード、 イマム、 オロスコ、 ゼペダ、 フッカー、 そして今回のポストルと、 世界レベルの精度を誇るボクサータイプを相手に慄然とスタイルウォーズを仕掛け、 その全ての試合で勝利を得ています。 戦術的な変化は ほとんどありませんが、 一見ワイルドなファイタータイプに見え、 その実、 ボクサータイプを崩す事に関して 職人的な技巧を持っております。





( ラミレスの国籍はアメリカですが両親はメキシコ移民のメキシコ系アメリカ人 ) メキシカン特有の一軸要素だけでなく、 右周りのサイドスリップ/ステップからの左ボディショット、 ガードスワイプや目隠しを使ってから背の高い相手の胸を狙うストレート、 ジャンプするようにステップイン → 敢えて大きく身体を開いて左右フックをガードさせ、 インサイドから狙うコンパクトな左右アッパー、 相手がレンジキープしたい距離より半歩中に置く位置取り → 相手のリードを外し同時にステップインする為のヘッドムーブを絶やさない点など … ワイルドなボクシングに見えながらも要所要所に細やか且つ理に適ったテクニックを垣間見せます。 北米でオリンピアンの座を勝ち取ったキャリアは伊達ではありません。





もし ジョシュ・テイラー との統一戦が決まれば、 キャリア最強、 相性的にも最悪の相手となるでしょう ( サウスポーのゼペダにはラミレスも苦しんだ … ) テイラーを目の前にしても ラミレスが これまでの戦術が貫けるのかどうか … 統一戦を楽しみに待つとしましょう。













話を試合に戻しましょう。 当ブログ管理人的には ほぼフルマークでラミレスでしたが、 なんとドローに付けるジャッジが居ました … う~む …





結果 : ラミレス 判定勝利 2-0 ( 114-114、 115-113、116-112 )