テレンス・クロフォードをPFPに推す理由 | R I N G C H E C K !

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打撃系格闘技の練習や試合についてのブログでしたが、
現在は海外ボクシングとムエタイの記事が中心です。
知り合い・近親者向けに書いています。



以前から何度か書いておりますが

当ブログが 最新パウンド・フォー・パウンド・ランキングの中で

最もパウンド・フォー・パウンドに近い存在だと思っている選手は

テレンス・クロフォード です。







ご存知の通りナチュラルなスイッチヒッターであり

攻撃的なボクサーファイタ―スタイルが信条のクロフォード。

基本スタイルは中間のボクサー型なのですが、

プレスコット戦のようにバックギア中心の

アウトボックスに徹することも出来る。

下がりながらでも前に出ながらでも

完璧に中間距離を保つ事が出来、

左右どちらの構えの場合でも ジャブの射程範囲内で

餌を撒き 罠を仕掛けながら戦えるハンタースキルがある。

餌に食いついてきた獲物を一発で狩るカウンターも

左右どちらの構えでも左右クロスがタイム感良く打てるし、

アッパーやショートフックでのカウンター取りも上手い。

左右どちらの構えでも 完璧なタイム感 且つ

あらゆるパンチでカウンターが取れるという凄まじきオフェンス能力。

ディフェンス面でもオンガードの状態では堅固な壁を作り、

ボディワークを見せればスレスレの最短距離で攻撃をスカす。

深刻な被弾シーンは一度も見せた事がない。

はっきり言って 弱点が無い。



▼ テレンス・クロフォード - ハイライト




そして、上記事例に合わせて、特筆したい点が二点。

まずは クロフォードの パンチの質。

スピードのあるボクサーファイターが

初動の瞬発力で銃を打つように弾いて放つ

当ブログで言う所の “ 点のパンチ ”

そして

ヘヴィハンドを振るうファイターが

初動のスピードよりも打点にインパクトする終動に重点を置き

槍をブン投げて突き刺すように放つ

当ブログで言う所の “ 線のパンチ ”

クロフォードのパンチは

その両方の素晴らしい所を合わせたような質のパンチなんです。

クイックネス自体はトップレベルのスピードがある選手と比べると

見劣りはしますが、その分トップスピードが速い。 加えてパンチの堅さと貫通力は、

ゴリゴリのファイター系に勝るとも劣らない物があるんです。

クロフォードの試合をスローで見てみると、

捨てパンチから詰めのパンチまで どのパンチも、

相手にインパクトした後 ナックルが全くブレる事なく、

打点より遥か後方までパンチが貫通しているんです。

( 皆様も是非クロフォードの試合をスローで見てみて下さい )

クイックネスや爆発力には劣りますが、貫通力に関しては、

大袈裟でなく、かつてのジュリアン・ジャクソンに勝るとも劣らない物があります。

クロフォードのパンチはジャブでも十分に効かせられるし、

カウンターであれば一発で倒してしまう場面も多い。

被弾し顔面が変形した状態で試合を終える選手も多く、

長いラウンドで受け続ければ 深刻なダメージを負うパンチです。

現行の選手だとケル・ブルックのパンチも似ている部分がありますね。

この両者は ボクサーファイターとしては

類稀な種のパンチを持っていると思います。

そして もう一点。

クロフォードがファイタースタイルになった時の強さ。

クロフォードは上記ボクサーファイタースタイルで

その類希な質を持ったパンチを当て続け 相手を削り取ります。

そして相手を仕留められる段階にまで来ると、

突如ファイタースタイルでプレスを強めて詰めていきます。

その時のプレッシャーたるや、

「 本来はこの選手、ファイタータイプなんじゃないか !? 」

と思うほどの殺気と圧力です。

キラーモードの80sハーンズを彷彿とさせるような 暗殺者の目つき。

デュロルメ戦 でも、 もちろん ガンボア戦 でも、

昨日の ディエリー・ジャン戦 での最終回でも、

詰め方を見ていると 荒々しいファイタースタイルの如き猛攻、

且つ、その実は 抑制が利いていて冷徹に無駄なく詰めています。

上記の堅く貫通力のある拳を 見事にテンポよく打ち分けて、

そのどれもが急所を的確に捉えているんです。

ひとたび 相手を捉えれば一転してファイタータイプに変わり

それもロマゴンやゴロフキンに通じるような

的確かつ厳しい詰め方を見せてくれる …

そのロマゴンやゴロフキンも 今やPFP最右翼ですが、

彼らが 例えばリゴンドーやメイウェザー、全盛期のウィテカークラスの

超絶アウトボクサーとやったら空転させポイントアウトが出来るのでは?

など、まだまだ負ける要素を ( 僅かながらも ) 見出す事は出来る …

… と、 極個人的には思っているのですが …

クロフォードに限っては どんなタイプが相手でも 負ける要素が見出せない。







左右スイッチだけでなく、 ボクサーファイター、 アウトボクサー、

ファイター、 3つのスタイルを精度高く使い分ける事が出来る。

しかも どのスタイルにおいても

高度なディフェンス能力とキラーなパンチが必ず付随してくる。


このような選手に どうやったら勝てるのでしょうか?

以上が、 私がテレンス・クロフォードをPFPに推す理由です。

どなたか、クロフォード攻略法など、ありましたら、

是非ご意見を伺いたいです。

私には全く思いつきません …