「一宿一飯の恩義」といふ言葉がある。
先日、2歳男児の救出で一躍時の人となった人からも発せられた言葉と仄聞している。
漢字変換していたら「一般一種苦」と出たが、なるほどそーかとも思える。
「義理」といふ言葉が死後になりつつある現在、古いニンゲンにとっては「義理」「人情」がまとわりついて、悩むこともある。
先日のこと、私の携帯が鳴った。生来グータラの私が、何故か今年、暑中見舞いを書いた人達のなかのひとりだった。多くは葉書の返事を頂いていたが、直接電話をするのは、屹度何かある。そう思って話し始めた。
思った通り、デプレった声がする。外出する元気もなく云々との返事あり。私は、3日後の17日、(つまり今日金曜日)そちらに用事があるからと言うと、安堵の声で会話は終えた。
そして、17日。車を走らせる。
およそ1年前のこと、どん底だった私と娘を助けてくれた恩人だ。
呆然として何をしたらいいのかわからない私、娘は真っ先に彼に電話を掛けた。
数年前まで会計をお願いしていて、引退後も何かと相談になっていたが、住まいも家庭のことも知らなかった。
その恩人が、”うつ”になっている。
一月前に自宅を訪れたときも心配だったが、受診する元気もなく、独り部屋に閉じこもっていた。
近くに住む息子さんが心配してクリニックを手配したらしい。
この日、9時前に玄簡に立つが、途中で電話しても出ないし、入り口の呼び鈴を押しても、無反応。でもエアコンの音が聞こえている。玄関のガラス戸には鍵がかかっていて、もしや、と心配になりドンドンと叩いた。数回叩いたあと、人の動く気配がして、玄関の鍵が開けられた。
何処か知らないが某クリニックのDrGA単身て往診に2回来てもらったという。2種類の薬を飲んでいる