酒とオカマと男と女 -10ページ目

酒とオカマと男と女

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指令実行の朝。

逃げ出す事も出来たかもしれないのに、ひろしさんは静かにその日の朝を迎えた。
なぜか動揺も恐怖も無かったらしい。

ただ、指令を実行する事しか頭に無かったという。

そして、、、

敵対する別の※組のある場所へと向かう。

そしてその時を待つ。

… … …

すぐにその時は来た。

そして、

指令は実行された。

その瞬間…
二人の人生は終りを迎えた。

気付いた時には、警察にいたという。

僕は、なぜかコワくは無かった。

ひろしさんは話ながら泣いていた。

空のグラスをカウンターに置いた時、カタカタと音が響いた。

ひろしさんは震えていた。
…つづく
その人はヒロシと名乗った。
ヒロシさんは13年前とある※組※の一員だったという。
その世界では上下関係は極めて厳しく上の人に逆らう事等無論御法度で逆らおうものなら自分の身に何が起こるかわからない。
ヒロシさんはその頃下っ端で日々上の人のお世話に明け暮れていたらしい。

ある日…ヒロシさんを一番可愛がってくれている上の人から呼び出され
二人きりでお酒を酌み交わした。
二人きりでお酒を飲むのは初めて。
ひろしさんは嬉しかったと言った。

ところが…

その人の口から思いも寄らぬ指令がくだされる。

たった一言で。

ひろしさんは、たた震えたと言う。

そして、首を縦に振った。
…つづく

今から十数年以上前、
僕はミナミのとある街で小さなカウンターだけのスナックを経営していた。
オンボロの建物の地下にある小さな小さなお店だった。
周りはほとんどが同じ様に小さなお店ばかりだ。
どの建物も古くボロボロだった。
僕のお店は地下。
地下に下りる階段は通りに面していた。
その頃その界隈の街灯を新しい物にする為の工事中で数日間街灯は消えていた。冬の寒い時期だった。
その日お店は暇で早じまいした。
従業員達は先に帰り、僕は一人でお店に残っていた。お客様からもらった中島みゆきの“夜会“というライヴのビデオを見る為だ。
お店の方が音響がいいからだ。
照明をおとし、ボリュームを最大限に僕はビデオに見入っていた。
やっぱり中島みゆきはいい。(ゲイは好きな人が多い。)
中には暗~い曲も多々。
音符 音符 音符 音符 音符

ふと、何気なく入口の扉の方に目をやった。

ショック!ガーンショック!ガーンしょぼんショック!

『ギャァ長音記号1長音記号1

僕は絶叫したドンッドンッドンッ

扉の前に見ず知らずの大きなオッチャンが立ってる長音記号1ペンギン

(マジですガーン
(本当にビックリしましたあせる

僕はすかさず

「もう終わったんですが…」とキッパリ言った。

「一杯だけ飲ませてくれ」
とおっちゃん。

「もう閉めて帰る所なんです」

「ビール1本だけ飲んだらすぐに帰るから」

「本当に無理なんです。
僕はアルバイトなんで、マスターに叱られるんです」
(マスターは僕です)

「グラス1杯でもいい、飲ませてくれ」

「申し訳ありません」

「頼むから」

断り続けたが、本当にヤバいかもって思い

「じゃあビール一本サッと
飲んで帰って下さい」
と無愛想に言い放った。

冷蔵庫から小瓶のビールを一本カウンターの上に出し、
「ご自分でどうぞ」
とグラスを置いた。

僕は
「うちのお店はcash onなので500円先払いでお願いします。」
と嘘をついた。

するとおっちゃんは

何と!!

今日はつけといてほしい等と、ふざけた事を言い出すんです。

僕は、
ここでそんな事を許すと後々大変な事になりかねないと思ったので断固断ったプンプン
けれど大好きなお酒を目の前にしたおっちゃんは諦めないんです。

そのお店はボロボロのビルの地下で、暖房をつけていても寒いんです。

ましてや外は人通りも無く、おまけに街頭も交換工事中で真っ暗…

本当に怖かった。

結局、あまりの恐怖に折れたのは僕の方でした。

僕は、
「つけは絶対に出来ないので、ビール1本だけ僕がおごるので、それを飲んだら絶対に帰って下さい。」
と強く言い切って、栓抜きを目の前に むかっバンむかっ
と置いた。

おっちゃんは、
「ありがとう。」
と、急にか細い声で言って栓を抜きビールを注いだ。
僕は、再びモニターの方へ体ごと向けた。
(さっさと帰れ!オーラを全開に)

画面では
中島みゆきが
音符きつね狩りの唄音符
を歌っている。

おっちゃんは、
ビールを飲み始めた。

小鬢のビールをチビチビと飲んでいた。

一気にグイグイ飲めばいいものをプンプン

なんだか無償にムカムカして来て、
「おじさん多分うちの父親と同じ様な年代位だと思うんですが、うちの父親今でもめっちゃ頑張ってはりますよ!」
「お金無いのは、そんな時もあるでしょう。でも、お金無いならお酒我慢したらいいし、ましてたった五百円を、ましてや初めて来たお店でツケなんて…」

(あガーンヤバイショック!)
言い過ぎたかも…

僕はガタガタと震えたガーン

けれど、
おっちゃんは全く怒らず、
静かに二度うなずいた。

そして、話始めた…

 ……………つづく…