ちょっとコワい話し | 酒とオカマと男と女

酒とオカマと男と女

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今から十数年以上前、
僕はミナミのとある街で小さなカウンターだけのスナックを経営していた。
オンボロの建物の地下にある小さな小さなお店だった。
周りはほとんどが同じ様に小さなお店ばかりだ。
どの建物も古くボロボロだった。
僕のお店は地下。
地下に下りる階段は通りに面していた。
その頃その界隈の街灯を新しい物にする為の工事中で数日間街灯は消えていた。冬の寒い時期だった。
その日お店は暇で早じまいした。
従業員達は先に帰り、僕は一人でお店に残っていた。お客様からもらった中島みゆきの“夜会“というライヴのビデオを見る為だ。
お店の方が音響がいいからだ。
照明をおとし、ボリュームを最大限に僕はビデオに見入っていた。
やっぱり中島みゆきはいい。(ゲイは好きな人が多い。)
中には暗~い曲も多々。
音符 音符 音符 音符 音符

ふと、何気なく入口の扉の方に目をやった。

ショック!ガーンショック!ガーンしょぼんショック!

『ギャァ長音記号1長音記号1

僕は絶叫したドンッドンッドンッ

扉の前に見ず知らずの大きなオッチャンが立ってる長音記号1ペンギン

(マジですガーン
(本当にビックリしましたあせる

僕はすかさず

「もう終わったんですが…」とキッパリ言った。

「一杯だけ飲ませてくれ」
とおっちゃん。

「もう閉めて帰る所なんです」

「ビール1本だけ飲んだらすぐに帰るから」

「本当に無理なんです。
僕はアルバイトなんで、マスターに叱られるんです」
(マスターは僕です)

「グラス1杯でもいい、飲ませてくれ」

「申し訳ありません」

「頼むから」

断り続けたが、本当にヤバいかもって思い

「じゃあビール一本サッと
飲んで帰って下さい」
と無愛想に言い放った。

冷蔵庫から小瓶のビールを一本カウンターの上に出し、
「ご自分でどうぞ」
とグラスを置いた。

僕は
「うちのお店はcash onなので500円先払いでお願いします。」
と嘘をついた。

するとおっちゃんは

何と!!

今日はつけといてほしい等と、ふざけた事を言い出すんです。

僕は、
ここでそんな事を許すと後々大変な事になりかねないと思ったので断固断ったプンプン
けれど大好きなお酒を目の前にしたおっちゃんは諦めないんです。

そのお店はボロボロのビルの地下で、暖房をつけていても寒いんです。

ましてや外は人通りも無く、おまけに街頭も交換工事中で真っ暗…

本当に怖かった。

結局、あまりの恐怖に折れたのは僕の方でした。

僕は、
「つけは絶対に出来ないので、ビール1本だけ僕がおごるので、それを飲んだら絶対に帰って下さい。」
と強く言い切って、栓抜きを目の前に むかっバンむかっ
と置いた。

おっちゃんは、
「ありがとう。」
と、急にか細い声で言って栓を抜きビールを注いだ。
僕は、再びモニターの方へ体ごと向けた。
(さっさと帰れ!オーラを全開に)

画面では
中島みゆきが
音符きつね狩りの唄音符
を歌っている。

おっちゃんは、
ビールを飲み始めた。

小鬢のビールをチビチビと飲んでいた。

一気にグイグイ飲めばいいものをプンプン

なんだか無償にムカムカして来て、
「おじさん多分うちの父親と同じ様な年代位だと思うんですが、うちの父親今でもめっちゃ頑張ってはりますよ!」
「お金無いのは、そんな時もあるでしょう。でも、お金無いならお酒我慢したらいいし、ましてたった五百円を、ましてや初めて来たお店でツケなんて…」

(あガーンヤバイショック!)
言い過ぎたかも…

僕はガタガタと震えたガーン

けれど、
おっちゃんは全く怒らず、
静かに二度うなずいた。

そして、話始めた…

 ……………つづく…