指定管理者制度の改革を フォレスト三日市・保健医療機能集約へ | だばなか大介オフィシャルブログ Powered by Ameba

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日本共産党河内長野市議会議員 だばなか大介

 

市議会全員協議会で、フォレスト三日市3Fの乳幼児検診センターと、河内長野駅東側の休日急病診療所と保健センターを、大阪南医療センターの敷地内に機能を集約する。

跡地については、フォレスト三日市はジム・プールの指定管理をやめて、3Fフロアーの市民ホールを除く全面を、民間のフィットネス事業者に貸し出す。駅東側については未定。

と報告がありました。

 

大阪南医療センター内の敷地は(上記の黄色枠)、院内保育所として運営されていますが、現在、隣接地に建て替え中。その跡地を、H32年から30年間無償貸付(その後10年更新)していただけるとのことです。

 

話しの発端は、大阪南医療センターから打診があったとのことで、フォレストも駅東側もそれぞれの問題を抱えていましたので、まさに「渡りに船」のとても良い話しです。

 

もちろん市の保健医療機能の集約場所が大きな病院の敷地内ですから医療的な連携も取りやすくなります。

 

ただし、箱物建設代はかかります。しかし、フォレストの共益費や、駅東側の2つの老朽化した建物の維持更新費を考えると、有効な建設だと考えています。

建設などの事業費予定総額は5億2690万円

内訳は国が2億3670万円

市の借金で2億1300万円

一般会計(市の貯金の取り崩しもあり)で7720万円

です。

開設は平成33年4月の予定です。

 

■フォレスト■

フォレストの抱えている問題は、大きく3つです。

①ビル内の市の所有床は、何もしていなくても共益費が年間6120万円発生する。

(内訳は約、ジムプール床=3482万円:乳幼児健診センター床=1522万円:元窓口センター等床=209万円:市民ホール床=907万円)

②ジム・プールの健康推進事業が、指定管理者制度に向いていない。

③乳幼児検診センターの稼働率が低い

です。

 

①は、過去に市が商業施設建設に手を出した開発型行政のツケです。特に官主導で駅ビルを建てたのは大阪府下でも河内長野市だけです。

 ↓開発型行政について

https://ameblo.jp/dabanaka/entry-12333902290.html

 

②は、フォレスト三日市のジム・プールでは、2015年12月に当時の指定管理者が市からの指定管理料2200万円を持ち逃げし、さらに事業者が滞納していた共益費など2800万円を市が税金から支出するという事件が起こり、指定管理者制度そのものの是非が問われていました。

 

↑フォレスト三日市のジムで運動するみなさん

 

現在の事業者は年間2447万円の指定管理料でジム・プールを市の事業として行っています。

一般利用者の月会員は6000円です。

 

事業の性格上、儲けをあげようとすれば民間のジム・プールと内容は似通い、税を投じる市の事業としての性格が薄くなってきます。

実際に今は、本来は市の事業として行うべき、障がい児のプール教室などは営業時間前の早朝になっています。

本来、指定管理者制度は民間の活力を活かすために導入された制度ですが、現状では市の事業であるために、事業者は自由な事業展開が出来づらくなっており、市からも事業内容について口出ししにくくなるなど、お互いのデメリットが出ています。

 

↑フォレスト三日市 ジム・プール利用券券売機

 

本来、税を投じて市民が安価にジム・プールを利用するに越したことは無いのですが、もうすぐ人口が10万人を切る自治体として、身の丈に合った事業なのかも考え直す必要があります。

 

また、河内長野市では大師町の総合体育館にジムがあり、千代田台に市民プールも備えており、それぞれ安価で市民が利用できるようになっています。

 

 

 

↑大師町の市立総合体育館のジムと料金表

 

市民プールの料金は、中学生以上200円、小学生100円(2時間まで)です。

 

③乳幼児検診センターは非常にすばらしい施設で、事業内容も乳幼児の定期検診時に心や体の発達について1人1人保健師が相談に乗ってくれるなど、新米ママパパに心強い事業です。

 

 

ただ、この施設は毎日運営している施設ではありません。

 

■ジム・プールを場所貸しに■

今回の指定管理期間が満了する33年4月から、ジム・プールの事業から市は撤退し、指定管理料を出すのではなく、場所貸しとして乳幼児検診センターの床と合わせて、共益費と同等額の約5300万(市民ホールを除く)で、民間フィットネス事業者に貸し出すこととなりました。(業者決定はH31年6月の予定)

 

以前、この乳幼児健診センターを潰して、ジム・プールの儲け確保のため、ジムを拡張する案(乳幼児検診センターの代替え案は無し)がありましたが、市が本来やる仕事の優先度は「乳幼児検診」であると、私たち日本共産党が反対し、話しがなくなった経過があります。

つまり、話を返せば儲けが出るジム・プールにするためには現状は手狭なわけです。これも今回の保健医療機能統合により市民ホール以外の3F全フロアーを使えるようになり、手狭な問題もクリアーできます。もちろん改装費用は民間事業者持ちです。

 

この指定管理制度の改革だけで年間7660万円(共益費5213万円+指定管理料2447万円)抑えられ、商業施設に手を出した開発型行政のつけの問題は一旦は回避できます。※ただし、さらに人口減少が進みフィットネス事業が儲からなくなった時、共益費の問題は再燃します。

 

■休日急病診療所・保健センター■

駅東側の2施設については立地は良いものの、施設に入る道路が狭く駐車場もなく隣接地を借りています。また、施設の老朽化も進んでおりこの先の修繕・大規模改修には休日急病診療所で3億2200万円、保健センターで5億3300万円が見込まれています。

 

また、この施設の診察室は休日急病診療所なので平日は使いません。逆に先の乳幼児検診センターの診察室は休日は使わないために、この二つを一カ所で行う事は非常に効率的です。また2階の部屋の利用率も低くなっていたので、新しい施設ではパーティションで大きさを変えられる工夫などで、効率的な利用が出来ます。

 

跡地利用についてはまだ決まっていません。

土地は市の所有地です。面積は1695㎡。貸し出した場合の入ってくるお金は評価額に対して営利利用で7.4%非営利利用なら5.6%です。

この土地は、大きな道路に接していないため、隣接地権者と協同すれば土地のポテンシャルは上がります。

市は、H31年1月には活用案を示したいとしています。

 

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今回の大阪南医療センターへの保健医療機能統合は約5億3000万円の箱物建設を行いますが、フォレスト・ジム・プールの民営化とあわせ十分元が取れ、財政構造はじめ抱えていた様々な問題が改善される1石4鳥5鳥の方針です。

日本共産党は、各論での注文はありますが、総論としては大賛成です。