爺さんのタコツボ理論 | dai4bunkuのブログ

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爺さんのタコツボ理論

 

 縦割り行政は、ある目的の着地点というか、目指す目標は同じなのに、それぞれの別のタコツボに入ったまま、議論しているから、市民が求める(期待する)目標とは、なかなか合致しない。 行政と市民の期待へのギャップが生ずるのであろう。

 

 なんのこっちゃ!とおもうでしょう。

事例を示しましょう。

 

【事例】小学校前のスクールゾーン内の押しボタン式信号機のある横断歩道で小学生が車両に

     接触した事故。

 

 

   「小学校というタコツボ」 「PTAというタコツボ」 「町内会というタコツボ」 

   「町内会連合会」というタコツボは市民側のタコツボである。

 

 彼らの目指す目標は何だろうか。

 

 交通事故は軽微な接触事故で一安心したが、児童の安全を守り、新たな同様の事故が起きないようにセーフティー対策をとらなければ !という期待値であった。「「横断歩道のゼブラ表示がかすれて薄くなっていたせいだ」等との一種の責任転嫁的論調である。

 

 「PTAというタコツボ」の中の一匹の元気のいいタコがツボから手を伸ばし、「町内会連合会」タコツボに入っている悪知恵の発達した爺さんタコに信号を送った。

 

 「爺さんタコ」は、「小学校タコツボ」「PTAタコツボ」「町内会タコツボ」から事故の情報を求めたが、正確な事故情報がなかなか、つかめない。

 

「爺さんタコツボ」の爺さんの調査で、発生の日時、場所、事故の状況(どの方向から車が来て、児童はどちらからどちらの方向へ向かっていたのか等)が判明した。

 爺さんが「タコツボ」から飛び出して、現場を確認した。

 確かに、横断歩道のゼブラは相当薄くなっているが、問題を発見した。中の島方向から車に乗せてもらい(爺さんは免許返納)、現場方向を確認。

 

 街路樹の葉が繁り、全く信号機が見えないではないか。

 爺さんがブログにアップし、町づくりセンター所長に通報した。

 

 区土木センターが「すぐやる課」に変身、速やかに街路樹を伐採してくれた。

 あとは、横断歩道のゼブラ表示だ。

 

 これについては「PTAタコツボ」と「町内会タコツボ」から、警察署に2~3度、要望したという。

 また、まちセン所長からも、警察署に要望したという。

 

 「爺さんタコツボ」がまた、警察署に要望したとて「くどい」と怒らせるだけだと判断した。

 

 爺さんから、道警本部の「意見・要望」ポジションにメールで「横断歩道等規制表示の窓口は交通規制課でしょうか」と照会した。

 

 驚いた。次の日。交通規制課の担当者から爺さんの携帯に電話あり。「事故の場所、小学校名

等を聞かれた。その際、「事故があったことは知っています。」というので、信号機が見えないのは土木に街路樹を伐採してもらいました。」というと、「ありがとうございます。」

 当方の意図を以心伝心わかってくださり、横断歩道表示は、補修箇所が多く順次、補修中ですが、現場を見て順をかえるかどうか、判断します。即、補修する確約はできませんが。」との

親切な説明であった。

 

これで、地域の安全確保という、目的は達成できた。

 

☆ ☆ ☆

 軽症の人身事故の数が増えると、死亡事故につながりかねない。

※ハインリッヒの法則(1:29:300の法則)

 

 アメリカの損害保険会社の安全技師であったハインリッヒが発表した法則です。

 「同じ人間が起こした330件の災害のうち、1件は重い災害(死亡や手足の切断等の大事故のみではない。)があったとすると、

 29回の軽傷(応急手当だけですむかすり傷)、傷害のない事故(傷害や物損の可能性があるもの)を300回起こしている。

 というもので、300回の無傷害事故の背後には数千の不安全行動や不安全状態があることも指摘しています。

 

 また、ハインリッヒは、この比率について、鉄骨の組立と事務員では自ずから異なっているとも言っていますが、比率の数字そのものではなく、事故と災害の関係を示す法則としては、現在も十分に活用できる考え方です。

 

 同様の研究としては、バードの事故比率があり、297社の175万件の事故報告を分析して、1(重傷又は廃失):10(傷害):30(物損のみ):600(傷害も物損もない事故)の比率を導き出しています。

 これらの研究成果で重要なことは、比率の数字ではなく、災害という事象の背景には、危険有害要因が数多くあるということであり、ヒヤリハット等の情報をできるだけ把握し、迅速、的確にその対応策を講ずることが必要であるということです。

 

(参考文献 「新しい時代の安全管理のすべて」中災防発行)

 

 爺さん:今回は、「PTAタコツボ」からの発信により、対応したが、小学校の安全対策として、学校単位で「スクールゾーン実行委員会」という大きな容量の「大型タコツボ」がある。

 

 今回の事故を踏まえて考えてみると、なぜ、「スクールゾーン実行委員会」タコツボ会議を招集できなかったのかという疑問が残る。

 通常は、半年に1回の実行委員会の開催は、小学校というか、実行委員会会長名で招集される。

 タコツボの中のタコは、小学校・PTA・学区内各町内会・交通指導員・スクールガード・リーダー・交通安全母の会・区交通安全推進委員会・警察署・区土木センターの各タコが参加し、大容量の大型タコツボの中で、「ワイワイ・ガヤ・ガヤ、ああでもない、こうでもない」と安全対策を話し合う。

 

 今回のようなスクールゾーンでの児童の交通事故が発生した場合は、緊急に臨時タコツボ会議(スクールゾーン実行委員会)を開催すべきでなかったかと指摘しておきたい。

 実行委員会事務局(小学校当局)は、肝に銘じて欲しい。

 もっと早く、対応が可能であったと思う。

 爺さんも、反省したい。