そばを食べながらするのに、ふさわしいお話。 | 加藤誉子のブログ 頭の中がちらし寿司✨

加藤誉子のブログ 頭の中がちらし寿司✨

ワタナベエンターテインメントの芸人
加藤誉子です

喫茶店が大好きで4時間くらい座るので
その時間に
普段 口にしないことや
日本語が好きなので
ダジャレやことわざの向こう側の世界を
妄想したり、いろいろ書きたいなあと思います。


「わたしさあ
一生のうち一回はアマゾンに行きたい。
ジャングルとか冒険してみたない?!」


お気に入りのそば屋で
わたしは長年の友に話した。



「まったく、思わん。」



バッサリ切り捨てられた。



「昔、かめ虫みたいな髪型の男に
俺と冒険してみいへんか?て
口説かれたことあんねん。」


「冒険て言葉、一生使わんとくわ。
アマゾンに探検とか、一回行きたない?」





言い直すわたし。





「服、ないわー。」





「え?」





「探検する時に、着る服ないわ。」





「なによ、着る服て。」




「探検する時って
全身、カジュアルやろ?」



「カジュアルていうか、
短パンにスニーカーにリュックとかやな。」



「そやろ。
スニーカーに短パンとか、無理や。」




「なんで?」



「若作りすぎるやろ。」



「えー?」



「ある程度の年齢なったら
短パンはくなら足元はヒールにするとか
どっかに綺麗目いれな、きついて。」



「何を気にしてんねん。
アマゾンで誰もそんなん
気にせえへんわ。全身カジュアルでいいねん」




「わたし、カジュアル似合わんねん。」



「それは、知らんがな。」



「どうしても行かなあかんねやったら、
足元だけはヒール履く。」



「歩きにくいがな、アマゾンで。」



わたし達は、品の良い声で
そば湯を注文した。




「服なんかどうでもええやん?
さんさんと降り注ぐ太陽の下で
大自然.満喫!いいでー」





「満喫なんかできひん。」






頑なに、嫌がる友。





「なんで?」




「めっちゃ焼けるやん。」




「え?」



「紫外線。
日本でもめっちゃ焼けんのに
アマゾンのさんさんと降り注ぐ太陽とか
どんだけ焼けんねん。」



「日焼け止め塗ればいいやん。」



「SPF1億の日焼け止めでも無理や。
どうしても行かなあかんなら
わたし、日傘さすからな。黒の。」
 


「日傘に対する信頼すごいな。」




「や、それでもやっぱ行きたないわ。」




「なんで?」






「弁当が、腐る。」




「は?」



「アマゾンて、暑いやろ?
持ってきた弁当、腐るやん!!」



「あんた、アマゾンにまで
弁当持参するつもりなん!?」



「当たり前やん。
栄養、バランス偏るやん。」




「アマゾン行った時くらい、バランス忘れや!」




そば湯を湯呑みに入れた。





「あとさ、アマゾン川でカヌー乗りたい。
絶対、気持ち良いわ。」





「いやいや、無理無理。
死んでも乗らん。」





予想どうり、友、絶対的に拒否。





「えーカヌーも嫌なん?」




「うん。
カヌーて、めっちゃ揺れるやろ。」



「あ、それは確かに怖いな。
川に落ちたらピラニアおるしな。」




「や、そんなんじゃない。
カヌーが揺れたらまずい。」




「え?なにがまずいん?」






「弁当の汁、もれるやん。」






「また弁当か!!さっき
持参するなて言うたがな。」



「揺れたら弁当って百パー、汁漏れするやん?
誰かの弁当の汁漏れてない?て。
犯人探しになんの嫌や。」



「ほんなら、もーそやなあ
アマゾンの現地の
若者と恋に落ちるかもやで?」



「顔濃いやろ。アマゾンの人。
わたし、極限に薄っい顔が好きやから。」


「じゃあ、冒険一緒にしてる日本人の仲間と
恋に落ちるかもよ。」

「や、短パンはいてるやろ?
短パンはいた男性は
だいたい三角座りしたらはみパンかはみチンするに決まっとんねん。幻滅して終わりや。」


あかん。
友はほんまにアマゾンには
行きたくないらしい。


そば湯を飲みながら、わたしは呟いた。


「あー美味しい〜

そういえば昔
世界ウルルン滞在記で
森山未来がアマゾンに行ってたよな。」










「あ、森山未来となら
 

アマゾンも、ええな〜。」










嬉しそうに、ニヤッとした。






仲良くなってから



20年



ずっとこんな話ばっかり。