温暖化被害という点では、昨年はここ10年の間ではおそらくもっとも平穏な年であった。


『中国干ばつ重大事態!』


中国の世界有数の小麦の産地(中国北部と内陸部)、北京市、12の省などが昨年10月下旬以来まとまった雨が降らない。


冬小麦がかれたり成長阻害は起き、作付面積の44パーセントが被害を受けているという。


中国全土では2-5パーセント減少するとの予測も出ている。2007年の輸入は10万トンだが、数百万トンの輸入が必要になることになる


さらに水不足も深刻で429万人と家畜207万頭分の飲料水が不足していると言う。


中国指揮本部は『小麦生産地を襲った50年来の干ばつ』と指摘。




『オーストラリア熱波で47度&山火事&洪水!』


オーストラリアメディアは『内陸部では今週末47度『サハラ砂漠を越え世界で最も暑い場所になる』と指摘


シドニーで42度、メルボルンとアデレードで44度との予報が出ている。

『100年に一度』の猛暑をもたらした熱波は北上していると言う。


山火事も頻発し、史上最悪の犠牲者84人(さらに増える可能性もある)を出して、これまでの75人の記録を塗り替えた。


昨年来の洪水被害に引き続き、ケアンズなど北東部はサイクロンによる洪水被害が広がっている言う。


(日本)


日本の温暖化議論は、2020年までに温暖化ガスをどれだけ減らすかの数値を決める(6月までに決定)やまばを迎えつつある。


マイナス5%から15%という低い数値(基準年もあいまい)が出される可能性が高まっている。

IPCCは25から40%を求め、EUは20から30パーセントの削減をを主張している。


全国の温暖化団体が結集して推進している、日本の『MAKE the RULE』の署名運動は、30パーセント削減を求めている


戦いは天王山を迎えつつある。



オバマは第1ハードルをクリアーした。


オバマは温暖化に積極的にかかわるということを改めて意思表示した。さらに自ら積極的な数値目標を出さなければ他国を説得できないとも語った。(日本の政治かも見習えるだろうか)


さらに車の排ガス規制で、州レベルの厳しい規制を認めると表明した。

これはカリフォルニア等の厳しい燃費規制も認める(自動車メーカーは州レベルの環境規制は違法であり、法的に争うと言う姿勢を示していた)ということであり、さらに国としての規制も厳しくすると語った。


こ内容は事実上のトップランナー方式(最も進んだ対応に全体をあわせるということ)を認めるということである。


アメリカの自動車企業ビッグ3は環境対応が遅れて危機に陥っている。ビッグ3を救うことを最優先すれば、今回排ガス規制を強化するオバマの姿勢は矛盾することとなる。


オバマは目先のビッグ3の対処療法的救済より中期的巨大トレンドである「温暖化トレンド」に乗ることを優先したわけである。


景気対策の73兆円のうち50兆円以上は18ヶ月以内に使うと言う。3,4年以内に環境分野中心に300から400万人の雇用を創出するという。

ここまではオバマは見事な出足を示した。想定以上のできである。

今は政策の実現可能性を議論する時期ではない。


しかし経済危機も新たなステージに直面しつつある。

欧米は26日1日で雇用が7万人奪われた。米国の失業率は7.2パーセントと16年ぶりの高水準であり、8.5パーセントまで高まるともいわれる


日本でも派遣切りから、正規社員ぎりへとステージを変えつつある。

トヨタ、ソニー、三井金属が正規を切ると言うことは、これにつづく企業が列を成すということである。


今回の経済危機は消費の低下に直に結びついている。バブル崩壊でも消費はあまり落ちなかった事態とは様相を異にしている。


消費に落ち込みが本格化すればデフレスパイラルに入る。その可能性は高まっている。

さらに今年干ばつや洪水(オーストラリアは現在大雨被害)で作物の高騰が起こる可能性はかなり高い。


不景気下の食料高が温暖化被害の典型的パターンとなる可能性もある。


オバマは想定以上の判断力を示しつつるるが、経済危機もさらにステージをあげた。


両者の力比べは拮抗したまま動かない。

これから2回ほどは、このコーナーを追加しながら完成することにします。前回分も併せて御覧ください。


世界市場及び環境関連団体は、オバマの経済戦略、中でも「グリーンニューディール」の成否を固唾を呑んで見守っている。


正否の可能性は現在判断できない。判断のためのウオッチポイントを整理しよう


成功要因

事前に意識された危機は現実化しない

明確に予知され、当事者が一致して対応する危機は【歴史的に】実現する可能性は極めて低い。今回の危機対応は今のところそのようになっている。


オバマだけでなくEU及び一部アジア諸国【韓国、中国、甘い基準で日本など】も、「グリーン戦略」を危機克服の切り札として位置付けつつある。


③急膨張する予算の運営を監視する「政府機能監視官」を導入し「無駄な歳出は徹底的に見直す」【オバマ発言】体制であること。


④米国は不良資産を買い取る「バッドバンク」を設ける方向。

遅れたとはいえ正しい処方箋である。


⑤軍事費の削減という選択肢がある。

世界の警察官という役割を降りる可能性がある。

ドル暴落の危機を前にして張子の虎のように鉄砲を振り回すわけにはいかない。

優先順位からして経済の裏付けがあっての軍事力である。




失敗要因

中国は米国の国債を買い続けることをやめる可能性が高まってきた。

2008年人民日報は言う「外貨準備の「運用先」の多元化を放棄してはならない。」と。


さらに中国社会科学院経済政治研究所の所長は言う「米国債をある程度売ってユーロや円の資産を増やすべきだ」と。

言論の自由のない中国の公的機関の責任者の発言であり、一定の政治的支持の下での発言と考えるべきであろう。


2008年2月24日国務院(政府)であ外国との貿易決済に減を使用することを一部解禁【これまで中国本土以外での元立て決済は原則禁止】することを決めた。


ドル暴落に備えての「元経済圏」構想への着手と考えられる。


中東もドル離れを加速しており、米国国債の買い手がいなければオバマ戦略は始まる前に頓挫することになる。

(最後の買手は日本のみとなり、日本は米国と一緒に沈んでいくのか。)


急膨張する財政赤字。

前年度2.6倍の111兆円(GDP比3.2パーセントから8.3パーセントに増加)で、予定されていた財政赤字の12年度黒字転換計画は見事に破綻した。


GM、クライスラーにつなぎ融資【1兆5000億円】を行ったこと。

再生的破綻しか方法がない【現状では競争力のある車を作る能力がない】にもかかわらず、目先の延命に資金を入れて資金をどぶに捨てたこと。


オバマが軌道修正をしなければ、オバマ戦略の致命的打撃になる可能性がある。


④EUはマイナス成長、イギリスは金融機関へ再度の資金注入、EU各国も新たの危機対策を迫られている。

さらにステージが一段下降した。



⑤金融の焦げ付きが世界で2000兆円あるいはそれ以上であるという予想のあること。

今のところ十全な根拠はないが、損害額が確定していないから誤りであることも証明できない。


世界で景気刺激策も含めてせいぜい300兆円(1年なら200兆円か)である。

桁が違うとはこのことである。

オバマの神通力も桁違いの数値には効かないだろう。