メインシナリオを考えてみる。


米国は当面株価を戻すことになるだろう。

26日のバーナンキ講演では具体的行動を示すのではなく、「景気悪化への対応は断固行う」という前向きの姿勢を示すことになるだろう。


株価の反応は読みにくいが、景気後退の決め手になる指標[当面出る可能性は低い]が出なければ徐々に戻すことになる。


問題は日本と中国、EUである。

日本の国債をムーディーズが1段階引き下げた。

市場では全く反応していない。


しかしこれは日本の終わりの始まりかもしれない。


これまでも日本の財政赤字への危機・破綻論は数知れず出されてきたが、全て外れてきたわけである。

しかし現在潮目が変わったようである。(その根拠は次回?)


「狼少年」も最後には本当のことを言う。


日本の財政危機に市場が反応するもっとも大きな要因は、政策担当者に「現在の(潮目が変わったという)危機」の認識が無いことである。[与党も野党も全ての政党も同様]


今求められているのは強力なリーダーシップの下に「成長戦略&財政再建」の工程表を作成することである。

そして工程表づくりのために経済財政諮問会議を再始動させるべきである。


お金は無いわけだから「どこにてこ入れするか(費用対効果の高いものは何か、歴史的トレンドに沿っているか)、どこを削るか」の具体的判断が生命線となる。

おそらく間に合ったとしても最後の機会である。

失敗は市場が許さないだろう。



内容は次のようになるだろう。

・規制緩和ー法改正だけで費用はかからず民間活力活用できる

・官から民へー天下り受け皿の公的法人を原則全廃。

・道州制導入による政府のスリム化ー国から地方へ

・事業仕分けの再開ー更に強力な権限を与えて行う。

・重点産業は世界の最大のトレンドである温暖化および医療、ITへの対応に大胆にシフトするー予算を削れないのであれば1律2割を削ってその財源を温暖化対応と医療、IT産業育成に当てる。


さまざまな抵抗を排して国を救うという気概と先見性を持った指導者が出てきて、しかも国民が痛みに耐えてもその政策を支持するという状況がこの1年で作れるだろうか。


限りなく可能性はゼロに近い。

したがって本格的日本売りは避けられないだろう。

日本売りはいったん起これば中途半端ではとまらない。




米国発株式市場暴落の今後はどうなる。


まずは原因である。

”債務上限を引き上げる”法案について共和党の保守強硬派のお茶会ペースに乗ったチキンレースが直接のきっかけである。来年の大統領選に向けてオバマに打撃を与えるという思惑もあるといわれる。


だがこれらのことは、どこかでオバマと共和党の妥協が成立することも含め誰もが知っていたことである。


何故ここまでの反応が起こったのか。(後)講釈氏は『米国のデフォルト[国債関連の金利、国債償還の一部または全部ができなくなること]懸念が米国の財政赤字に世界の目を向け、そのリスクに信用評価会社が反応し評価を引き下たから。』と説明する。


では米国国債は暴落[金利は上昇]しているか。

むしろ金利は下がリ気味で国債価格も堅調なのである。


もう一つ、次のような解説をする人もいる。「米国の景気後退懸念が今回の下げの真の理由である」と。

これもおかしい。景気指標はこれまでどうり一進一退であり、雇用の解決には時間がかかるとのメッセージもこれまでも出されており、市場では消化済みであったはずである。


説得力ある説明が聞こえてこない。

暴落に必然性があるときは「説得力のある後講釈」がなされるものである。


予測はできなくても、起こったことの原因説明の得意な専門家はたくさんいる。

何故今回は説明できないのだろうか。


結論は”この暴落は不自然なのではないか”ということである。

何らかの仕掛けか謀略か?金価格吊り上げの仕上げか?

戦争準備か?・・・・


ここからは(私には)根拠がはっきりしないために想像するしかない。



では本当の世界的暴落のきっかけになりうる要因は何か?


A)日本の国債への不信が本格化したとき。

ーきっかけは

①信用格付け機関の日本国債への更なる評価格下げ

②巨大地震[東海、東南海、南海地震]、東京直下型地震の発生

③国内で本格的キャピタルフライト(資金の国内から外国へのシフト)の兆候がはっきりしたとき。

これは国内の金融機関や個人が国債をこれ以上買いたくないという意思表示を意味する。


B)中国の成長率が7パーセント以下になったとき。

政府発表が正確になされれば、その可能性は低くない。


C)地球温暖化に伴う洪水、干ばつ、熱波、台風[ハリケーン]巨大化被害、食糧価格急上昇が構造的要因である事の世界的共通認識の成立。

果てしの無い食糧インフレの進行。


(干ばつ被害ソマリアの300万以上の避難民を誰が救うのか、国家的飢餓はテロを生む、毎年洪水と水不足に悩む中国は2020年を待たずに深刻な食糧不足に陥るー世界の農地を買いあさっているが規制の動き)




米国ドルへの本格的不信は(上記暴落に米国が対応できないという事態を受けて)起こる可能性はあるだろう。

驚くべき知の劣化ガ蔓延している。


政治家は「誰が」ではなく「何をするか」だけで評価すればよい。


現在、T社を頂点とするD業界とそれらと利害の一致する企業、政治家(特にJ党)、天下りで世話になる官僚と脱原発を目指すグループとの戦いが繰り広げられている。


管首相は少し前にそれに気づいた。

そしておそらく覚悟を決めたのだろう。

後になって管氏の回顧録にはそのことが書かれるだろう。


理念や信念、長期ビジョンが無いのはどの政治家も同じである。

国民にとって何が重要かに気づいたら、格好悪くてもその方針を採用する政治家は良い政治家である。


利害と権力欲を最優先する政治家は悪い政治家である。



マスコミや知識人(?)の大半が「管おろし」の大合唱という状況はまさに「知の劣化」というべき状況である。

D業界の意識的働きかけがあるにしても、「深層で何が起こっているか」を勇気を持って語るのがマスコミの役割であるはずである。


具体的争点はT社に「無限責任を負わせるか」、「発送電分離」を導入してD業界の独占状況を崩せるかどうかである。


D業界の力が相対的に弱まっているこの時期に上記内容が実現できなければ、コストが膨大で、危険で、一部の利益にしか貢献しない「原発」は存続し続けることになる。


民主党が取るべき原発政策は


・新規の原発は着工しない。

完成間近の原発は古い原発の同数またはそれ以上の廃炉を前提に、進めるべきものは進める。


・既存原発は2030年までに順次廃炉にしていく。


・従来の原発関係予算(原発立地自治体への補助金、原発関係研究予算など)を自然エネルギーの開発への補助金にあてる。


・原発の真のコストを計算して公開する。


・原発輸出は国策とはしない。