1830年代中頃まで、イタリア・オペラを歌うテノールはみな、高音域をファルセット(裏声)で歌っていました。
だから、ベッリーニやロッシーニ、ドニゼッティが超高音を記譜しても、歌える人は結構いたわけです。
しかし、大テノール、ジルベール・デュプレがいきなり胸声(フルヴォイス)でハイCを出してから・・・その歌い方に一斉に変化しました。
ところで、フランス・オペラを歌うテノールの中に、高音域を「ファルセット交じり」で歌う人がいました。
それが、声種のひとつである「オート・コントル haute-contre」 です。「オト・コントル」でも良いかなとは思いますが、ま、いまは、オート・コントルです。
テノールの高音域がファルセットになると、色に喩えるならば水色。
テノールがオート・コントルの歌い方をすると、色としてはライト・ブルー
デュプレみたいに胸声でガツンと高音域を出す人は、色としては濃いブルーから群青色といった感覚になるでしょうか。
現在でも、オート・コントルと呼ばれる人はいて、例えば、脇役で目立つ場合が多い、ジャンポール・フーシェクールはその一人です。彼が主演したグルックの《オルフェとウリディス》のCDを聴くと、オート・コントルの美感がよく伝わってくると思います。
あとは、今は演出家になったイギリスのテノール、ローレンス・デイルも、オート・コントル的に歌う名手です。
この前、バンジャマン・ベルネーム(ベルナイム)が来日したとき、《マノン》のデ・グリューの夢の歌の高音域を、オート・コントルの出し方で歌っていました。耽美的であり、シーンにも沿うものでした。
このインタヴュー映像でも、ベルネームの地声の柔らかさが聴き取れ、それが歌声の質によく繋がっていることが分かるようです。最初の方で司会者が彼の名前を発音しています。
こちらも聴きやすい歌声かと思います。
★★ 筆者の講演会や放送の内容、雑誌やブログ等に発表した文章などに関するご質問、ご感想、ご意見はすべて、『直接の対面』にて承ります。
★ ★ ★
WCARS(一般社団法人国際総合芸術研究会)のブログです。
この7月末に出る翻訳本2冊の御紹介をしています。
ご興味おありの方はご覧ください。
だから、ベッリーニやロッシーニ、ドニゼッティが超高音を記譜しても、歌える人は結構いたわけです。
しかし、大テノール、ジルベール・デュプレがいきなり胸声(フルヴォイス)でハイCを出してから・・・その歌い方に一斉に変化しました。
ところで、フランス・オペラを歌うテノールの中に、高音域を「ファルセット交じり」で歌う人がいました。
それが、声種のひとつである「オート・コントル haute-contre」 です。「オト・コントル」でも良いかなとは思いますが、ま、いまは、オート・コントルです。
テノールの高音域がファルセットになると、色に喩えるならば水色。
テノールがオート・コントルの歌い方をすると、色としてはライト・ブルー
デュプレみたいに胸声でガツンと高音域を出す人は、色としては濃いブルーから群青色といった感覚になるでしょうか。
現在でも、オート・コントルと呼ばれる人はいて、例えば、脇役で目立つ場合が多い、ジャンポール・フーシェクールはその一人です。彼が主演したグルックの《オルフェとウリディス》のCDを聴くと、オート・コントルの美感がよく伝わってくると思います。
あとは、今は演出家になったイギリスのテノール、ローレンス・デイルも、オート・コントル的に歌う名手です。
この前、バンジャマン・ベルネーム(ベルナイム)が来日したとき、《マノン》のデ・グリューの夢の歌の高音域を、オート・コントルの出し方で歌っていました。耽美的であり、シーンにも沿うものでした。
このインタヴュー映像でも、ベルネームの地声の柔らかさが聴き取れ、それが歌声の質によく繋がっていることが分かるようです。最初の方で司会者が彼の名前を発音しています。
こちらも聴きやすい歌声かと思います。
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