最近は家電量販店を訪れても、
以前のような「具満タン」や「素材辞典」など、
CD-ROMで販売される商品を見かけなくなった。
巷では様々なサブスクによるサービスが増え、
月や年単位で定額料金を支払うことにより
イラストや写真を好きなだけダウンロードできるため、
店舗販売する意味が無くなったということだろう。
日常業務でも、写真ACやイラストACを利用しているが、
Adobe Stockなど優れた画像などが揃っているものの、
実際にデザインの作業で毎月利用するかを考えると
なかなか契約するに至らない。
一応、国旗や間取り作成で使えるEPS素材をDLできる
D-materialsというサイトを放置状態だが運用している。
しかし、今やその存在意義も危うく、ほぼ触っていない。
それは、おそらくネットを探せば何でも見つかるからである。
デザインの作業で困るのはイラストや写真ばかりではなく、
気がつけば、最近は配色に関して調べることが多くなった。
デザインの作業は、
好きな色を適当に選び、好きなように並べればよいわけではなく、
メッセージ性やキー色に対する配色など十分に考える必要があり、
全体的なバランスがとても重要である。
制作する時間がなければ、「○色 組み合わせ」とGoogleで検索し、
その中からふさわしい組み合わせを選ぶだけで事足りるのだが、
単純に場当たり的な色の組み合わせだけを知るのではなく、
状況に応じた色の構成を体系的に知ることができる、何かが欲しかった。
とある用事の帰り道、ふと立ち寄ったジュンク堂書店。
何気なく手にとった配色の書籍がずっと気になっていた。
それが「配色デザイン インスピレーションブック」だった。
内容を吟味し、後日とりあえず2冊だけ購入してみたが、
様々な色の組み合わせにテーマが設けられており、
ファブリックや食品、景色など日常目にする色の組み合わせが
実際の写真として添付されているためリアリティがあり、
配色を選ぶ上での感覚として理解を深めやすい。
また、人工的に造り出された建造物や衣服の組み合わせではなく
自然界における色の組み合わせの心地よさなどを
改めて知る機会にもなった。
突然色を選ばなければならない状況では対応しきれないが、
時間がある時にパラパラとめくりながら、掲載されている写真を見て
実際どのような色の組み合わせが心地よいのか視覚的に感じ、
今後の色選びに活かすには十分役立つ書籍だと感じた。
各種デザイナーや色に関する勉強をしている人、
色の組み合わせに興味がある人などの他、
自分にとって好きな色の組み合わせを探したり、
図鑑のような役割として見るだけでも楽しい。