自分にとって本当の「仕事のあり方」とは一体何なのかを考える | 今日が明日へ、明日が未来へ。

今日が明日へ、明日が未来へ。

今を生きれば今日1日となり、今日の結果が明日を生む、未来はその積み重ねでしか創れない。
未来は過去を積み上げた成果であり、その日を大切に生きた者しか幸福な未来を創れない。
だからこそ、過去や未来を考えず、今その瞬間を生きる。

良い仕事とは、

「情熱と情熱との激しいぶつかり合い」から生まれる。

 

そぅ、つくづく感じる。

 

 

 

 

基本的に、仕事の丸投げは一切請けない。

情熱を感じない仕事はいっさい達成感を感じない上、

まったく面白みもなく、自分にプラスとならないからだ。

 

仕事というのは、単なる金儲けの道具ではないし、

それだけでは続かず、ゆくゆく破綻する運命にある。

 

たとえ毎日が忙しく、順調に金儲けができても

それが果たして本当に幸せなことなのか

仕事として心から充実し喜びにつながるのか?

 

それは仕事の中身によるものが大きい。

 

 

 

 

デザインという仕事は特殊な部類にあり、

「あっそうだ!デザインでもしてもらおうかな」などと、

常日頃、誰もが必要とする類のものではない。

 

つまり、売上向上や商品の周知徹底など、

企業や個人がビジネス上で何らかの問題を抱え、

それを解決する目的で我々デザイナーにデザインを依頼する。

 

 

そぅ、大前提として

そこには問題を解決したいという依頼者の目的がある。

 

しかし、

問題を解決したいのは依頼者本人であって

決してデザイナーではないということは忘れてはならない。

 

 

その解決したい当事者である依頼者本人に情熱がなく

デザイナーにさえ任せておけば解決につながると、

デザインを含めた全てを丸ごと委ねてくる人が多い。

 

デザイナーはデザインをするのが仕事ではあるが

魔法使いや手品師などではない。

 

あくまでも問題に対し主体的に行動するのは依頼者であり、

悩まなければならないのは依頼者本人の仕事である。

 

全てを他人であるデザイナーに委ねるべきではなく、

何の情報もなく勝手にデザイナーが創り出したデザインは

見栄えだけ良い、空想や虚構でしかない。

 

そこを勘違いしたり、考えていない人が非常に多くて萎える。

その部分に関してはまったく理解が進んでいないようである。

 

 

ちょうど、

医者が患者を癒せても、治すには患者自身の気持ちが大切

という考え方に類似している。

 

本当に問題を解決したり、良いものをこさえていと考えるなら

依頼者の積極性や協力は欠かせないのである。

 

 

「誰かに任せておけば」という考え方には少し違和感がある。

任せること自体に問題はないが、常に積極的に関わろうとする

姿勢が大切である。

 

 

 

 

 

 

本来は、

まず依頼者自身で問題を解決できないかを熟考し、

自分の言葉で消費者に伝えることが最も伝わるメッセージだ。

 

それができるのであれば、無駄なコストも省けるだろう。

 

 

小学生の頃、授業の一環として「伝言ゲーム」をよくやった。

席の前から後ろまで一つの文章を最後まで正しく伝えられるか?

という、ただ伝えるという単純なゲームにもかかわらず、

正しく伝わり切ることは少なかった。

 

それは、なぜだろうか?

本当の気持ちを伝えるためには、人を介さないほうがいい。

そういうことに他ならない。

 

 

 

 

壊れ物の修理やものづくりを自分一人でできるのであれば、

専門家もプロの業者も必要ないのかも知れない。

 

デザインも同様。

PCを使って自分でデザインできればデザイナーは要らない。

 

しかし、

依頼者自身でよく考えて、問題解決の糸口はつかめたものの

それをどのように表現すればよいかわからない、

あるいは自分ではデザインすることが不可能となれば、

ようやくデザイナーが必要とされる瞬間となる。

 

 

あくまでも、

デザイナーは「人のできない」を助けるための存在であり、

自分で解決できる問題まで依頼する必要などない。

 

単純に、ムダである。

 

 

 

 

 

デザイナーに依頼する際も、

本当に物事をしっかりと考えている依頼者というのは、

積極的に問題やそのアプローチなどに関して話してくれる。

その上で「どのように表現すれば良いのでしょう?」

などと尋ねてくる。

 

しかし、丸投げ前提の依頼者は、突然「どぅしたらいいですか」

とだけ尋ねてくる。

 

何がどぅなのだろうか?

 

 

 

公園で遊ぶ子どもたちのボールで窓ガラスを割られて、

あるいは水道の蛇口から水が止まらなくなって、

修理業者に対して「どぅしたらいいですか?」と、

いきなり尋ねるだろうか?

 

恐らく誰もが経緯や現状を告げた上で意見を聞くだろう。

デザインの依頼だから特別などということはありえない。

 

 

 

 

何をどぅしたいのかサッパリ伝わってこない人は、

その時点でお断りすることがほとんどである。

 

「これをこうしてね、あぁしてね、」

などと懇切丁寧に説明したり尋ねたりはしない。

 

仕事の依頼者だからと過保護に扱うことはしない。

情熱を感じない人の仕事は請けたくないからだ。

 

 

よく、デザインに関しては門外漢だからと前置きし、

相手の意見を鵜呑みにしたり委ねる人がいるが、

最低限、自分自身が関わる事柄に関しては、

知らないながらでも積極性は必要であると感じる。

 

何よりも、デザイナーのものを作っているのではなく

依頼者自身の問題を解決するためにデザインするのだから。

それを素知らぬ顔では困りものである。

 

 

 

 

 

 

 

独立後15年以上が経過し、

出した答えは「仕事の丸投げは請けない」ということ。

そこには、積極性や情熱が感じられないから。

 

 

今後の自分を高められるような仕事のやり方や考え方

物事の捉え方などをしなければ、残るものはなくなる。

 

依頼者がぶつけてくる情熱に対してデザイナーが応え、

そのエネルギーにより最良のものを生み出せるような、

そんな情熱を持った仕事のあり方が理想的であると感じる。