デザイナーに限らずアイデアを必要とする人の必読バイブル | 今日が明日へ、明日が未来へ。

今日が明日へ、明日が未来へ。

今を生きれば今日1日となり、今日の結果が明日を生む、未来はその積み重ねでしか創れない。
未来は過去を積み上げた成果であり、その日を大切に生きた者しか幸福な未来を創れない。
だからこそ、過去や未来を考えず、今その瞬間を生きる。

アイデアは全くなにもないところからは生まれない。

既存のもの同士の組み合わせや融合による化学反応がアイデアとなる。

 

 

アイデアが必要であるのはデザインに関わる人間だけではなく、

この世に生きるすべての人たちにとって必要と言っても過言ではない。

 

日常で様々な状況に対応したり切り抜けるための能力や、

よりよい生活をするための方法を考えるのもアイデアが必要となる。

生活する中であまり意識する部分ではないのかも知れない。

 

 

 

 

 

 

アイデアを思いつくための方法というのはあるのだろうか?

行き詰まりを感じた際、ふとそう思い書店へ向かった。

 

 

1つの案件に対して何案も提案しなければならない状況にあるとき

バラエティに富んだ豊かなアイデアが必要とされる。

それは過去の経験やこれまで見てきたもの、感じてきたことなど

どれだけ多く自らの中に情報を積み上げてきたかによるところが大きい。

 

だから普段から様々なものを単純に眺めるのではなく、

興味を持ってじっくり見るアンテナを持つ必要があるのだが、

常に良いアイデアが浮かぶわけはなく、枯渇することも多い。

 

 

 

 

まず書店で手にとったのは、CCCメディアハウスから出ている

ジャック・フォスター著「アイデアのヒント」という書籍だった。

 

同じコーナーでアイデアについての関連書籍も多くあったが、

手頃な分厚さと真っ赤な装丁にふと目が留まった。

 

様々な歴史上の偉人たちの言葉を多数引用しながら

アイデアを得るための行動や思考などを伝える。

 

例えの言い回しがしつこい箇所なども見受けられるが、

それだけ読者に気づきの機会を与えてくれているのだろう。

 

 

この書籍の中で紹介されているアイデアを得る流れは、

ジェームス・W・ヤング著「アイデアのつくり方」に基づく。

アイデアは段階を踏まずポップアップするものではなく、

流れ作業のように、常に過程を踏んで現れるもの。

 

後にわかったのは、この「アイデアのつくり方」が

多くの広告制作に携わる人間に読まれているバイブルだということ。

 

 

 

早速紹介されている著書「アイデアのつくり方」を手に入れると、

解説や訳者のあとがきを入れて102ページの非常に薄い書籍。

実質60ページほどで構成されている、驚きの薄さだ。

 

少しの時間で一気に読めてしまうが、内容は秀逸だ。

 

アイデアを生むために原理とその方法を知ることが必要で、

方法としては5つのステップ、流れを紹介している。

1.資料を集め、2.咀嚼し、3.問題を放置し、4.到来を待つ。

5.そして現実の世界に連れ出し、生まれたアイデアを試してみる。

 

 

これら書籍を手にして自ら納得し、驚かされたのは、

デザインの進め方で自分がこれまで悩みながら考え、

実行してきた事柄が多く含まれていたことで、

それが全く間違いや無駄ではなかったことだ。

 

 

年齢を重ねるとアイデアが出にくいというが、そんなことはない。

確かに10代や20代の頃に比べ記憶力や判断力は衰えるが、

中年であろうと高齢であろうと、様々な事柄に触れて

様々なものを見ることで活性化され、豊かさは得られる。

 

大人になるにつれて良いアイデアが生まれなくなるのは、

年齢とともに社会の常識や良識などの制限を知るからで、

それら制限のない子供という存在は、自由な発想や行動ができる。

 

いつも子供たちの自由過ぎる思いつきに驚かされるのはそのせいだろう。

 

 

 

もっと楽しみながら仕事をし、子供のように自由に考え、

何に対しても知りたがり、笑われることを恐れないこと。

 

自ら制約を設ければ発想が窮屈になり良いアイデアは生まれないが、

全く制約がない世界、それは自由などではなく混乱を招く。

 

「自由な社会」は全く規制なく何をやっても良い社会などではなく、

ある種の規制の中で自由に生きられる社会、というのに似ている。

 

 

 

日常的に様々な経験をしたり良いものをじっくり観察し、

情報をストックしながら、行き詰まればもう一度読み返そう。

 

良書というものは、幾度となく読み返すことで

新たな発見や気づきが生まれるものである。