年齢がばれてしまうのでおおよその年数だが、私はずっと、ジュウザに恋をし続けている。
こんな一途な事はなかった。真壁君やタキシード仮面、流川君…と、過去漫画界での好きな人は沢山いるが、ジュウザに関しては別格。
だってジュウザは、私が脳内で開催する大会、”ベストオブイケメン賞”10年連続グランプリに輝き、殿堂入りを果たしたのだから。
彼の何がそれほどまでに私の心を奪うのか。それは、この場面である。
秘孔・解亜門天聴を突かれ、全身を激痛が襲い、身体中から血を吹き出す。瞳から流れるその血はまるで涙のように流れ、愛する女の名を心で叫ぶも、決して口を割らなかった。
ラオウによって確実に突かれたはずの秘孔。その効果を意地でも耐えたのは、技でもなく、肉体でもなく、彼の信念だったのだ。
将の正体がユリアであることは匂わせていた。それは前記事で書いたように、匂わせる必要があったからだ。ならば、ここで口を割っても大して差し支えはなかっただろう。ラオウがユリアの元へ走りだしたのは、この数分後のことなのだから。しかし、ジュウザは耐え抜いた。それは、それが彼にとってユリアへの愛だからだ。
秘孔のせいとはいえ、口を割るなど死んでも嫌だという、ジュウザの覚悟である。