はーい! 科学オタクのナオでーす。
オオゴマダラ(大胡麻斑・学名 Idea leuconoe)という蝶を知っていますか?
沖縄県蝶になっている大型の蝶です。
沖縄県蝶オオゴマダラ
沖縄県HPよりお借りしました。
オオゴマダラは、東南アジアに広く分布し、日本では喜界島、与論島以南の南西諸島に分布します。
は、チョウ目(鱗翅目)タテハチョウ科マダラチョウ亜科に
白黒のまだら模様が特徴的で、開長は13センチメートルに及ぶ大型のマダラチョウで、蛹(さなぎ)が金色になることで知られています。
オオゴマダラのさなぎ
exite blog twelveseventeen with POP LIFE HPよりお借りしました。
以下、下のURLの内容を参考にさせていただきました。
オオゴマダラの金色の蛹 | 構造色事始 (ameblo.jp)
オオゴマダラというチョウの蛹は金色に光っています。
これは、蛹の表面にクチクラによる多層膜の構造ができているからなのです。
下の写真は蛹の膜の断面を電子顕微鏡で撮影したものです。
孵化後24時間後は厚さ20ミクロンほどだった膜の厚みは、蛹化後48時間後には40ミクロンと倍近くになります。
この増えた部分には黒白の縞模様ができていて、多層膜干渉により光を反射するのです。
オオゴマダラのさなぎの殻の層状構造
構造色事始HPよりお借りしました。
この層状部分の一部を模式化すると下図のようになります。
D層と呼ばれるクチクラからできている層と、C層と呼ばれる、主に体液で出来ている部分から成り立っています。
構造色事始HPよりお借りしました。
下のグラフは蛹化後19時間経った後、蛹に光を当てて10分毎に反射スペクトルを測定したものです。
時間と共に反射率がだんだん上がっている様子が分かります。
オオゴマダラのさなぎの反射スペクトル
構造色事始HPよりお借りしました。
まず初めに、530nmの付近が増えて、次に600nm、それから700nm、760nmと、順々に増えていきます。
初めのうちは530nm付近だけが増えるので、蛹は緑色を帯びていますが、次第に金色になっていくのです。
光の波長(nm)に対応する色
mycraft HPよりお借りしました。
オオゴマダラの蛹と金属の金と銀の反射スペクトルを比較したのが下の図です。
オオゴマダラの蛹と金と銀の反射スペクトルの比較
構造色事始HPよりお借りしました。
オオゴマダラの蛹の場合、光の波長が520nmのあたりで、反射率が急に増える部分がありますが、これが金の反射率のグラフとよく似ているのです。
ただし、反射率の値は金属の金の場合は90%近いのですが、蛹の場合は45%程度なのでだいぶ違います。
どうやら、金属の金と見まがうのは反射率の絶対値ではなくて、その反射率の波長特性が似ているところが関係しているようです。
蛹を電子顕微鏡で観察すると、蛹化1日たったあたりから、多層膜が急激に厚くなり、また、多層膜の間隔が奥にいくほど徐々に広がっていきます。
この構造が、いろいろな波長の光を反射しているのです。
多層構造によるいろいろな波長の光の反射
東邦大学メディアネットセンターHPよりお借りしました。
青色の反射光は体内にあるカロチノイドにより吸収されています。
以上のような反射特性が金属の金と酷似しているので、結果として金色に見えるのです。
沖縄県HPよりおかりしました。
はい! 今回はここまでです。
沖縄の人たちは、この金色のさなぎをよく見ておられるのでしょうね。
私も一度見てみたいです。
それじゃあ、またね。