始めに断っておきます。
私は学者でも専門家でもなく、一介の日本国民です。
震災以来これまで何度か考えを述べてきました。
これから現時点での考えをまとめたいと思います。
個々の事象を責めたり、擁護したりは全体を見失うので避けたいと思います。
国難に対処するには国の判断がが重要性を持つ。
かつて原発を推進したように、国が方向性を示すことが構造を決めるレベルのことがあります。
歴史を辿れば、原発が日本にとって避けられない政策であったことは否定できません。
もう、そのことはいいと思うのです。
しかし、その経緯を知ることは避けて通れません。
産業発展のために電力は欠かせないエネルギーです。
日本は今も問題にされてますが、独占の電力会社が発電と送電を共に支配しています。
戦後復興、高度経済成長時にはそれでよかったかもしれませんが、その後は弊害を生みます。
しかし、市場主義になりすぎると、アメリカのエンロン事件のように混乱を呼ぶこともあります。
電力とは、かなりナイーブな産業といえるでしょう。
日本は実際起こってみないと変わらない、という体質があるように思えます。
理屈では分かっているけども、まあ、今が大丈夫ならいいんじゃない?
といった保守的というか、楽観的というか、構造の闇の部分が見えても事なかれ主義で、現利権を死守する方に意識が向かいます。
外国も多かれ少なかれ利権にしがみつくのは、人類共通のものかもしれません。
いや、外国の方が凄いかもしれません。
ではどうして、外国は早くから対策が実行できているのでしょうか。
その大きな要因の一つにジャーナリズムの成熟があると思います。
それはジャーナリズムは権力(リヴァイアサン)の監視機能を担う、というテーゼが生きているからだと思います。
かつて報道写真家ロバート・キャパが、出版社の検閲で戦場の悲惨さの真実を報道できないジレンマを解消するために、自ら“マグナム”を創始ました。
写真家の地位が低かった時代に、マグナムが地位向上に大きく貢献しました。
スペイン内戦で、兵士が撃たれた瞬間の写真は有名だが、これが意味するものはその後の戦争をも変えたことでしょう。
写真技術が報道世界を一新させました。
瞬間を映し出す能力は、真実を伝えると共に多くの誤解をも生んだように、写真は諸刃の剣でもありました。
映像は静止画であれ、動画であれ、人に与える影響は多大です。
出版社やマスコミ関係にとって広告収入は経営にとって重要であることはわかります。
しかし、目的が手段になってしまっては本末転倒です。
目的は真実を伝える(権力の監視)であり、広告収入を得るためではありません。
これが核の傘の中、おかしくなってしまった。
ジャーナリズムは権力におもねる堕落を犯しました。
それを可能にしたのが
記者クラブ制度
です。
記者クラブとは、調べてもらった方がよく分かると思いますが、
簡単に言うと、新聞、テレビという大手メディアが会員となり、彼ら独占の記者会見を開いている、ということです。
政府の重要な記者会見は全て記者クラブ主催であり、その中にフリーのジャーナリストは参加できない状態が今の今まで続いてきました。
その蜜月の中で慣例となっていったことには枚挙に暇がないかもしれません。
要するに、マスコミは政治家に気を配り、情報という名の連絡事項を手に入れ、新聞、テレビで報道の名の下に垂れ流すこと。
政治家ならまだしも、検察発表も同じで、司法世界もこの利権構造に組み込まれていました。
私たちが知性を得る手段として新聞を読む、ということを推奨されていましたが、読まされていた情報はこんなところからできてきた臭いものには蓋の世界であり、広告主を一切侵害しない情報でしかなかったのです。
・・・
じゃあ、変えれば?
そう簡単にはいかないのは、この原発問題を抱えた中でも変わらない現実を見ればわかると思います。
政治主導も思うように行かないのは、とても複雑に巧妙に利権者が網を張り巡らしているからだと考えます。
政治家ももっと頭が良くなると同時に、全体を俯瞰できる人物が必要かと思います。
こんな中でも少しずつ変化が見えています。
ネット社会を通じて、ようやく現実に気付く人が増えてきたように思えます。
主にツイッターを通してですが、そこから派生して各サイトに飛んで、情報収集をする。
その流れの中で腐ったジャーナリズムに気付く人が確実に増えていると感じます。
私自身は2008年、秋葉原殺傷事件を機に見出した
ビデオニュース
http://www.videonews.com/
を機に知ることが出来ました。
今回の原発事故の際も、確実な情報をここから得ることができました。
テレビ、新聞は見ません。
ネットでテレビ、新聞の報道内容は見ます。
それで十分です。
マスコミが監視機能を失った世界で、ネット言論の社会は価値を帯びてきました。
しかしそこにも圧力がかかり始めました。(法律を通してしまいました)
いわゆるデマを封じ込めるため、だそうですが、安全デマを流していたのはどこの誰でしょうか??
パニックを起こさないため、といういいわけがあるようですが、果たしてそうでしょうか?
パニックの定義を再確認し、それに該当するかを考えてみてください。
政府は早くにスピーディーの結果を公表して、非難をさせるべきでした。
そのために高いお金を投じて導入したのに、このときのために導入したはずなのに、何なんでしょうか?
それで消費税アップなんて到底納得できませんね。
福島に関しては、徐々に実態が明るみになっていますが、
非常に悲観的な状況でしょう。
チェルノブイリは原子炉が爆発したので、それで飛び散った放射性物質を辿ればよいだけですが、福島はなまじ爆発しなかったために、日々多かれ少なかれ放射性物質が大気上、海洋に流失しています。
その量を測るのは技術的に難しいでしょう。
周辺の作物などからの検出を強化して計るべきと思います。
海洋汚染はもはや不明。
広すぎて、どう展開していくのか分かりません。
地上に関してはしっかりと検査していくべきでしょう。
福島産を全部出荷停止にするのではなく、検査を綿密にして、いいものは出す、という風にしなければ安心はやってこない。
肉も牛だけターゲットにされているようですが、おかしなことであることはネット言論の中では常識です。
上杉隆氏はスケープビーフ、と呼んでいますね。
とにかく政府は隠したい。それはパニックを起こさせないため?
そして大手マスコミを手なづけているのでそれが可能だと思っています。
そして大手マスコミも忠実な動きをしています。
人口の多くは今だテレビと新聞を情報収集手段として頼り、そして信用しています。(ネットは信用していません)
この壁を突破しないと、中々この動きは変わらないでしょう。
もちろんネットは全て正しいなどと言っていません。
むしろネットの方が流言飛語様々あります。
しかしネットリテラシーのある人はその中から確実に得るべき情報を得ます。
それがオピニオンリーダーとなり、伝播します。
それでいいのです。
福島は全く終息していません。
他の原発も使用済み燃料の行き場を失ってアップアップです。
地震活動は活動期に入っています。
日本で大地震はどこで起こってもおかしくありません。
今回福島の海洋ではなく、内陸部を震源として大きな地震が起こっています。
これはまったく記録にないところで、即ちそれが証明しています。
原発を止めても電力をまかなえる。
それはバックアップがあるからです。
燃料なんて調達すればいいし、それにかかる費用であれば払ってもいいと思うでしょう。
しかしそれは一時的なもので、今後のエネルギー構想を打ち出して、その中でやっていくこと。
原発は儲かる、そこに関わる人は、それはそうでしょう。
しかし、コストにしてもよくよく調べると全く高価なもので、電力会社発表のデータをそのまま出す餌付けされたマスコミ情報など糞でしょう。
しかし、世の中でもそれが真実なのです。
多くの人がそれを信じる構造になっていますから。
これはもう、歯がゆさいっぱいです。
言論の自由は曲がりなりにもできているのに、伝わらない。
民主主義の負の部分でしょう。
平和が続くと去勢されてしまう。
こんな中でも信念で活動されている方が沢山います。
そういう人たちを応援することくらいしか、今の自分には出来ません。
そして、自分が発言し、発信すること。
エネルギーシフトは産業革命と同じくらい、社会構造を大きく変えることになります。
それによって職を失うもの、得るもの、双方があるでしょう。
そのせめぎあいの中で、
将来のビジョンが、理想が最終的に必要になってくるのだと思います。
そしてそれが実行できるのは、もはや国しかないのです。
国を動かすのは民主主義では国民です。
国民がアホなら、国もアホなんでしょう。
自分は、こんな国でも日本が好きです。
嫌なとこも沢山あるけど、日本がいい。
必要なのは情報革命。
それが第一歩だと思います。