6/12のブログ「所変われば品変わる?」のオマケ編です。
眼球が入っている骨の窪み「眼窩」内にある脂肪「眼窩脂肪」が加齢と共に前方に脱出してくると
「目袋」と呼ばれる膨らみとなり、目の下のクマとなってしまいます。
眼球と骨格の位置関係によっては、子どもの頃から目袋を認める方もいます。
他方、外傷によって眼窩脂肪が脱出してしてしまうことがあります。
それが「ブローアウト骨折」ですが、この原因は眼部にモノが当たって生じるとなっています。
眼窩床(底、下壁)の骨が折れて、眼窩脂肪が上顎洞内に脱出した状態
日本の医学書には、野球などのボールが当たって生じることを表したイラストがよく掲載されています。
海外ではどうなのかと思い、ネットで画像を検索したところ、野球やテニスのボールが当るイラストよりも拳で殴られるものの方が多いようでした。
頬骨を殴っても眼窩床が折れることを「BUCKLING」と呼ぶようです。
海外では暴力事件による受傷が多いのでしょうね。
暴力事件で思い出したことがあります。
北海道で労災病院に勤務していた頃、石狩川をはさんで向かいにある町<映画「北の蛍」(1984年)の典獄の名前参照>の受刑者施設から受刑者同士のトラブルから殴られてブローアウト骨折になった受刑者の手術をしたことがあります。はみ出した眼窩脂肪を元に戻してから骨折部を整復しました。
入院は個室管理でしたが、回診に行くと、刑務官3人が監視として常に在室しているため、えらくむさ苦しい雰囲気でした。
受傷によって生じていた複視やしびれは、術後順調に回復しました。
上のイラストは、アメリカンフットボールの試合中に相手選手の指が目に当たってブローアウト骨折になったことを描いています。特殊な受傷機転と思いますが、昔の受刑者の治療とこのイラストから映画「孤狼の血 LEVEL2」(2021年)を連想してしまいました。
鈴木亮平さん演じたその筋の方はとても恐ろしかったですね。
現在放送中の連続テレビ小説では、お調子者で頼りない二―二―が養豚場に出戻って働いていますが、つい前作の「孤狼の血」(2018年)のシーンを連想してしまうのでした。