ワキガ(腋臭症)で悩んでいたモニター患者様です。5mmほどの小切開で治療が行えるフォーミュラシェーバーシステム(略してFSS)を用いて治療しました。
術前:右
術前:左
手術部位(腋窩)には、ワキガ治療とは異なる目的で受けられた手術で生じた線状瘢痕を認めていました。
ワキガの原因であるアポクリン汗腺は腋毛に一致して存在していますので、その範囲の上腕側の端に小切開を加えてアプローチしました。
そこからFSSのカニューレを挿入して、皮膚の裏面に存在するアポクリン汗腺を丁寧に削除・吸引しました。留糸をかけ、ドレーンチューブを留置した後、圧迫固定を行って帰宅となりますが、翌日まで安静を保ってもらいました。
以後の経過を右側で示します。
手術翌日:出血斑は生じますが、血腫は生じておらず、ドレーンチューブを抜去しました。
次回の受診までは、日常生活動作において、ゆっくりやさしく動かしてもらいました。
手術部位には軟膏の外用、ガーゼ保護をしてもらいました。
術後7日:出血斑がかなり消退しました。術後の炎症を認めます。
術後7日目で留糸を抜糸しました。ここからは皮膚の硬化・拘縮予防のために、朝夜1日2回のヘパリン類似物質クリームの外用とストレッチを開始してもらいました。日常生活動作の制限も解除としました。
術後1ヵ月:術後2週間過ぎから1ヵ月頃にかけて皮膚が硬く、ツッパリやすくなります。
とにかくどんどん動かしてもらって、引き続き外用やストレッチも継続してもらいました。
術後3ヵ月:硬さが取れはじめていました。
硬さ以外にも炎症後色素沈着なども生じていましたが改善しはじめていました。
術後6ヵ月:かなり改善していました。
左側の術後6ヵ月:右同様に回復していました。
個人差はありますが、回復までには術後6ヵ月~1年ほどかかります。
気になっていた腋臭はほとんどなくなり、結果に満足されています。
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