新型コロナウイルス感染対策・措置(感染拡大阻止や検査・治療など)を欧米の首脳らは「戦争」に例えています。フランスの歴史家・人口学者エマニュエル・トッド氏は、今回の感染症対策・措置を戦争に例えることをばかげていると否定されていますが、あえて戦争に例えた場合を述べてみます。
感染の第2波・第3波は敵の「波状攻撃」を意味するでしょう。「波状攻撃」とは何回にも渡って攻撃を加えてくることだからです。一方、敵の攻撃を空間的、時間的に分散、希釈させる戦い方を「遅滞戦術」と呼びます。要するに時間稼ぎをして、敵を消耗させるのです。今回の感染であれば、感染の拡大措置を取りつつ、検査体制の充実を図る、治療法を見つけるということです。さらに細かく言えば、クラスターや濃厚接触者を発見・隔離することは、「分断作戦」「各個撃破」「包囲殲滅」と呼ぶこともできるでしょう。
アニメ映画「この世界の片隅に」(2016年)・「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」(2019年)では、太平洋戦争中の米軍による呉軍港空襲が描かれていますが、1945年7月24日・25日・28日・29日など複数回に渡って空襲されており、波状攻撃のひとつの例となっています。
アニメとコラボした呉軍港を再現した模型