一昨日の又吉先生のブログで、「ソニック・ザ・ムービー」(Sonic the Hedgehog)が全米映画ランキングで興行収入で1位になったと紹介されていました。青いハリネズミが主人公の映画ですが、ハリネズミ(hedgehog)と聞くと、つい連想してしまうことがあります。それは「チェコの針鼠」と呼ばれた対戦車バリケードのことです。鉄道の線路を切って組んで溶接したもので、第2次世界大戦でドイツ軍が使用していました。
チェコの針鼠
フランス北部・カレー海岸に設置されたバリケード
1973年にタミヤから発売された1/35スケールの「バリケードセット」にも入っていました。
1944年6月6日、ノルマンディー上陸作戦によって連合軍はフランスに上陸します。ノルマンディー地方には低木を並べた生垣(英語で、hedgerow)で囲まれた畑地や牧場が存在し、ボカージュ(仏語Bocage)と呼ばれる独特の景観を呈していました。戦場としては攻めにくく、守りやすい地形でした。
ボカージュ地帯:低木による生垣で網の目のように区切られています
そこで連合軍は戦車の車体前面にボカージュを突破するためのヘッジローカッター(hedgerow cutter)を取り付けたのです。この材料に「チェコの針鼠」を用いたのでした。1977年にタミヤから発売された1/35スケールの「米軍M5A1軽戦車」には、ヘッジローカッターが付けられていました。ボックスアートに赤い字で「へッジホッグ」と記されていますが、このカッターを装備した戦車の愛称です。
実車の画像
「M4シャーマン中戦車」にもヘッジローカッターが取り付けられました。
このカッターの付いた1/32スケールの古いキットもありました。
なお、ヘッジローカッターを装備した戦車は、「Rhino tank」(RhinoはRhinoceros:動物のサイのこと)とも呼ばれています。
ハリネズミとサイでは随分とイメージが異なりますね。