新年度が始まって1ヵ月半になろうとして
います。
新しい環境で、新しいことに挑戦している
方もいるでしょう。
前回、「物事、とくに新しいことを始めた
とき、何度も失敗しさんざん苦労して
やっとできるようになると、それからは
今までの苦労がなかったかのようにスムー
スに事が運ぶことがあります。」
と記しました。
しかし、すべてがそうなるわけではない
のが現実で、一度できたのに、その後また
うまくできないことが続いてしまうことが
あります。
それでは再現性に乏しいと言われてしまい
たまたまできたとか、まぐれだったと
言われてしまいます。
できるようになるまで、できるようになっ
てからも維持・向上にさらに努めていかな
ければならないと、自戒も込めて、そう思
っています。
今回のタイトルですが
「慣熟」とは物事に十分になれて、上手に
なることを意味します。
「完熟」だとトマトになってしまいますが
「慣熟」は機械操作の習熟のために行われ
る訓練に使われることが多い表現のようで
す。
昨年7月に起きた調布市での小型機墜落
事故の際の報道では、事故機の飛行目的は
技術の維持向上を目的とした「慣熟飛行」
として届けられていたとありました。
「慣熟運転」という表現もあります。
私が「慣熟」の言葉を知ったきっかけは
マニアックな話になりますが、第二次世界
大戦中のドイツ軍の重戦車大隊の戦記を
読んだ時のことです。
新型重戦車を受領した戦車兵が、「慣熟
訓練」に励んでいる様子が描かれていたの
です。
プラモデルに夢中になった世代でタミヤの
ミリタリーミニチュアシリーズなどを作っ
た方や、最近のアニメ「ガールズ&パン
ツァー」を見た方ならご存知のティーガー
Ⅰ(タイガーⅠ型)や ティーガーⅡ(キ
ングタイガー、ケーニヒスティーガー)の
部隊で、戦場の火消し役として獅子奮迅
(虎ではないですが)の働きをしました。
戦車兵が用いた教本が〝Tigerfibel”と
呼ばれたものです。
戦車を女性に見立てて、彼女を攻略して
結婚にこぎつける過程になぞらえています。
イラストも多く、ちょっとエロチックな
ものもあります。
ドイツ軍の教本なので、堅苦しいイメージを
持っていたのですが、若い兵士の気を惹く
ための工夫がされていて、教育に腐心して
いる様子がうかがえました。
移動する敵戦車への砲撃について解説して
いる頁です。