12月も暮れが近くなり会社は大型連休だ
彼の元へ急いだ 田舎の実家の暮れは
忙しかった。88歳のお母さんを中心に
元旦を迎えた厳かに行う行事を経験⛩️
そして神社でやっと2人きりになったが
しかし道中 会話は無く冬空は心が痛い
2度目の滞在ともなれば話題すら無いと
言うのか?会話も途絶えて笑顔も消えた
台所の片付けが済み彼を探す どこにも
彼がいないお母さんに尋ねると魚釣り?
置いていかれた? 私は娘を
1人残してやって来たのにと思い
腹がたってきた 虚しさと
会話がないもどかしさに苛つく…
寂しさを紛らす為に
年老いたお母さんを 散歩に…
ゆっくりゆっくり歩く良い天気だ
さすが暖冬の奄美大島だね
お母さんの気遣う言葉も優しく
嬉しかったね〜同じ女だからかな?
照の今の気持ち分かっているようだ
黙っていくなんて 嫌だなあ声かけて
くれたらいいものを。散歩がてら
1人海岸に行ってみた。港の堤防には
数名釣り仲間が見えるワイワイ騒いで
賑やかに楽しそうだ 会話できない彼も
楽しそうに笑っていた 私には見せない
素敵な笑顔だ。無性に寂しさを覚えた
遠くから隠れるように 見ている自分が
惨めに思えた。トボトボと歩いている私
知らない集落の道すじ…港からドンドン
離れるごとに私の心が…心が 彼からも
遠ざかっていく…彼にとって私は本当に
必要なのか?初めて疑問が沸き起こった
共通の話題もないし 沈黙は息苦しい…
もしかして彼も 同じ思いをしてた?
私はただ優しさを振り撒いていたのか?
などなど、いろいろ 考えてしまう
終わりだネ 私の心は 憤慨してた
突然帰リたくなった。戻ってきた彼に
船まで送ってと言う。ワカッタと言って
訳も聞かず 車の準備をしてる彼がいた
今思えば 彼なりに悩んでいたのかも
俺と一緒に暮らす気があるのかって…
親より先に逝くリスクもあるし 多分
彼は一緒になってくれとは言えない?
理解はしたが答えられない私がいた
くれぐれも 身体には気をつけてネ
走る車の中でそれしか言えなかった
途中急に車を止めて抱きしめてくれた
言葉はなくても 気持ちは届いたが
だが もう私の心は冷めていた…
突然、話し出す私。兄弟から電話が
あったこと、結婚は難しい ここでは
暮らせない 仕事も辞められない
涙顔で 駄々を捏ねる子供みたいに
意地悪をいっぱい言っていた…
彼は優しくティッシュの箱を渡し
ワカッタと言って 車は走り出した
とうとう 私から別れを告げたのだ
切符を買う一連の流れを彼は黙って
見ていた 船は汽笛をボ〜と鳴らし
岸壁をゆっくりと離れていく。
見つめ合うふたりの仲を裂くように
夜の海は 真っ暗闇だった…
ゴメンネ…
これで良かったのだ…と
期待させてはいけないのだと
泣きながら心に言い聞かせていた
ー9ー 最終につづく

