短編小説「初恋日記4」 | 照ママと猫日記

照ママと猫日記

~~~~~~~~母ちゃんと愛猫の可笑しな日々


急に転校する話を 聞かされたのだ

せっかく文通でお友達になれたのに

大阪は遙か遠く大海原が立ちはだかる

もう二度と会えないそんな予感がした


船は奄美市から出るので見送りには行く

つもりだった。すると彼が突然我が家に

現れたのだ。出発1日前の 出逢い

最初で最後のデイトらしきものです


誰にも邪魔されずに話せる場所を探す

裏山に登ることに。奄美市では有名な

「らんかん山」でたくさん話ができた


大阪は遠いネ もう会えなくなるネ

手紙書くよ 私も書きます 明日船まで

見送りに行くね。いいよ来なくてもいいよ

なんでそんなこと言うの? …つらいから


 アッ雨が降り出した。通り雨だ大きな

木の下に走って避難した その時 突然

キスされたのだ一瞬軽く唇に触れただけ

なのに雨のしぶきに混ぜて涙が流れた 

お別れの寂しさも混ざっていたのか…


ゴメンと言って 黙り混んだ彼に 

返す言葉が見つからなくて無言に…。


雨にまぎれた涙を もしかして彼は

誤解したかも知れない 私が怒って 

泣いてると 思ったのかも知れない

又、ゴメンと言ってうつむいたのだ

純情だったふたり…無言のまま

山を降りて別れた


私は、翌日 見送りに行かなかった何故? 

未だに理由が分からない もしかして 

照れがあったのかも…中2の夏の出来事

私のこと初恋だと言ってくれた彼 

呆気なく幕を引いてしまった終わったのだ

                     ー4ー  …まだつづくよ