コロナショックは、強制的に他人との物理的な距離を取らされ、他人とのコミュニケーションのあり方自体が大変革している状況となっています。
毎日顔を合せていた嫌な上司、無神経な同僚とも顔を合せる機会が激減し、ストレスが一気に減ったという人は多いかもしれません。
反面、直接対話が減り、オンライン通話や会議の急増で、新たな対人コミュニケーションがストレスと感じている人も増えているかもしれません。
コロナショックは関係なく、会社やコミュニティの人間関係から、もやもやとした生きづらさを抱えている人は想像以上に多いのかも知れません。
例えば、上司の言うことを、いつも無条件で受け入れてしまったり、自分さえ我慢すればよいと思ってしまう。
いつも周囲からの期待に応えられているか心配ばかりしていて、他人からダメ出しをされてしまうと、自分でもそうだと自分を責めてしまう。
こういう感情を自覚しながら無理を重ねていくと、気が付いた時には「心身ともに瀕死の状態」ということになりかねません。
たいていの人は知らず知らずの内にダメージを受けていることに気が付いていません。
休職等で初めて職場で精神的ダメージを受けていたと実感する人は本当に多いものです。
自分で自分を責めてしまう「自責傾向」の人は想像以上に多いのが現実です。
こういう感情を自覚しているとしたら、直ぐにでも職場での人間関係や環境、ルールをきちんと見直しましょう。
そして、自分を責める前に、自分にとってより良い働き方を考えて実践して行きましょう。
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人間関係やルールを見直す上で何よりも心がけるべきは、「自分と他人との境界線」をきちんと意識して守ることです。
他人との間には、「自分が責任を持って守るべき領域と、「他人が責任をもって守るべき領域」の二つの領域が存在します。
例えば、自分の心(思考)や身体、生活はあなたが責任を持つ領域です。
ここに、必要以上に他人を立ち入らせたり、責任やコントロール権を他人に渡してはいけません。
しかし職場では上司や同僚、クライアントとの人間関係、ノルマなどの職場が決めた明確なルールが存在する。
また、言わずもがなの上下関係などがあなたの生活や心、守るべき領域まで侵入してくるケースが後を絶たない。
このような「ラインオーバー」によって、人は心身のバランスを崩すし、生きづらさを感じるようになるのです。
例えば、
過度なノルマの要求や時間的な束縛を受ける。上司の決めた勝手なルールや価値観を強要される。
明らかにキャパを超えた仕事量を押し付けられたり、こんなことは常識で社会人として当然だ、と責められる。
「使えない」とか「才能がない」などという言葉で一方的にジャッジされる。
「お前が悪い」と一方的に責められ、罪悪感を覚えさせようとされる。などです。
これらの行為は他人の心の領域に土足で入り込み、自分のルールや価値観で相手をコントロールしようとする行為で、完全なラインオーバーなのです。
また、職場には「自分だけが得をしたい」「少しでも楽をしたい」「自分より目立つ存在が許せない」といった思いに駆られて、まじめで善良なあなたを利用しようとする人間もいるのです。
そんな彼らはラインオーバーの常習犯で、隙があればあなたを自分のルールや価値観でコントロールしようとしていることを覚えておかなくてはいけません。
そして、あなたも他人からのラインオーバーに敏感になり、自分が何をされたら嫌か、いらない関係性は何かを明確にもっておくべきです。
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とは言え、現実は厳しく、急に職場や職場の上下関係、人間関係は変えられないと途方に暮れる人が多いはずです。
ですが、「ギブアンドテイクのバランスが悪い」「自分だけがリスクを負っている」「相手の言い分ばかり聞いている」といった状況が続いたら、遠慮せずに究極の塩対応でコミュニケーション意思がないことを示しましょう。
自ら関係改善を考える必要はなく、話しかけられても素っ気なくひと言で返したり、誘いがあっても一切乗らないようにしましょう。
ポイントは、「自分がなんとか頑張れば相手と良い関係になるかも知れない」とは絶対に「思わない」ことです
相手が無神経に土足でラインオーバーしてくる相手だと分類できれば、自分のことを努力不足だと責めたりすることは無くなります。
もしも、あなたが現在、職場やコミュニティの人間関係や環境、ルールに不快なものや、もやもやとした不安を感じているのなら、一度客観的に見直して、好ましくない関係にはすこしずつNOを突き付けて行きましょう。


