肉 | 毎日がメメント・モリ

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 や、まずこの邦題と書体の思い切りの良さは最大限に評価するでしょう、センス良いのか悪いのかよくわからないけど、他に例を見ない大胆さw 原題のポスターよりついこっちを貼ってしまうわ、これは。

これがインパクト強すぎて、人によると出オチ的なイメージを受けてしまうかも知れません。要はカニバリズムを扱った映画なのですが、色彩はアンニュイで割と淡々とした展開で内容の割にそんなにショッキングなシーンて無いんですよ、全然怖い映画ではありません。ラストの展開は意外だったけど。

 

 

 

 200年以上前からカニバリズムを習慣として来た家族の物語なのですが、崩壊の始まりはこのパーカー家の母親が買い物に出た先で倒れてそのまま亡くなった事、そして洪水。

 

 この検死に関わった医師は娘が行方不明になってるんです、そこが結び付いて来る、パーカー家はもちろん食人を秘密にしてるんですが、その割に近隣で調達しちゃったりしてるので、ちょっとツメが甘いです。母親が亡くなったので、「その役目」は長女に受け継がれる、具体的なシーンはありませんが、キッツイわ、これはアセアセ

 

 

 

 姉妹はこの習慣が嫌で「今年で止めにする」とこっそり話し合ったりしてます。姉妹の下にはまだ幼い弟もいて、彼はまだ食人のことは何も知りません。ましてや姉のアイリスは幼馴染の警官アンダースと両想いなんですよね。

 

 

 パーカー家の母親の検死をしたバロー医師は、彼女が食人の習慣のあるパプアニューギニアの特定部族の風土病であるクールー病を患っていた事に気付きます。実は父親のフランクも同じ病気なんですが、そりゃあバレては困るので、いくら自分の状態が悪くても病院に行かず、家族が病気になっても絶対医者に行かせず変人扱いされてるわけです。それだけに家族の繋がりは非常に濃い。その歴史は彼らの先祖の日記に記されていました。この土地にやって来た彼らは厳しい冬の間に食料が絶え、亡くなった親族を食べて生きながらえて来たんですね、もちろん罪の意識が無かった訳ではなく、むしろ罪の意識に耐えられるよう「自分たちは神に選ばれた」から生き残れたと解釈するようになるんですね。恐らくそのせいで食に困らない時代になってもこの習慣が無くならなかったのではないでしょうかね。

 

 

 しかもバロー医師は、犬の散歩の途中、川のそばで人骨と思われる骨片を見つけ、アンダースを伴って調査を始めてしまうんです。その川はパーカー家の敷地の中を流れていたのでした。自らの病気も進行し、崩壊の危機を感じた父親は無理心中をしようとしますが、そこへバロー医師が乗り込んで来ます。ここでいきなり物凄いストレートな一発が来るんですが

 

「うちの娘を食ったのか!?」

 

からの急展開。バロー医師と彼をかばった姉のアイリスは撃たれて負傷、妹のローズは弟を連れて逃げるも連れ戻されます。近所のおばさんとワンコはとばっちりでしたなあえーん 

 

 

 しかし、ここからが更に意外な展開に!何と今まで食人の習慣をあれだけ嫌がっていた姉妹がいきなり父親を遥かに上回るレベルで目覚めるんですよ、弟はわきまえたもんで「これは見ちゃいけないものだ」とばかりに隠れます。

 

 

 ラスト、姉妹と弟は「3人」でその土地を出て行きます。この映画の原題は「We Are What We Are」。

 

「私達は私達である。」正にそう言う話でした。

 

因みにこれはメキシコ映画「猟奇的な家族」のリメイクだそうですが、こっちの方が過激そうです。

 

 

†††ジム・ミックル監督作品
フランク・パーカー:ビル・セイジ
アイリス・パーカー:アンビル・チルダーズ
ローズ・パーカー:ジュリア・ガーナー

ロリー・パーカー:ジャック・ゴア

バロー医師:マイケル・パークス

アンダース保安官代理:ワイアット・ラッセル

ミークス保安官:ニック・ダミチ

アリス・パーカー:オデイア・ラッシュ

 

†††2013年 アメリカ
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