記憶の中の映画、あるいは整形美女の復讐 | 毎日がメメント・モリ

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 映画の中には、もちろん名作と呼ばれる作品が沢山あって、それは文句無く素晴らしい一流の映画と言う事なのですが、その下にB級映画と言うのがあります。これはもしかしたらAの下くらいにはなれたかも知れないんだけど、見るからに資金が足りなさそうだったり、突っ込みどころ満載だったり、どこかに足りない所がある映画です。しかし、B級映画 はB級映画なりの魅力が非常にありまして、しょーも ないんだけどもの凄く面白いとか、どっか凄く足りな いんだけど、どっかが凄く出っ張っていてそこが妙 にマニア心をくすぐるものだったり、昨今ではわざわざB級を目指す人もいるくらいで、その奥深さ(?) は計り知れません。 


(例)「ブレインデッド」 ピーター・ジャクソン 
 「バッドテイスト」 ピーター・ジャクソン 
 「シベリア超特急」 水野晴郎 
 「片腕カンフーと空飛ぶギロチン」 ジミー・ウォン 
 「デスレース2000年」 ロジャー・コーマン 


(わざわざB級に作った例) 
  「マーズアタック」 ティム・バートン 
  「プラネットテラー」 ロバート・ロドリゲス 
  「デスプルーフ」 クエンティン・タランティーノ  


 そして、更にそのはるか下にZ級と呼ばれる映画がありますが、これはこれでその凄まじい破壊力で見る者に衝撃、または大いなる倦怠を与えます。 


(例)「死霊の盆踊り」 エド・ウッド・Jr(Z級の巨匠) 
「プラン ナイン フロム アウター スペース」 エド・ウッド・Jr 
「ジャイアントスパイダー大襲来」  ビル・レバーン
「ロボットモンスター」 フィル・タッカー 


 しかし、これらのZ級映画は「見たら絶対損する」「見たら腹が立つ」と言われながら、実は多くのファンを獲得していると言う不思議があり、その魅力も計り知れません。 
 で、一番つまんないレベルをC級とします。そこそこまともに作られているばっかりに面白く無い映画。 
「何じゃ、こりゃ」と思いつつ見てしまい、結局どこまでも「何じゃ、こりゃ」でしかない映画、多分今回の映画はそういう映画です。 


 もちろんタイトルも覚えてませんし、役者さんも有名な人は多分出ていません。内容は簡単に言えば「整形美女の復讐」。主人公は(敢えてこの言い方をしますが)デブスの女の子、いつもからかわれて悲しい想いをしていますが明るく振舞っています(ありがち)ある日、同級生の男の子に告白され、せまられます。最初は「冗談でしょ」と言っていた彼女も、あまりに熱心にせまって 来る彼に、ついその気に……そこで「わー!!引っかかった!!」と踊り出て来る同級生達。つまり彼女は騙されて笑い者にされたのでした。(ありがち)その場では 戯けて見せた彼女ですが、泣きながら自動車をぶっ飛ばし、予想通り大事故へ……全身大火傷で、生死の堺を彷徨った彼女ですが、何とか持ち直し、おまけに医者が治療整形のついでに絶世の美女に彼女を作り変えていたのでした。かくして彼女は別人に成りきり、自分を騙した同級生たちに復讐を誓います、と言うもの。 


 何でこんな映画をいちいち覚えているんだか、わかんないんですが、もしかしたらラストの阿呆らしさだったかも知れません。同級生たちを次々に罠にはめ殺害して行く彼女ですが(その方法も結構バカバカしかった様な)あわや迷宮入り……と言うところで、薔薇の花アレルギー だった事から刑事に正体がバレ、逮捕されます。 
 呆れたのはここからで、逮捕したもののその刑事 「何と言う素晴らしい殺人計画なんだ、君の様に賢い女性には会った事が無いよ。」それに対して「私の中身を認めてくれる男性に会ったのは初めてよ。」と、いきなりラブラブモード、結局2人は刑務所の中で結婚式をあげたのでした、めでたし、めでたし。 



……なのか!?これでいいのか!?バカヤロー!! 

 ま、いいけど、別に。

 

で、が、しかし、どうしても気になって調べてみますと結構な数ヒットしまして、知恵袋辺りで同じ映画について質問してる人も複数いたりして、実は結構面白いB級映画だったのか!?だからよく覚えていたのか!? いや、B級と言うにはパワー不足な感じが今思い出しても否めなく、C.5級くらいの感じだったのかも!?

 

 因みに主演のストッカード・チャニングはリズ・テーラーに似ていたので、主演はリズだと勘違いされてた方もいらしたようです。私はそうは記憶してなかったんですが、そう言われて見たら、リズ・テーラーをちょっと垢抜けない感じにしたような女優さんです。

 

 

整形前はこれ。

 

で、「整形美女の復讐」って感じの映画、と覚えてたのですが、実は本当に「2つの顔を持つ女/整形美女の復讐」と言うタイトルでした。どっかで覚えていたのか、邦題のつけ方が安直だったのか。

 

 この映画で「多分」復讐される友人役で出演していたラリー・ウィルコックスはその後、日本でもTV放映のあったドラマ「白バイ野郎ジョン&パンチ」にジョン役で出演していたようです。私はこれ未見。

 

 

 

 

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リー・フィリップス監督作品 

 

原題:The Girl Most Likely to...

 

ミリアム・ナイト:ストッカード・チャニング

ラルフ:エドワード・アズナー

ティルソン教授:ジム・バッカス

グリーン医師:ジョー・フリン

ハーマン・アンダーソン:ウォーレン・ベリンジャー

ムース・メイヤーズ:ラリー・ウィルコックス

テッド・ゲイツ:フレッド・グランディ

         

†††1973年 アメリカ

 

 

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