ユディト | 毎日がメメント・モリ

毎日がメメント・モリ

映画レビュー、イラスト、好きなもの、日常。
ホラー映画メインですが、ほとんどの映画は美味しく拝見いたしております。
イラスト禁無断転載。

うちは家は浄土真宗ですが、私はキリスト教の幼稚園に通っていました。(この辺がミーハー)幼稚園の敷地内にちゃんと立派な教会があって(今はありませんが)毎朝ミサがちゃんとあったワケです。だから私が幼稚園の頃描いた絵と言えば、半分くらいは聖書ネタだったんですよ、この頃から聖書好き(笑)でもまあ子供の描く絵ですから、キリスト様もマリア様も丸描いてチョンに毛が生えた様なもんです。 
 そんなこんななので、やはり私的には絵から入るのが正しかろうと思うワケです。 
 「受胎告知」だの「聖母子」だのはそれこそ星の数ほどあって収拾つきませんから、ちょっとコアなネタだけど後世の画家が好んで描いた題材と言うのが良ろしかろうと思います。 
 で、「ユディト」。 
 「ユディト」と言うと、クリムトやクラナッハが有名ですが、やはりそのドラマティックな題材が絵心を刺激するのか、相当な数あります。 
 物語としては、豪将ホロフェルネス率いるアッシリア軍が街に迫り、水源を絶たれたため、恐れおののいてへっぴり腰の男どもを後目に未亡人の美女ユディトが召使いと共に敵陣に乗り込み、将軍ホロフェルネスを誘惑した挙げ句泥酔させ、その首を取ったと言う世界最強美女伝説の様な話です。将軍を失ったアッシリア軍は総崩れとなり街は救われます。その最強美女No.1のユディト、通常生首と剣を持った美女として描かれています。その美女と言うのも画家の好み(?)で実に様々。未亡人なのに案外少女っぽい顔立ちの絵が多いのが意外です。 
 カラヴァッジオの絵などは、かなり幼く、また嫌々ながら首切ってる表情ですが、切り方が妙にリアルで何だか肉屋の軒先みたいな雰囲気が漂います。いやこの細腕で首が叩き切れるのか。 

 

カラヴァッジオ


 その点、へメッセンのユディトなどは顔は可愛ら しいですが、その肉体や見事なもので格闘技の選手の様です、こ れなら首の一つや二つ取って帰れそうです。 

 


 クラナッハのユディトは2点あります。基本あまり大人っぽい女性を描く人ではありませんが、有名でない方は特に少女の様です。有名な方は、少女でも未亡人でも年増でもなく、まるで魔女の様な妖しく神秘的な雰囲気。まあ、女が一人で乗り込んで来て 将軍の首を取って行ったなんて、兵士たちから見たら魔女に見えたかも知れません。 

 

 


 実はここでは2点しか挙げてませんが、このクラナッハと言う画家、取り付かれた様にユディトの絵を描いてます、怖いです。 


 ジョルジョーネのユディトは何だか大変お品が良ろしいのですが、そのワリに首を足蹴にしてます、意外に大胆不敵です。こんな風情であっさり首取って行かれたら逆に怖いです。

 

 

また、ボッ ティチェルリが生々しい事件現場(?)を描いているのも意外です。 

 


 リスやジェンティレスキのユディトはリアルです、その辺にいそうです、こんなおばちゃん。これ見るとやっぱり多少無理はあっても浮世離れした美女に描いた方がロマンを感じますなあ。 

 

ジェンティレスキ

 

リス



 ついでに矛盾を一つ、これ文献によって違うんですが、「アッシリア王ネブカドネザル二世」と記してある所もありますが、実はネブカドネザル二世はアッシリアの王ではなくバビロニアの王です。「ホロフェルネス率いるアッシリア軍」とあるところ、ネブカドネザル二世がホロフェルネスにイスラエル攻略を命じたとあるところ、バラバラです。旧約聖書じゃどうだったかなあ?

 

フィンソン

 

アッローリ

 

ティントレット

 

フェデ

 

ブーローニュ

 

そして、最も有名な絵画ながら案外ユディトの絵とは認識されてなさそうなクリムトの「ユディト」。

 

 

 

 

いつも来て下さるかた、コメント下さる方ありがとうございます。

 

■幸せの架橋 in 岡山 ~犬のレスキュー活動~では、保護犬の

里親募集中です! 詳しくは上記リンク先ブログへ

保存保存

保存保存

保存保存