(1)記憶喪失な連ドラ

●フジ「アンメット」

今期一番面白かったのはコレ。なかなかラストを予想できなかった。井浦新は善人なのかワルなのかなかなかハッキリしなかった。三瓶先生は善人だろうけど、婚約の事を伏せるようにしていたのが謎だった。

最終回で全ての謎が解ける。三瓶先生と婚約していた事はホントだった。海外で感染症を患い看病してもらった、そんな非常時の出来事だったのか。「(アンメットでも)自分の中に光があったら明るく見えます」って、病んでいたらなかなか言えない科白だな。「ろうそくを囲んでしまえば影はできなくて全方位を照らせる。

ラストの場面も含めて、総じてハッキリ描かないドラマだった。視聴者を寄せ付けない壁の存在を感じたドラマとも言える。後半で逮捕された爺さんを覗けば悪い人物もいなかったし、ハッキリ描かなくても視聴者にはしっかり伝わってきたのでこれはこれでいい。

ノーマンズランド、脳梗塞が完成など知らない用語も出てきた。杉咲花の無防備でノーメイクのアップ画像が続く。そして、低体温状態なら血流が緩やかになるので2分でなく8分の猶予を得られた、そのチャンスを見計らうために一緒に暮らしていたってこと。白の背景で黙々と日記を読み書きしたり、医師・看護師の呑み会シーンが多かったり総じて地味な展開だったけど、熱い想いが溢れていた。

 

<カンテレHPより>

 

●TBS「9ボーダー」

記憶喪失がストーリーに絡んできたとは言えない。0でも1でもない答えはリアルに正しいけど、ドラマの最終回としては盛り上がらない。ずっと見たけど入り込めなかった。

 

(2)その他の連ドラ

●NHK「エンジェルフライト」

痩せた米倉涼子がなんだか秋野暢子に見えた。それでも、遠藤憲一との威勢のいい絡みはNHKらしからぬ任侠の荒っぽさで驚く。TV10「ドクターX」を越えている。国際的に遺体を搬送する仕事がホントにあるんだろうけど、しんみり描かれたら辛すぎるし、むしろこのテンションだから見られるんだろう。

旅の写真を1枚。これはマニラのイントラムロスの近く(正確にはその外周)で撮ったもの。スペイン統治時代の建物は何も感じなかった。ただ、その外周の暮らしぶりと強烈な臭気が漂っていた事を覚えているのみ。以前、エルニドの記事を書いたけど、その時のブログではそこまで書かなかった。このドラマの第一話の冒頭を見て思い出したのだ。

 

<マニラ・イントラムロスの傍> ※再掲

 

※出典:エルニド旅のブログ

 

6/23の第3話も良かった。初回で職場の人間模様を荒っぽく紹介していたのに対して、亡くなった方の周辺を丁寧に描いていた。余貴美子が演じた食道のオバちゃんの人柄を上手く描いていた。つい他人の事を優先して「自分は後でいいから」って献身的な人は確かにいる。目立たないけど、スポットライトを当ててあげていた。

ガキ大将と子分が定年の時期に近づいて片方が亡くなる。途中まで亡くなったのがガキ大将の方だと思って見ていた。終盤でまさか逆だったのかと意外性を突いてきたのが良かった。
 

●TV10「Believe」

6/6放送の北大路欣也の科白は橋梁関係でなくてもサラリーマンならみんな実感するものではないか。「俺たち下請けとあんたらゼネコンの間に橋は架かっていない」。そうなんだよな。大企業と子会社、SEとパートナー企業、どれも仕事があるから繋がっている。けど、それは永続的なものではなく、いざと言う時にドライな関係なんだと思い知らされるもの。理屈でも感情でもなく、相手のホンネはそういう時に露骨に出てくるもの。

最終回は周辺人物に光を当ててくれた。小日向社長は執務室に掛かっていた言葉の通り「一得一失」。服役中に「夢を語る奴はうっとおしくて嫌い。働くことは夢を捨てること」と喋らせるのは分からなくもない。これもリアルだし、逃げ切る政治家(賀来都知事)もリアルにありそう。ずっと立場が曖昧だった斉藤工は映画「Legend&Butterfly」で本人と分からないような家康役だったのもあり、善人で良かった。

ただ、最後までキムタクと天海祐希は夫婦に見えなかったな。これはTV10のキャスティング・ミス。どうしても天海祐希が必須ならば、TBS「南極大陸」の綾瀬はるか(義妹)のように義姉くらいの関係に留めるべきだったのでは。

 

●NHK「光る君へ」

先日のブログで大河ドラマと何かと被っている日テレ「知らなくていいコト」について触れた。大石静なのに大河のストーリーがのっぺりしているのは、平安時代ってこともあって仕方ないのかな。

※参考ブログ

 

●NHK「虎に翼」

前後の混乱期、法曹界に戻ってもどうしても調子が戻らない寅子。そんな時にチャラい滝藤賢一は雰囲気を変えてくれたいい存在。相変わらず仏調面の松山ケンイチは「純度の高い正論」とアドバイスする。確かに若い情熱に勝るモノはないかも。

6/27放送で昇仙峡玲子が「ブギウギ」の茨田りつ子役で再登板してきた。


●日テレ「花咲舞は黙っていない」

コントみたいな産業中央銀行の半沢直樹、彼は一体何だったんだろう。

ロケ地で分かったのは日本橋の三井信託銀行と群馬県庁(おそらく)。群馬県庁は赤城山に登った時にかなりの構想ビルだったので目に付いた。


 ●TBS「アンチヒーロー」

最終回でスッキリした。ただ、日曜夜に見たい内容ではなかった。

 

●TV10「Destiny」

あのエンディングはダメでしょ。ずっと良かったのに最後でコケた。

 

●フジ「ブルーモーメント」

新鮮な職業だけどやっぱりTBS「東京MER」と似ていて、入り込めず。