唐十郎さんが亡くなった。ネットで画像を探したところ、それなりの年齢でかつカッコ良く写っていたのがこの写真だった。

 

<朝日新聞サイトより>

 

状況劇場の頃をリアルに知らない世代なので、80年代後半から90年代に新宿・花園神社のテント小屋で芝居を観たくらいだ。

 

颯爽としてカッコいい男だと感じたのを覚えている。ケバケバしい衣装の看護師が登場したり、芝居はやや大袈裟で破天荒な印象だった。役者が大きな注射器を抱えていたのか、それともそれが他の芝居とごっちゃになっているのか、もうそこまではハッキリした記憶は残っていない。芝居のラストで観客が座っている桟敷奥(もしかしたら舞台奥だったかも)のテントがバサっと開いて、テント内の閉じられた空間を新宿のリアルな世界に繋げてくれた。劇中の世界に酔ってんじゃないよ、って事だったのか。

 

<80~90年代の半券> ※再掲

※この投稿で唐組のチケット半券を載せた

 

上の記事からも引用しておく。

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最後は重鎮2人の芝居。状況劇場と名乗っていた頃は見ていないが、それでも新宿・花園神社のテントで見た芝居はオドロオドロしい空気を纏っていた。唐十郎のもったいぶった科白回しと不気味な舞台装置が何とも前時代的で、観客と一体となった興行の臭いが1980年代でもまだ残っていた。

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その芝居に出演していたのは唐十郎のほか麿赤兒、大久保鷹、緑魔子など。芝居の終わりに唐さんが1人ずつ紹介していったので覚えている。あの独特の風貌からして、あまりにも軽いフジ「ルパンの娘」に麿赤兒が出演していたのにはビックリした。

 

ほかに状況劇場の出身で有名なのは石橋蓮司、根津甚八が挙げられる。NHK朝ドラ「虎に翼」に出演中の小林薫もその一人。最近の報道で佐野史郎もここの出身だったのだと知った。それだけ多くの個性的な名優を輩出した唐十郎だった。

 

ご冥福をお祈りいたします。