最近、部屋の大掃除を繰り返している。1日やっては疲れて放置。また忘れた頃にゴソゴソと押入のダンボール漁りの続きを始める始末なので、いつまで経っても終わらない。

 

ある日、古いダンボールから1980年代の演劇のチラシ、パンフレット、半券などなど大量に出てきた。全く記憶のない紙切れも多いけど、当時の記憶が蘇ってくるものも少なくない。

 

<遊◎機械・全自動シアター(2)>

 

 

まずは、ランドセルを背負った山田のぼる役の高泉淳子とコック姿の白井晃。これは芝居「僕の時間の深呼吸」の小冊子から拝借した1枚。この山田のぼる君はコントとして完成したものだった。

 

白井晃はフジ「古畑任三郎」などでも活躍したけど、私としてはこの劇団での印象が強かった。何度、この劇団の芝居のために青山円形劇場に通ったことか。劇団としては常に小綺麗な芝居を作っていた印象。

 

<オフィス・ザ・サードステージ(3)>

 

 

 

ここに拡大した3枚は「大恋愛」のチラシ。第三舞台と虚構の劇団(いずれも鴻上尚史)の芝居は下北沢スズナリとか両国方面、高円寺などで何度か観ているものの、これは全く記憶がない。

 

ただ、ここに映っている俳優陣がとにかく若い。時代の空気も違う。大高さんと筧利夫は雰囲気あるけど、恥かしながら古田新太はTBS「逃げ恥」を見るまでその存在を知らなかった。筧利夫と古田新太に挟まれて帽子をかぶっているのは、もしかして勝村政信かも。

 

女性陣も懐かしい。木野花はNHK「あまちゃん」に出演していた。長野里美、筒井真理子も偶にTVで見る顔ぶれだ。山下裕子って確か絶叫系の役者だった。

 

<劇団NOISE>

 

いつだったか40代前半で亡くなられたと聞いてビックリした如月小春の劇団。私にとって演劇との出会いは、渋谷PARCOで上演していた劇団NOISEの「Moral 2nd」だったと思う。

 

顔を伏せたまま真っ黒い衣装を纏って「ワ・タ・シ・ガ・コ・コ・ニ・イ・ル・コ・ト・ヲ・……」とか「デデ、パパ、デデ、パパ、デパート、デパート」って言葉遊びのような科白が延々と続いてインパクトあった。白いボールを持ってゆっくり動く仮面男を得体の知れない存在だった。

 

そういう無機的、渋谷的な芝居もあれば、他方で「ロミオとフリージアのある食卓」は普通に捲し立てる系(だったかな?)の芝居も好きだった。部屋のどこかにシナリオ本が2~3冊は埋まっている。

 

<六角精児>

 

演劇人の中でバラエティも含めて幅広く活動できているのはこの人、六角精児だろう。若い頃からあの髪型だった。横内謙介の劇団・善人会議の芝居であのお顔を拝んでいる。

 

チラシの山を丁寧に探せば、篠井英介が出演していた花組芝居もあったかも知れない。篠井さんは無機的な雰囲気が変わっていない。


<劇団青い鳥「ギリアイルに行きたい」>

 

いつも遠い眼をしていた女性5人組の劇団・青い鳥の芝居は何度か見ている。ここはオマケをくれた。ダンボールの底から直径10cmくらいの薄いアルミ缶を発見。でも30年くらいの時の経過で、錆びて固まっているためかどうにも開かない。止む無く捨てる事にした。

 

<唐座、劇団3○○>

 

 

最後は重鎮2人の芝居。状況劇場と名乗っていた頃は見ていないが、それでも新宿・花園神社のテントで見た芝居はオドロオドロしい空気を纏っていた。唐十郎のもったいぶった科白回しと不気味な舞台装置が何とも前時代的で、観客と一体となった興行の臭いが1980年代でもまだ残っていた。

 

渡辺えり子の劇団3○○(さんじゅうまる)のこの作品は記憶にない。ただ、「千の眼のカデンツァ」を新宿タイニーアリスで見たのは覚えている。確か若き日の豊川悦司も出演していたって後から知った。「ドドド、ドドドド、ドドドドド~」って科白が重たく響いていたのはこの作品だったかな、もう自信がない。

 

※参考

http://www.asahi-net.or.jp/~wt6m-wtnb/tl-16.htm