JRの新幹線とローカル特急の乗継割引が廃止された。新聞の小さな記事で見たので昨年秋には知っていた。ブログに書こうと思っているうちに3/16に時刻表改正されたので、JR全社でもう廃止されてしまったんじゃないか。

 

(1)特急券の乗継割引ルール

これは新幹線とローカル特急を同日(+ある条件を満たせば翌日もok)乗り継ぐ場合、ローカル特急の特急券が半額になる制度。東京―博多間だと例外4駅(東京/品川/小倉/博多)を除いて適用されている。JR東日本の東北新幹線、上越新幹線、東京―金沢の北陸新幹線でも同様である。

 

<新幹線デザインのサランラップ>

 

この制度のことはボンヤリ知っていたけど、かつて旅行の学校で試験対策として教えてもらったことがある。JRの神様に板書してもらった写真を見つけた。この授業が面白かったし懐かしい。

 

JR運賃計算はJATAやANTAの旅行業務取扱管理者の試験問題にも必ず出題されるもの。ルールさえ分かっていれば簡単だけど、このルールが消える事で出題者は適問作りに困るんじゃないか。

 

<割引対象駅一覧、山形や秋田など幹線直通特急券の扱い>

 

 

(2)所感

勘弁してくれ、もうこの一言に尽きる。

 

数年前にJR東日本が特急あずさ、かいじ回数券を廃止してしまった。八ヶ岳へ行くのに格安チケット屋さんで買えば新宿―茅野がだいたい4200円くらいだったのに、今では5650円。大幅値上げだった。北アルプスに向かう新宿―松本はそれ以上の値上げになっている。

 

※参考ブログ

 

しかも、そのタイミングで自由席も廃止して指定席オンリーになり、急な登山に支障をきたしている。満席だけどどうしても、って時に「座席未指定券」を買って空席を探すのだけど、立川、八王子など停車する度にランプが緑色(予約席)に変わっては空いている座席を探すのは疲れる。乗客によっては白眼視してくる人もいるし厄介。

 

次項に掲げるYahooの記事はflatに書かれているけど、JR東日本とJR東海ではベースとなる収益力や路線拡充努力が異なる。中央本線の東西でリニューアルされた特急あずさ(JR東)と古典的な特急しなの(JR東海)の車両を比べただけでも隔世の感がある。各社独立した会社なら個々の対応をして欲しい。

 

(3)ネット記事を読んで補足

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JR東日本は、利用者が減少していることを理由に乗継割引を廃止する。……(中略)……チケットレスでの利用を推進しており、いっぽうで新幹線ネットワークがミニ新幹線も含め各地に展開するようになり、乗り継いでいかなければならないところはJR発足後少なくなっている。

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JR東日本のロジックは分からないでもない。この30年くらいで新幹線網を大幅に拡充してくれた。東京在住の人は新幹線だけで出掛けられるエリアが増えたのは確か。ただ、鳥海山に登るのに鶴岡とか象潟へ行くのに、やっぱり特急いなほと上越新幹線の割引は欲しいなあ。庄内地方は寝台特急あけぼのが無くなってから精神的な距離ができてしまったな。


あと上越妙高から他社線(北越急行だったかな?)を経由して新潟まで特急しらゆきが走っている。あの路線はJRだけじゃないのに乗継割引が使えてビックリしたことがある。

 

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JR東海では、新幹線の「EXサービス」と合わせて在来線特急もネット予約で乗車できるようなサービスを提供するため、廃止する。JR東海の場合は、静岡での「ふじかわ」、名古屋での「ひだ」「南紀」「しなの」、米原での「しらさぎ」(これは場合によっては名古屋)が該当する。米原乗り換えの「しらさぎ」は、以前は対北陸の輸送に大きな役割を果たしてきたが、北陸新幹線金沢開業後は中京圏と北陸圏の行き来で利用する人がメインとなり、来春の敦賀開業で北陸と東京の行き来はほぼ北陸新幹線が担うことになる。

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JR東海の対応はえげつない。上場JRの中で最高益を誇るのに、この30年もの間に路線の充実はなんらない。それで割引制度だけ廃止するのは問題ある。

 

とにかく名古屋はローカル特急の宝庫。北アルプスや御嶽山へ向かう「しなの」、西穂高や立山へ向かう「ひだ」、熊野古道に使った「南紀」、金沢からのんびり琵琶湖を回る「しらさぎ」などルートは豊富にある。コロナ禍でこのところこれらのルートを頻繁に利用してきただけに、この割引がなくなるのは痛い。たかが1000円、されど1000円なのだ。

 

静岡―甲府の「ふじかわ」もシカにぶつかるけど重宝している路線。豊橋駅からも1日2便の「伊那路」もある。まあ伊那路は乗るだけで苦痛になるほど時間を食うので、いずれ廃止の運命かもしれないけど、ホントにリニア・飯田駅ができたら乗客数が盛り返すかも知れない。

 

※参考ブログ

 

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JR各社は、増収を考える必要が生まれた。以前からある東海道・山陽新幹線は通しで料金を計算しても、山陽新幹線と九州新幹線では、直通しても会社ごとに特急料金などを計算するようになった。

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ここは国鉄分割民営化のダークな部分だ。北陸新幹線は上越妙高の前後でJR東とJR西で会社が分かれているので、特急料金も別チャージで合算しているので割高になっている。北海道新幹線も新青森駅が合算境界になっており、青函トンネルはJR北海道の運営負担となっている。

 

※出典:いずれも以下のYahoo記事から引用

https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/0c37809b24dc727b1fda64256901d3744467b945