このネタを書くのはこれで3回目。ロシア/ウクライナ問題と異なり、ここでは露骨なまでに一方的な戦力差があるので、とにかく一刻も早い解決を願いたい。

 

あと、人質の解放を優先しないのってどういう神経なんだか分からない。他国の人質でまだ解放されていない人がいれば国際問題だけど、その点はもうクリアなのか?

 

<ネットより>


(1)国際社会で声を挙げたのは

一般人がデモで抗議する光景はヨーロッパ諸国に見られる。でも、その行為がその国の方向性を動かすには至っていない。日本も国レベルでは至って静かだ。

 

そんな中、2023年末に声を挙げたのが南アフリカ共和国だった。南アフリカが国際司法裁判所にイスラエルの行動をジェノサイドだと提訴した。それは報道を見れば誰にも明らかな事、でも主要国はそこまで踏み込むのを避けてきた。彼らの行為が21世紀のホロコーストである事は間違いなく、それを公の場で明言してくれた。その事がパレスチナ人にとって1つの光明になってくれたら嬉しい。

 

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ハマスが運営するガザ地区の保健省は、イスラエルの報復攻撃によって2万3350人以上が殺され、その大半が子供と女性だとしている。南アが提出した訴状には、パレスチナ人の無差別殺戮(さつりく)からガザのインフラ破壊に至るまで、イスラエルが犯したとされる数々の容疑が含まれていた。南ア側の弁護士の一人、アディラ・ハシム氏は、「この殺害は、パレスチナ人の生活の破壊以外の何物でもない」と述べた。南ア側はまた、ガザ地区でのイスラエルの戦争はこれ以上続けてはならないと訴えた。

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※出典

https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-67966883

 

ただ、どうして南アフリカが? って疑問があったのでちょっと検索してみた。

 

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アフリカ大陸には、現在までイスラエルを承認していない国が6ヵ国(アルジェリア、チュニジア、マリ、ニジェール、モーリタニア、ジブチ)ある。その他はイスラエルを承認しているが、外交的、商業的な関係を深めつつも、イスラエルのパレスチナへの対応は倫理にもとると考える国が多い。ナイジェリアや南アフリカは、そうした態度をとっている。南アフリカにとって、イスラエルとの経済関係はそれなりに重要だが、政権与党ANCの態度は従来と変わらず、親パレスチナである。……(中略)……

植民地化の経験を持つアフリカ諸国は、もともとパレスチナへの連帯感が強い。

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※出典

https://www.tufs.ac.jp/asc/information/post-955.html

 

南アフリカと言えばかつてアパルトヘイト(黒人差別)の国として悪評があった。蔵前仁一の旅行記にも鉄道駅に白人専用のゲートと黒人専用のそれがあった等と書かれていたように記憶している。私もヨハネスブルグの空港から周辺国に乗り継いだ事はるけど、治安を気にしてトランジットエリアから一歩も出なかった。

 

そして、今回の事件が起きたイスラエルはユダヤ人がパレスチナ人を差別する、21世紀のアパルトヘイト国家と称されていた。そうした20世紀の差別国家が70年も続く現代の差別国家に指摘した事実は重たい。

 

高橋和夫氏(国際政治学者)の文章を読んで要約した拙文を短く再掲する。

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占領地を除くと、人口870万人の75%程度がユダヤ人、残りがアラブ人だが、その人口動態を意図的に変えてしまおうとしている。出生率は3.1と他国と比べて高い値だが、更にユダヤ教の超保守派に限ると7を超えているのだ。

ヨルダン川西岸地区(僅かな土地に限って自治)とガザ地区(世界最大の監獄)の占領地には、500万人のパレスチナ人が暮らしている。Totalすると、人口1370万人のうち、ユダヤ人は670万人で少数派になる。

人口動態を戦略的に捻じ曲げようとしたり、占領地にユダヤ人の入植を強引に推し進めたりしている姿は異常だ。国民もユダヤ人、二級市民(イスラエル国籍を持つパレスチナ人)、占領下のパレスチナ人と階級を付けている姿はまるでアパルトヘイト国家だ。

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※出典(弊ブログ)

 

(2)アラブ民族で助けてくれるのは

パレスチナと同じアラブ民族はトルコの南からアラビア半島の尖端やマグレブ諸国まで広がっている。でも、同じアラブ民族でも米国とイスラエルに取り込まれた国は支援してくれない。日経新聞で読んだ情報によると、国境を接するエジプトもヨルダンもイスラエルと経済関係を結んでいるため、電力か何かの供給ストップを恐れて自国優先で行動するしかないのだとか。

 

そんな中で行動を起こしているのが、レバノンの一部勢力とイエメンのフーシ派だ。イエメン内戦の状況を把握できていないので賛否を明確にできないけど、アラビアの最貧国の1つであるイエメンが反イスラエルの行動をとっているのは弱者連合になってしまうのか。それを見て行動する国はないのかと疑問に思う。

 

私はイエメンを平和な時期に旅しており、何ら治安上のトラブルもなかった。ネットで調べても素人に分かる事は僅かだ。ただ、親米か反米かによって色分けされてしまうのは厄介な世の中だ。

 

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フーシ派と、シーア派の大国イランは、イスラム教スンニ派の盟主サウジアラビアとの対立という点で利害を共有する。イエメンではイランがフーシ派、サウジがイエメン政府をそれぞれ支援し、地域での影響力拡大を狙う両国による代理戦争の様相を呈している。

フーシ派とハマスは、イラン主導のネットワーク「抵抗の枢軸」のメンバーでもある。抵抗の枢軸はイエメンやシリア、レバノン、ガザ、イラクのイスラム組織や政府で構成されている。

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※出典

https://forbesjapan.com/articles/detail/67885