1/2の大学ラグビー準決勝は、早稲田が12月のうちに消えていたのと能登地震の気分的なものもあってなんとなく見なかった。とは言え明治が頑張っているし、決勝をTV観戦した。

 

大学ラグビーの大一番はいつも14時開始なのに、この日(1/13)はTV中継が15時スタート。もしかして地震関連のニュースで試合開始を繰り下げたのか。

 

<創部100年の明治、開始2分で帝京がトライ>

 

 

開始早々、帝京がトライを奪取して一方的な展開を予想してしまう嫌なムード。解説の坂田さんが明治の守備2名(CTBとWTB)がともに右に動いてしまった事で帝京に交わされたとコメントしていた。確かにちょっと甘い。帝京がタックルされても引きずって前進するくらいのパワーだから、ダブルタックルが有効。帝京のフォローで追走している選手は腕を振り上げて「行けー!」と叫んでいる様子で力の差はありあり。

 

<前半24分_幻のトライ、前半25分に飛び込む>

 

 

前半24分に明治の選手を引きずるようにしてゴールラインを割る。これでワンサイド・ゲームになる惧れがあったけど、帝京の反則(ノッコン)があってトライは認められず。明治としてはTMO判定に助けられた形だ。ただ、帝京はその2分後にモールから飛び出してシッカリと仕留める。

 

<ラグビーも雷には勝てなかった(15:45)>

 

前半27分頃、白いものがグラウンドに落ち始めた。みぞれ。これは寒い。解説の広瀬が(現役時代に)あまりの寒さでやかんのお湯を持って来させたとか昔話をしている。確かに動き回るFWと待つWTBでは体感気温が大きく異なるだろう。ただ、ラグビーは雨が降っても雪が降っても試合中止にはならない。1987年の雪の早明戦(拙文参照)は前日の雪が残っていたけど、それでも定刻に実施されている。あの時は、選手の肩口から上気するように湯気が立っていた。

 

※参考:1987年_雪の早明戦のブログ

 

そこまでして試合を続行するのはラグビーのルーツが戦争にあるためだ。天候によって敵が戦闘休止してくれる訳でもないので、試合が後日に延期される事はない。ラグビーの球は弾丸の代わり。だから、前に落とすノッコンは致命的なミスとされるし、スローフォワードも許されない。以前に書いた拙文からちょっと引用してみる。

 

======

スローフォワード(throw forward)が駄目なのはこんな風に考えてみよう。ラグビーボールは弾丸と捉えると、それを敵陣に着弾させるのがトライ、だから前にパスしたら相手に奪われる惧れもあるし爆発してしまう危険もあるので、後ろ側の味方に確実に繋いで前進していく必要がある。

======

※参考:ラグビーの起源に触れた拙文

 

この日はTV画面を通じて雷鳴が聞こえた。ほどなくして試合は一時休止。確かに落雷のリスクがあるので、仕方ない。ラグビーでこんなシーンは見た事ない。

 

<暗雲が立ち込める(15:49)、このカードだと国立の観客席が埋まらないな(16:25)>

 

 

しかも、休止が1時間近くに及んだ。選手は体が濡れて冷え切っているだろうし、冷え込んだ中で取り残された観客も大変だ。

 

いよいよ試合再開。ここまで一方的な帝京ペースだったが、前半35分に裏へのパスから左アキスペースにボールを回して明治CTBがトライ。更に前半38分にゴール前スクラムからWTB海老沢に渡してトライ。14-12と接戦に持ち込んだ。

 

*

この日は夕方から予定があったので、リアルタイムでTV観戦できたのはここまで。後半はNHK+でチェックした。

 

後半には雷鳴こそ聞こえなかったものの、雪がしきりに降っていた。冷え込んだ事もあって、両チームともノッコンの反則を連発していた。いつもはキック合戦が嫌いだけど、こんな天気だとまずは蹴り込んで相手陣で戦うのが有利だった。

 

たとえ前半で拮抗した勝負を展開していても、ラグビーの実力差は後半に明らかになる。点差はさほど開かなかったけど、帝京のFWには明らかに笑顔が見られた。スクラムで明治の反則を誘うとヨシと喜ぶのは普通だけど、この試合ではヤケに絶叫するシーンが目立った。ここ15年くらい、大学ラグビーで帝京の勝率は圧倒的に高い、その自信のなせるゆえか。だから、後半26分のオブストラクションで帝京のトライがTMOでこの日2本目の無効になったシーンでも誰も気にかけている風にも見えなかった。

 

終わってみれば34-15、これで帝京のV3か。