コロナ禍で日本中のスポーツがstopしていた頃、NHK-BSで過去の名勝負を再放送していた。確か6月だったか、あの1987年12月の名勝負・雪の早明戦を再放送していたので、また見てしまった。 

<1987年_雪の早明戦(2)>

 


スクラム戦ではFW陣の背中から湯気が立ち上っている様が、TV画面を通じてしっかりと見て取れる。

 
10〜15年に1度くらいは再放送されるけど、あの試合は痺れる。明治・大西キャブテンと早稲田・永田キャプテンの時代だ。まさか12月第一日曜日だと言うのに雪が降った。正確には前日に国立競技場に雪が降り積もり、両チームの関係者がグラウンド整備して開催にこぎつけた試合だった。 

<早稲田・WTB今泉清>

先ず、今泉がヒョロっと痩せている姿にビックリした。個人的には1990年の24対24の劇的な同点劇のFB今泉とWTB郷田の雄姿の方を鮮明に覚えているので、今泉はもっとガッシリしたimageで記憶していたのだ。それと彼のポジションはFBなので背番号15で記憶しているけど、1年生の早明戦ではWBTで出場していたのか。

この年の彼は堀越と同じスーパー一年生の一人だった。PGを狙う時の動作は、既にこの時から派手だった。4年の時には、彼の後ろに下がるモーションに合わせて、観客席から「1,2,3」と掛け声が掛かっていたのも懐かしい。 

<早稲田・SH堀越正巳>

堀越はすばしっこい。とにかく彼の球出しは速いのだ。歴代SHの中でも群を抜く。彼と明治のSH永友が競っていたのは1989~1990年だったのか、あれは面白かった。 

<明治・WTB吉田義人>

彼もこの年はまだ一年生。でもストイックな彼は、3年後には悲壮感を纏って明治を優勝に導く。見ただけで必死の走りが伝わってくる吉田の走りは特徴的だった。

<早稲田・No.8清宮克幸(おそらく)>

彼は2年生か3年生だったか。昨年のW杯ってもしかして清宮監督とか実現していたらとワクワクしていた時期もあった。清宮パパは監督時代の功績も素晴らしく偉大だ。

この中から何人の日本代表が輩出されたか、早明ともとにかく凄いスター選手が揃っていた輝かしい年だった。明治の永友と元木はまだ高校生だった。
 
もうすぐ11/23がやってくる。何故か慶応が激しく喰らいついてくる早慶戦だ。そして12月第1日曜日は伝統の早明定期戦。名勝負が生まれるならどっちが勝ってもいい。2戦ともとても楽しみにしている。
 
今年ももうそんな季節になった。
 
 

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【2024.11.27追記】

先日NHK「アナザーストーリー」で1987年、雪の早明戦を取り上げていた。なんか嬉しくなったのでその番組について少し追記しておく。

 

取り上げられたのは、早稲田のスーパー1年生2人。当時の4年生にワザを伝授してもらうことでSH堀越の素速いダイビング・パスが生まれたのか。今では「こち亀」両さんの風貌だ。今泉も菅平のロングキックの後でFWからコンバートされたのだと明かす。こちらは当時のすらっとした面影が全くない。

 

<SH堀越、WTB今泉(3)>

 

 

 

吉田がボールを持っていない方の手を大きくスイングさせてゴールライン目掛けて走り切る姿はカッコ良かった。1990年は早稲田が定期戦で24-24に追いついいて勝った気分になれたけど、吉田主将が率いるチームの優勝で誰も文句なかった。

 

<魂の明治を体現したWTB吉田>

 

吉田と北島監督は一体であり、北島さんの言葉も紹介された。北島監督がラグビーをやりたくて明治に再入学したとか「ボールを持った人間がリーダーだ」って言葉は知らなかった。明治は大西主将の言葉にもあった通り、徹底的に「前へ」出ることに拘った泥だらけの1987年12月だった。

 

<あの時は、こんな雪が降った直後だったのか>