年末12/30に放送されていた1時間番組「あの日 あの時 あの番組」を見た。


<NHKサイトより>


過去のインタビューとそれに関連したドラマ場面を再構成した番組だった。紹介された作品は4つ。

 

TBS「ふぞろいの林檎たち」

主題歌「いとしのエリー」は今でも耳に残っているけど、ドラマとしてはあまり好きではなかった。氏でインタビューで語っていた「マイナスを持っている人の方が面白いじゃないか」はその通り。ただ、ちょっと描き方がストレート過ぎたように思う。主役の男女6名が弾けすぎて、小林薫や国広富之など少し上の大人とヤケにギャップがあり過ぎるように感じた。

この少し前だったと思うが、時任三郎と中井貴一が倉本總脚本・フジ「ライスカレー」に出演しており、あの方がテンポ良くて明るい気分で見られたためか。

 

NHK「男たちの旅路」

鶴田浩二が照れた表情で山田太一と対面している姿が嬉しかった。このドラマについては他のブログで何度か書いているのでそちらを参照。

 

NHK「獅子の時代」(1980年)

1980年代半ばに川崎でお会いした時にかなり辛かったと話されていた。視聴者のこちらとしても面白さが分からなくて途中で断念した作品。勿論、そんな失礼な感想を大学生の分際でシナリオ・ライターに漏らすことはできない。

ただ、歴史上の人物でない人を敢えて描いたのは氏の拘りなんだろう。氏の表情は柔和なんだけど時折とても厳しい面構えが垣間見える。

 

NHK「日本の面影」(1984年)

小泉八雲夫妻を取り上げたドラマで記憶にない。けど、檀ふみのカツラ姿を見てなんか記憶の片隅にあったような気もする。昭和の当時においても「闇がなくなってきた」事を嘆いていた。人知の及ばないモノにも一定の価値評価がされていいんじゃないか、そんなテーゼがあったようだ。

 

NHK「いちばん綺麗なとき」(1999年)

これは全く知らない。山田太一のお気に入り八千草薫が主演。NHK「阿修羅のごとく」で姉を演じていた加藤治子も絡んでくる。この作品は再放送で見てみたいなあ。

 

山田太一が亡くなってから確かに「チロルの挽歌」や「それぞれの秋」が再放送されている。けど、深夜帯だったので見ていない。

 

あとリクエストするとすれば、笠智衆が主役を務めた3部作がいい。「冬構え」、「ながらえば」ともう1本。どれだったか、笠智衆と藤原釜足が囲炉裏の前で沈黙するシーンがあったのだけは覚えている。若い頃にはあのドラマを見ても、モヤモヤするばかりで感じるものは僅かだった。ジェネレーション・ギャップがあって演者とシンクロできなかった部分があるのは、「男たちの旅路」第三部「シルバーシート」にも言えることだ。40年くらい経過した事で、こちらとしても違った心持ちで得られるものがあるんじゃないかと思うのだ。

 

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以下ご参考まで。NHKサイトで冒頭の動画3分くらい付けて4作品を紹介している。いずれもNHK作品だと思う。

https://www2.nhk.or.jp/archives/articles/?id=C0010288

 

・河を渡ったあの夏の日々(1973年)

・チロルの挽歌(1992年)

・なんだか人が恋しくて(1994年)

・家へおいでよ(1996年)

 

動画を見たものの「チロルの挽歌」以外の90年代作品は全く記憶にない。「家へおいでよ」の科白はいかにも山田太一っぽくて、これら2作品に山田太一ドラマの準レギュラーとも言える杉浦直樹が出演しているのが懐かしかった。