TBS「VIVANT」とテレ朝「シッコウ」は前回の感想でfinalとした。海外の旅の写真と文章を再構成して「VIVANT」について弊HPにまとめ直したので、以下参照。
※「VIVANT」と旅の記憶
●NHK「どうする家康」
【8/27放送】秀吉の怖さ・老獪さを主君である家康に伝えたかったんだろうけど、数正出奔はイマ1つ。それよりも佐藤浩市が演じる真田が不敵な態度でいい感じ。
【9/3放送】数正出奔を引きずった回。これまでの放送で記憶に残る数正のエピソードがなかったので、中だるみ感あり。でも、秀吉時代になって女々しかった家康がキリリと引き締まってきたのは大きな変化だ。
でもこの頃の家康は天下取りを本気で考えていたのか。武田の軍制を徳川に応用したとか家康家臣団の苦労を丁寧に描いてくれないと、なんだか殿の言葉だけが浮いて聞こえる。
【9/17放送】銭取の婆さんがみたび登場。でも、どうして浜松から駿府に移ることになったのか殿の見解が出てこないのでは描き方として雑。秀吉は沈黙で語らせておけばいいので、これだと主人公の行動が散漫に過ぎる。
<浜松銘菓・銭取> ※再掲
三成との出会いはヤケに綺麗に描かれていた。この2人の相性が良かったって伏線は後々効いてくるな。似た人物だからこそ違和感を募らせてしまうのもリアルにあり得る事だから。
本田忠勝はまだ老けていないのに年頃の娘が登場。NHK「真田丸」では藤岡弘(忠勝)が大泉洋(真田の長男)にプレッシャーを掛けるシーンがあったのを思い出した。「表裏比興の者」真田のふてぶてしい態度は佐藤浩市に合っている。
あと、血気盛んながら調子こいている井伊直政は菅田将暉が再演しても良かったかも。今回の逸話は以下参照。
<冊子「井伊直政・直虎物語」p.21より>
【9/24放送】静かな展開だったが最後にサプライズあり。お市の方に北川景子を配役したのはちょっと格からして釣り合わないと思っていたけど、まさか1人2役で茶々を演じるとは!
今年のNHKは秀吉と茶々を2人とも狂気キャラで攻める趣向なのか。これで大阪夏の陣までしっかり暴れ回るって事だな。家康にとっては最後まで厄介な存在として惑わすのか。
●フジ「転職の魔王様」
9/4放送でも魔王様の切り返しが光っていた。ワガママなフ求職者が「転職支援会社の面談をまとめて受ければムダがない」と図々しい態度で面談に臨んできた。その彼がすぐに退職届を出してしまうと「退職届を出した理由を聞くのも2社まとめて話す方が効率的」と魔王様は無表情でやり返す。この淡々とした応酬は嫌いじゃない。
9/18放送で魔王様と未谷の出会いが明らかになった。エピソードをかなりシツコク重ねてくるけど、さして違和感はなかった。
このドラマ見ながらずっと分からなかったのが小芝風花は巧いのか。おそらくそうなんだろう。オドオドした雰囲気がずっと抜けないままで、NHK「朝がきた」と全然違った。
●フジ「この素晴らしき世界」
コメディならその路線で進んでほしかったので、暴露系にひよったのは何なんだか。ちょうどジャニーズ問題が騒がしい時期と重なったけどこれが芸能界の体質なのか。
●NHK「らんまん」
この半年で浜辺美波の評価がかなり高くなった。表情がイキイキしていて、フジ(ドラマのタイトルを失念)で記憶喪失を演じていた白夜さんよりかなり好印象。
9/5放送で各自がそれぞれの夢を抱いて月を見上げるシーンが好きだった。あと、明治時代の渋谷の枯れ具合に驚いたけど、そのお陰で被災を免れて植物標本が残ったのであればラッキーだった。
最終週の思わぬ展開にビックリ。バイカオーレンって言葉が出ると同時に時代がワープ。峯屋の松坂慶子と語りの宮崎あおいが時代を吹っ飛ばしてご対面することに。物語のラストを後世からあっさりと描く手法は良かった。
9/28放送で十徳長屋の文学青年が後の坪内逍遥だと判明。ふーん。演劇博物館の写真は手元にないけど、以下ブログで紹介した2枚目以降の写真は演博で開催された「テレビドラマ博覧会」と「山田太一展」の写真。
<演劇博物館にて> ※再掲
※出典:2019年のブログ