時期: 2021.5.下旬

行き: 西鹿島→水窪(水窪タクシーのバス)、水窪→飯田(JR飯田線)

帰り: 天竜峡→豊橋(JR飯田線)

 

低山旅は楽しい。ただ、コロナ禍に“三遠南信旅”と銘打ってから南信(南信州)に足を踏み入れた事がなかった。これはいけないし、ちょっと趣向を変えて、県境を越えて伊那谷に向かった。

 

この旅の目的は4つ。

・龍山村西川より北側の様子を探る。特に水窪は初めてのエリア

・飯田線・本長篠より北側の車窓を見る。湯谷温泉とか佐久間とか

・観光客気分で天竜峡の川下り

・飯田の西にある富士見台高原や恵那山に登るための下見

 

要は、北遠州と奥三河と飯田線の秘境駅エリアをザックリwatchしてくるのが主目的と言ってもいい。観光客みたいで、いつものヤマ旅とは明らかに異なっていた。

 

飯田や伊那・駒ヶ根エリアは東京からとにかく遠い。中央線特急で岡谷・辰野まで行って乗り換えても、新幹線・豊橋から北上しても4時間では着かないだろう。秘境駅がいくつも並んでいてミステリアスなのもこの飯田線の魅力なのかも知れないし、あの運行本数の少なさから足が遠のくのも飯田線の特徴だ。かつて、木曾駒ケ岳に登るのに特急あずさ経由で初めて駒ヶ根まで下った時にはそれだけで疲れてしまった。

・2015年夏の木曽駒

・2016年1月は千畳敷で撤収

 

2018年のGWに、伊那谷に住んでいる大学時代の先輩のお宅に遊びに行った時は、蝶ケ岳の帰りだったので松本駅から乗ったJRはそんなに遠く感じなくて済んだ。ただ、同じ伊那谷でも伊那市のやや北寄りの土地は東を南アルプスに、西を中央アルプスに挟まれて平和なアニメの世界に入り込んだような錯覚も覚えた。

 

【参考】2018年に伊那谷でくつろぐ

 

さて、この旅は遠州鉄道&天浜線・西鹿島駅から始まった。その手前は、掛川、浜松、新所原などどこからでも簡単にアクセスできる。

この地域のバスに乗ったのはコロナ禍の2020年春だった。先ず驚いたのは、民間バス会社の運行がかなり困難な状態に追い込まれている事。西鹿島―水窪間も水窪タクシー(浜松市自主運行バス)によるもので、1日4本の運行体制だった。

 

船明ダムの東側を北上して、綺麗な気田川との合流地点を過ぎると天竜川の西側の森林地帯に入って行く。

 

【参考】2020年に散策した龍山村西川

 

2020年に散策した秋葉ダム(西川)を過ぎると今度は秋葉ダムを脇に見ながら北上。大雨の後だったので、川の水は濁っている。

 

<西渡駅で水窪川が合流、その後の車窓>

 

 

変化があったのは、西渡駅バス停を過ぎた所だった。ここで清流の水窪川と大河・天竜川が合流している。この先は水窪まで川を西側に見ながら進んで行く。車窓が綺麗なのはこのエリアだった。相月などJR飯田線の駅をいくつか交差しながら水窪まで90分のバス旅だった。天竜川って新幹線の車窓から眺める存在だったので、自分の知らない天竜川を遡上していくのはなかなかに楽しかった。気田川は綺麗だと噂されているのを知っていたけど、水窪川もとても雰囲気がいい。ネット検索してみたら、YAMARECOサイトで西渡駅から水窪まで歩いた強者を見つけたけど、交通アクセスさえ保障されていればこうしたルートを辿ってみるのもいい。

尚、西渡駅の由来については以下の記事で触れた。

 

【参考】西渡駅と水窪川

 

バス停からJR水窪駅まで急ぐ。この時間帯のみ飯田線の下りと接続ができているけど、如何せん15分くらいしかなかった。水窪には思ったより多くの住宅が並んでいた。ここの散策はまた次回改めて来てみよう。今回はそのまま天竜川を遡上していく。

 

<水窪駅入口、JR水窪駅>

 

 

【参考】投稿順序が逆になったけど、2023年春に水窪の高根城址を歩いている。2024年冬にも青崩峠まで登っている。


飯田線に乗車すると直ぐに車掌さんがやってくる。水窪駅は特急が停まる無人駅だからだ。ただ、行先を決めていなかったので焦る。ホントなら天竜峡駅で下車して舟下りをしたかった。でも、何度電話しても繋がらないのだ。ネット検索しても判然としない。長瀞(秩父)とか最上川(山形)ならいつでも運行しているだろうけど、飯田線沿線だけに自信が持てなかった。

 

天竜峡駅を過ぎた辺りで伊那谷の視界が開けてきた。なにはともあれ、西鹿島駅を出発して僅か(否、ようやく)3時間で交通の難所・飯田に到着した。最初に左車窓に見えたヤマが、カーブすると共に右車窓に移り、飯田駅に着くとまた左車窓に戻っていた。こういう眺めの変化は特急あずさ(新宿~松本:塩山あたり)でも楽しめて面白い。飯田の西側に聳えているのが風越山だった。

 

<飯田駅、風越山>